大会プログラム(PDF・カラー・約4.2MB・第2版) - クィア学会

12月6日(土)
9:00∼ 大会受付開始
9:30∼11:30 映画上映(▲別途費用が必要)
『R/EVOLVEー結婚と平等とピンクマネー』
11:30∼13:00 昼食を食べながら 総会(※)
13:20∼15:20 分科会1・分科会2 手話
15:40∼18:10 大会シンポジウム 手話
『家族をめぐるポリティクス―「個」から問い直す制度』
18:30∼20:30 懇親会(▲別途費用が必要)
12月7日(日)
9:30∼ 大会受付開始
10:00∼12:00 分科会3 手話
・分科会4
12:20∼13:50 昼食を食べながら 幹事会主催ワークショップ
『クィア学会のあり方を考える』 手話
14:10∼16:10 分科会5 手話
・分科会6
16:30∼18:00 総会(※)
「大会シンポジウム」「幹事会主催ワークショップ」「分科会2・3・5」 には
手話 手話通訳が入る予定です。(川端伸哉さんのご協力と日本社会事業大学
の聴覚障害学生助成を得ています。ありがとうございます)
(※)総会への参加は会員のみ。大会受付ですぐ入会できます。
目 次
大会シンポジウム………………2
個人報告・パネルの要旨………6
幹事会主催ワークショップ……3
会場案内…………………………9
映画上映…………………………4
受付・お弁当・トイレ…………10
懇親会……………………………4
入会案内…………………………10
個人報告・パネルの一覧………5
寄付のお願い……………………10
第2版 20141202
1
大会シンポジウム『
家族をめぐるポリティクス―「個」から問い直す制度』
おことわり:プログラムに記載されたシンポジウムの趣旨文は、第6期幹事会シンポジウム担当チームの見解です。
また登壇者名で記載された内容は、その登壇者の見解です。いずれも、クィア学会としての見解ではありません。
12月6日(土)
15:40∼18:10
531教室
登
壇
者
「家族」に関するデータをめぐるポリティックス
釜野さおり(国立社会保障・人口問題研究所・社会学)
本報告では、国の統計調査や研究者等による社会調査を通じて「家族」という「現実」が構築されるプロセスを、結果の公
表およびデータ収集の行為に焦点を当てながら示す 。有用なデータとは、調査主体(実施者)と調査対象者を含む市民の相互
作用によって作り上げるものである、という視点から、調査を通じて「家族」の「現実」をずらしていく可能性を探る。ま
た、適宜、異性愛家族のバリエーションや「正しい家族」から外れる生き方に対する意識の調査結果も紹介する。
趣旨文
制度の穴を埋める異性愛家族――『カムアウトする親子』を題材に
三部倫子(お茶の水女子大学・家族社会学)
現在、日本社会においても、「多様性(ダイバー
報告では、日本に生きるセクシュアルマイノリティと、子からカムアウトされた親の視点から家族制度の内実を考察する。
シティ)」という概念が広まり、同性婚やパート
親と子へのインタビュー調査、セクシュアルマイノリティや親向けの自助グループへの参与観察からえた質的データを題材
ナーシップへの注目が集まっている。しかし、その
に、子が異性愛家族から離れがたい状況にあること、子からの期待とは裏腹に親が両義的で難しい立場に立たされていること
一方で、「家族制度」や「婚姻制度」は、未だに、
を明らかにする。最後に、残された課題として、他者に認められるための語りの形式、曖昧なセクシュアルアイデンティ
シスジェンダーの「異性愛家族」を中心にして設計
ティ、異性愛家族から排除される人々について触れる。
されており、社会保障や社会福祉、パートナーシッ
プ制度などにおいて、大きな不均衡を残している。
それに加え、生活保護などのセーフティネットは整
家族から逃げる選択 ー 個 としての繋がりー
えられず、不安定な雇用や貧困の問題が顕在化する
岡田実穂(レイプクライシス・ネットワーク代表、Osora ni Niji wo Kake Mashita共同オーナー)
中で、家族に代わる制度を見出せずにいるというの
性暴力サバイバーの多くが知り合いであったり、家族から被害にあう。その中で「家族」といものを「すばらしいもの」と
が現状かもしれない。政策という側面から見ても、
いう幻想の中だけにおくのは、とても危険なものでもある。家族はよりオープンにならなければいけない。「最小単位のコ
女性活用や少子化対策は、露骨な形で、私たちの性
ミュニティ」と捉えられがちな家族は本来個の集合体であり、個は他者との交流なしには成り立たない。地域が、他者が、ど
や身体、欲望のかたちを規定しようとし、規範的な
のように個と相対していくのか。そこから、これからの家族を考えたい。
「家族」をつくろうとしている。このような時代に
おいて、「家族をめぐるポリティクス」というテー
マでシンポジウムを行うことは、現状への鋭い批判
を行うと同時に、新たな可能性を切り開くことに繋
がるのではないだろうか。
(文責:第6期幹事会シンポジウム担当チーム)
最終関門:「血縁ですか?」という引導。∼私のことを知ってる人は誰ですか∼
宇佐美翔子(RC-NET理事、 青森駅前銀座Osora ni Niji wo Kakemashita 共同オーナー)
レズビアンである私が【家族について】考えるということ。それにはとても複雑な思いがある。去年、母親が亡くなり、私
は戸籍上では天涯孤独になった。しかし、私は本当に独りなのか? この国でレズビアンとして生きていると、人生に起きる
様々な出来事とそれに伴う制度や慣習があるが、いつもそこからこぼれ落ちている気がしている。私たちずっと『居ない者』
にされるのか?いつまでも法律や制度の中の透明な存在のままなのか。今、あらためて自分が出来る事を考えている。 2
幹事会主催ワークショップ『クィア学会のあり方を考える』
12月7日(日)
12:20∼13:50
531教室
●内容
ワークショップでは、クィア学会のあり方を考えるために、
最初に問題提起をされたい方全員が問題提起を行ったのち、出
席者全員で自由に話し合いを行います。問題提起を希望される
方は、下記の要領でご連絡ください。みなさまのご参加をお待
クィアなダイバーシティは可能か。設立以来の様々
な出来事を活かし、これからの学会のあり方を考
えるために、会員の自由な意見交換の場をつくり
ます。
ちしております。
【問題提起について】
・当日のご発表は、お一人5分以内でご準備ください(人数が
多い場合には短くなる場合がございます)。
・パワーポイント設備はこちらで準備いたしますので、必要な
場合は、ワークショップ開始前の時間帯に、教室に準備された
パソコンのデスクトップ上にデータをコピーしておいてくださ
い。
●参加資格
会員・非会員を問わず、どなたでも参加し、意見を述べることが
できます。
最初の問題提起については、会員のみとさせていただきます。
○申込み先:クィア学会 jaqs2014taikai@gmail.com
:以下の情報を添えて、メールで応募してください。
(1)問題提起の主題(タイトル)
(2)お名前
(3)ご所属(あれば)
3
映画上映
『R/EVOLVE-結婚と平等とピンクマネー』 12月6日(土)
9:30∼11:30
532教室
映画『R/EVOLVE-結婚と平等とピンクマネー』
監督:billie rain|2013|米国|85分
音声:英語|字幕:日本語|English with Japanese subtitles
同性婚が法律で認められれば全て上手く行くはず。リンカーンと婚約したばかり
のルーカスはそう思っていた。企業のイメージアップのために同性婚キャンペーンを
計画したビッグコープ社。やはりモデルはイケメン白人ゲイか、それとも…その広告
を任されたリンカーンは、クィアなヒッチハイカー・ラクーンと出会い、保守的な会
社とは相容れない自身の思いに気付く。結婚の平等とは何か。その代償は何なの
か。同性婚が話題の米国から、レイシズムやお金問題も考えられる、楽しくてため
になるエンターテイメント映画です。関西クィア映画祭2013上映作品。
http://kansai-qff.org/2013/program/revolve/
懇親会
大会初日のシンポジウム終了後に、中京大学内で懇親会を開催
します。
どなたでもご参加頂けます。ふるってご参加下さい。
■日時
12月6日(土)18:30∼20:30
■会場
学生食堂「プレジール」
中京大学名古屋キャンパス内 センタービル2階
大会会場の5号館の東隣の建物です。
3階に渡り廊下があります
☎052-835-7111(代表)内線3250
http://www.chukyo-u.ac.jp/information/facility/g4.html
■懇親会費
3000円(大会受付でお支払い下さい)
映画上映 参加費
◎学会参加にあたり大学等から交通費等の
金銭的援助を受けられる人(領収書が必要な人)…… 1500円
◎完全に自費で学会に参加している人……………………… 500円
・学会からの援助がなく独自採算企画なため大会参加費とは別に参加費をお願いしています。
・学会や研究大会への参加の有無を問わず、どなたでもご参加頂けます。
主催:日本人中心主義に反対するクィア有志の会・関西クィア映画祭 字幕管理委員会
企画責任者:ひびの まこと
4
個人報告・パネルの一覧 おことわり:プログラムに個人・パネル名で記載された内容は、その個人・パネル構成員の見解であり、クィア学会としての見解ではありません。
12月6日(土)13:20 - 15:20
12月7日(日) 10:00 - 12:00
分科会1(個人報告)532教室
分科会3(個人報告)532教室
• 陳晨 中国におけるクイア現象への一考察―「屌丝」、「腐女」を中心にみる―
• 永井真平 折口信夫の同性社会より見るテクスチュアルハラスメントの構造
• 藤高和輝 現象学からフーコーへ
――初期ジュディス・バトラーにおける身体論の変遷
• 國弘暁子 「第三のジェンダー」幻想と性のアンビヴァランス
• 佐々木薫 女性の男性性と可視性:『TOKYO BOIS!』の「若さ」をめぐって
• 武田麻紀子 パフォーマンス・アートにおけるレズビアン主体
分科会4(個人報告)533教室
分科会2(個人報告)533教室
• 藤村久美子 女性学の授業において『多様な性』に対する知識・理解を深める試み
• 戸口太功耶 セクシュアルマイノリティの説明モデルの体系化
―教員とカウンセラーが現場で活かせる知識に向けて―
• 小澤かおる 性的少数者のライブラリに必要とされること(仮題)
• ひびのまこと 「わたしたち」のレイシズムー クィア/セクマイ/LGBT運動の未来
• 福永玄弥 中国と台湾/日本と、クィアな社会運動(Queer activism)
酷儿运动在大陆 (中国) 与台湾/日本 酷兒運動在大陸 (中國) 與台灣/日本
• 吉田匡 Field report: Pink Dot Okinawa 2014
• (報告者の個人的事情により、分科会4 で予定されていた秦勤さんの個人報告がキャンセルされました。)
12月7日(日)14:10 - 16:10
• 当日はこのプログラムの掲載順で報告する予定です(変更されることもあります)。
• 「分科会3」「分科会4」の開始時刻が30分繰り下げられ、10:00からになりました。
12月6日(土)
9:00∼ 大会受付開始
12月7日(日)
分科会5(個人報告)532教室
• 佐倉智美 女同士の絆 百合マンガ・アニメと女性ホモソーシャルな欲望
• 石田仁 いわゆる淫乱旅館の成立と機能について
• 鹿野由行 大阪・堂山町をめぐるまなざしとゲイバーの変遷
9:30∼ 大会受付開始
9:30∼11:30 映画上映(別途費用が必要)
10:00∼12:00 分科会3・4(個人報告)
分科会6(パネル)533教室
11:30∼13:00 総会
12:20∼13:50 幹事会主催ワークショップ
13:20∼15:20 分科会1・2(個人報告)
14:10∼16:10 分科会5・6(個人報告・パネル)
15:40∼18:10 大会シンポジウム
16:30∼18:00 総会
パネル:クィアと「否定的なものの共同体」
• 藤高和輝 クィア・ネガティヴィティ概念の系譜学――フェルマンからバトラーへ
• 島田陽祐 バタイユにおける「なにものでもないもの」の共同体
• 宮澤由歌(司会) 共同体から出来する存在――マゾヒズムの概念から
18:30∼20:30 懇親会(別途費用が必要)
5
分科会1(個人報告・ 司会:金田)6日(土) 13:20 - 15:20 532教室 分科会2(個人報告・ 司会:荒木)6日(土) 13:20 - 15:20 533教室 中国におけるクイア現象への一考察―「屌丝」、「腐女」を中心にみる―
女性学の授業において『多様な性』に対する知識・理解を深める試み
陳晨(チン シン)名古屋大学文学研究科日本文化学博士課程後期3年・学術振興会特別研究員DC2
藤村久美子 東洋英和女学院大学
言語:日本語 投影資料:あり
言語:日本語 投影資料:なし
今日の中国では、クイア思想の流入とその影響の下で形成された若年層の男性間に流通して
セクシュアルマイノリティに対する知識は殆ど無い、自分とは全く関係ない「他人事」だと
捉える或は偏見を抱く大学生は少なくない。この現状を踏まえて、本学の必修科目「女性
学」では15回の授業の内「多様な性」を4回にわたり取り扱っている。文献やビデオを基
にしたグループ討論に加えて、LGBT当事者やアライを招き直接話を聞く機会を設ける事に
より、LGBTに関しての知識・理解を深めると共に、LGBT当事者だけでなく非当事者も
「LGBT問題の当事者」だ、という意識を身につける事を目指している。ここでは授業実践
いる「屌丝」ディオ・スーとその文化が注目されている。「屌」の本義は男根を指し、本来
「陰毛」という意味で人を罵る際に使われる卑俗な言葉だが、2011年頃から、中国ポスト
消費社会のsocial mentalityを表わす新語として、共産党の党内機関紙の紙面にも登るように
なった。本発表では、それを、肯定と抵抗を示す言語記号へと変化させた「呼びかけ」的パ
フォーマンスとして捉えること、また「屌丝」とほぼ同時期に登場した「腐女」(「腐女子」
の中国語表現)をも視野に入れて、それらのパフォーマティビティはいかなる様態で行われ
ているかを明らかにすることを試みる。
折口信夫の同性社会より見るテクスチュアルハラスメントの構造
永井真平 名古屋大学文学研究科博士研究員
言語:日本語 投影資料:なし
日本民俗学の創始者の一人、折口信夫は男性同性愛者であったことでも知られている。その
性愛はしばしば弟子に向けられており、同性社会的な師弟関係と不可分に縒り合わされて、
非対称な関係性が様々な抑圧を生み出す。本報告では特に男性弟子たちの作歌・講義などに
対する折口の干渉をテクスチュアル・ハラスメントという概念を援用し考察する。「性」の
介在した、文章・表現への抑圧という点では、折口の振る舞いは男性―女性間のテクハラと
の過程、「女性学」の一環としてLGBTについて学習する意義、及び学生の反応・気づき等
を報告する。
セクシュアルマイノリティの説明モデルの体系化
―教員とカウンセラーが現場で活かせる知識に向けて―
戸口太功耶 兵庫教育大学大学院 連合学校教育学研究科 学校教育実践学専攻 学校教育臨床連合講座(博士課程)
言語:日本語 投影資料:あり
教員とカウンセラーにはセクシュアルマイノリティの子どもやクライエントに対応できるよ
うに知識が求められている。しかし,この知識は,それが何であるか具体的にする必要があ
り,当事者や専門家以外の教員やカウンセラーが利用可能な,体系化された知識である必要
がある。これらを踏まえ,セクシュアルマイノリティの説明方法を分類し,いくつかの説明
ト」への批評を試みる。
モデルを体系化した。具体的には,(1)性の要素モデル,(2)カテゴリーモデル,
(3)LGBTモデル,(4)グラデーションモデル,(5)既知モデル,(6)疾患モデル,
(7)クィアモデルの7つである。本報告では,これらのモデルがモデル間でどのように互
いに位置づけられるかを検討する。
現象学からフーコーへ――初期ジュディス・バトラーにおける身体論の変遷
性的少数者のライブラリに必要とされること(仮題)
藤高和輝 大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程三年
小澤かおる 首都大学東京人文科学研究科社会学教室博士後期課程
言語:日本語 投影資料:なし
言語:日本語 投影資料:あり
ジュディス・バトラーの八〇年代の思索を「身体論」という観点から整理するのが本発表の
マイノリティ・コミュニティにとってライブラリは、コミュニティの維持・再生産や、コ
ミュニティ独自の歴史の形成に必要とされてきた。しかし国内の性的少数者コミュニティ
で,一定の選書方針に従ったライブラリ(図書館)を構成してきたところはあまりない.図
書購入予算,人員に対する予算がないなど状況は厳しいが,長いところでは20年ほどもコレ
クションを維持し,性的少数者当事者を主とする利用者にサービスを提供してきた.これら
のライブラリはどのような課題を抱えているか,また利用者はどのようなニーズで利用する
区別できないが、同性師弟間のそれは「指導」や「代筆」などの共益関係も成立させる。折
口の行為を敢えて「ハラスメント」と呼ぶことで、男性同性社会が生み出す「ハラスメン
目的である。身体はすでに『欲望の主体』(1987年)において「問題」として言及されてい
るが、その際バトラーがまずその解決の糸口を見出したのはメルロ=ポンティやボーヴォ
ワールの現象学においてであった。ところが、『ジェンダー・トラブル』(1990年)では、
たとえばそのボーヴォワール批判に明らかなように、現象学的視点は厳しく斥けられ、代わ
りにフーコーの系譜学的視点が強調される。本発表では、『ジェンダー・トラブル』に至る
までの八〇年代の思索を「現象学からフーコーへ」の移行として分析してみたい。
のか,ライブラリはコミュニティの維持・発展のために寄与するのかを,主としてインタ
ビュー調査によって検討する.
6
分科会3(個人報告・ 司会:赤枝)7日(日) 10:00 - 12:00 532教室 分科会4(個人報告・ 司会:金田) 7日(日) 10:00 - 12:00 533教室 「第三のジェンダー」幻想と性のアンビヴァランス
「わたしたち」のレイシズムー クィア/セクマイ/LGBT運動の未来
國弘暁子 群馬県立女子大学文学部総合教養学科
ひびの まこと 日本人中心主義に反対するクィア有志の会
言語:日本語 投影資料:あり
言語:日本語 投影資料:あり
男性、女性の二つの項から逸脱した人々を総称する「第三のジェンダー」は、非西洋社会に
パレード名称が「レズビアン&ゲイ」だった頃、バイやトランスの主張をしたら「ここです
発見された当初、西洋で確立された男女の項立てを無効にすることが期待されていた。しか
るな/他所でしろ/運動妨害するな」と言われた。今は、オスプレイや沖縄の基地問題、日本
し、その意向に反して、男性と女性とは異なる、もう一つ別の第三項として実体化されてい
のレイシズムや植民地主義を提起すると同じ目にあう。米国総領事の講演で「オスプレイ反
る。本発表では、「第三」概念の限界を明らかにした上で、「第三のジェンダー」として数
対」を伝えようとしたら主催者に囲まれ妨害された、エイズ文化フォーラム京都。「オスプ
えられるインドのヒジュラに焦点を当て、当該社会におけるローカリティに即しながら、三
レイ反対」の看板を持参したらパレード参加を拒否された、虹色どまんなかパレード。クィ
つ目のジェンダーとして切り取ることのできない、性のアンビヴァランスを巧みに取り入れ
ア学会の日本語要件。松浦大悟参院議員の質疑「セクマイだって日本国民」。セクマイ運動
た複雑な生のあり方を提示することを目的とする。
内のレイシズムについて、関西レインボーパレードや関西クィア映画祭での取組み報告と共
に、問題提起します。
女性の男性性と可視性:『TOKYO BOIS!』の「若さ」をめぐって
佐々木薫 同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科グローバル・スタディーズ専攻
アメリカ研究クラスター博士課程(前期)1年
言語:日本語 投影資料:あり
中国と台湾/日本と、クィアな社会運動(Queer activism)
酷儿运动在大陆 (中国) 与台湾/日本
酷兒運動在大陸 (中國) 與台灣/日本
「男性的な女性」はいかに描かれてきたのだろうか。日本における「女性の男性性」にまつ
福永玄弥 東アジア巡回クィア映画祭(準備中)
わる表象の歴史を追いながら、2011年に発売された写真・インタビュー集『Tokyo BOIS!』
言語:日本語 投影資料:あり
におけるモデルの「男っぽい女性身体」が、いかに「若さ」と関連しながら描き出されてい
本発表は、大陸中国(中華人民共和国)と台湾(中華民国)における性的マイノリティの社
るのかを読み解く試みを行う。男っぽい女性の身体性というジェンダー交錯的身体の越境性
会運動およびその表象を、日本という視点をとおして考察するものである。台湾は「LGBT
の再検討を通じて、女性の男性性において問題とされている「社会的無関心」の形態を考察
の権利獲得運動においてアジアでもっとも『先進的な国』である」という言説がなかば常識
していく。
として知られるいっぽう、大陸中国におけるそれはつねに政府から抑圧されるものとして日
本で表象されてきた。だが、台湾と大陸中国を対照的にとらえる「常識」は、はたして自明
パフォーマンス・アートにおけるレズビアン主体
武田麻紀子(たけだまきこ) 城西国際大学大学院人文科学研究科 博士後期課程
言語:日本語 投影資料:あり
イトー・ターリのパフォーマンス・アート、特に『一つの応答』という作品の分析を中心
に、レズビアン主体がパフォーマンス・アートという一つの芸術的枠組みの中でどのような
なのだろうか。その「常識」はなにを排除し、あるいは「だれ」にとって都合よく構築され
てきたのか。発表では、社会運動や「LGBTの権利」を「先進/後進」的という二分法でと
らえる視座への問題提起もおこなう。
Field report: Pink Dot Okinawa 2014
働きをする(しない)のかを考察する。先ず、1960年代以降の日本におけるパフォーマン
吉田匡 国際基督教大学(International Christian University)
ス・アートに見られる「露出した身体」を歴史的に捉え、そこからクィアネスとミソジニー
言語:英語 投影資料:あり
(女性嫌悪・女性蔑視)を読み取り考察する。そして、パフォーマンス・アートにおける女
This presentation is going to be a field report of Pink Dot Okinawa 2014, an Okinawan
性主体、レズビアン主体の表現につきまとう困難を前提に、ターリがレズビアン主体を通じ
version of an LGBT event originating in Singapore, and it plans to address how the
て、パフォーマンスにおける彼女の身体以外の物質との関係や観客との関係を考察し、日本
event may or may not shed a light on non metro-/west- centric LGBT activism.
の文脈でのクィアの可能性の提示につなげたい。
※報告者の個人的事情により、分科会4で予定されていた秦勤さんの個人報告はキャンセルされました。
7
分科会5(個人報告・ 司会:守)7日(日) 14:10 - 16:10 532教室 分科会6(パネル・ 担当:岩川) 7日(日) 14:10 - 16:10 533教室 女同士の絆 百合マンガ・アニメと女性ホモソーシャルな欲望
パネル クィアと「否定的なものの共同体」
佐倉智美 甲南大学非常勤講師
司会:宮澤由歌 大阪大学人間科学研究科・日本学術振興会特別研究員
言語:日本語 投影資料:あり
言語:日本語 投影資料:なし
今日ではやおい・BLコンテンツの存在は当然のように受容され、広く消費されており、そ
本パネルでは、クィア的共同体について考察する。クィアは「否定性」にもとづいた運動で
れに対する各種研究も進んでいる。一方で、それらの「女性版」として照応するはずの「百
あり、それは主体の形成において必然的に生じる「失敗/否定」をむしろ抵抗の肯定的な原
合」コンテンツについては、必ずしも対称な位置取りにはない。本報告ではそうした「百
理とした。本パネルでは、このような否定性にもとづいたクィア的共同体を思考するため、
合」のうち日本でのマンガ・アニメをおもに取り上げ、やおい・BLとの差異に留意しつ
バタイユの思想を経由して存在の別のあり方を探る。
つ、それらの先行研究の成果も借用しながら、「百合」コンテンツ自体の特性と背景、オー
ディエンスをめぐる考察、そして旧来の女児アニメひいては内外の少女小説などとの連関ま
で視野に入れ、現状を整理する。以て、今後のさまざまな「百合」コンテンツ研究における
クィア・ネガティヴィティ概念の系譜学――フェルマンからバトラーへ
分析視点のひとつを提示したい。
藤高和輝 大阪大学人間科学研究科
いわゆる淫乱旅館の成立と機能について
クィア・ポリティックスはある種の「否定性」を原理とする運動である。したがって、
クィアの共同体はこのような「否定性」にもとづいたものであるはずである。本発表で
石田仁 日工組社会安全財団
は、クィア的共同体を考察すために、まず「クィア・ネガティヴィティ(否定性)」と
言語:日本語 投影資料:あり
は何かを確認し、その上でその概念史的考察を行いたい。
1980年代において、男性同性愛者専用のサウナホテルが活況を呈したが、それ以前、60-70
年代にはすでにあったとされる「淫乱旅館(男色宿、乱交旅館)」については、伏見憲明氏
バタイユにおける「なにものでもないもの」の共同体
による大阪「竹の家旅館」の先駆的な調査を除いては、研究が進んでおらず不明な点を多く
島田陽祐 大阪大学人間科学研究科
残している。本報告では、『風俗奇譚』(1961-74)『薔薇族』(1971-90)の記事・広告や、当
時の住宅地図等を手がかりに、ほとんど歴史的遺構となった「淫乱旅館」に少しでも迫り、
実態を明らかにする試みを行う。報告にあたっては、(1)時期・場所・バリエーション・前駆
業態と、(2)そこで利用者に期待されていた機能を中心に述べたい。
大阪・堂山町をめぐるまなざしとゲイバーの変遷
鹿野由行 大阪大学大学院文学研究科文化形態論専攻博士後期課程
言語:日本語 投影資料:あり
大阪市北区堂山町は日本で二番目にゲイバーが集中する地域である。昭和30年代に初めて北
区にゲイバーが作られたとされているが、当時の北区一帯のゲイバー黎明期の様子や全体像
については未だ明らかになっていない。本報告では、当時の雑誌記事や書籍、住宅地図、
フィールドワークから得た情報などを通してゲイバーの増加とその分布を明らかにするとと
バタイユの構想した、互いが否定的な関係として措定されている諸個体が「なにもので
もないもの」へと解消されていくという共同体の射程を図る。諸個体のもつ否定性か
ら、「なにものでもない」という語に含まれる諸可能性の肯定へと移行する運動を、
クィア的共同体というアクチュアルな問題へと敷衍して考察したい。
共同体から出来する存在――マゾヒズムの概念から
宮澤由歌 大阪大学人間科学研究科・日本学術振興会特別研究員
サディズムとマゾヒズムは、精神分析や性の分野において、対概念として語られること
が多い。一方、仏現代思想の領域ではジョルジュ・バタイユ、アメリカのクィア理論家
レオ・ベルサーニらによって、マゾヒズムの独自性と人間存在が語られる。本発表では
とりわけマゾヒズムと主体形成についての関係を彼らの思想から論じる。
もに、堂山町一帯がどのように語られ、あるいはまなざされてきたのかをたどることで、な
ぜ堂山町にゲイバーがつくられたのかについて空間や場所の持つ意味含め考察する。
8
会場案内
■8階
WC
・ 多目的トイレ(性別指定なし)
WC
■4階
541
中京大学 名古屋キャンパス 5号館(3階と4階)
(愛知県名古屋市昭和区八事本町101-2)
JR名古屋駅から市営地下鉄(東山線経由・伏見で鶴舞線乗換)で八事駅下車
・ 八事駅 5番出口から徒歩
・「八事」交差点から歩く場合は下図Bの「西門」から入ると5号館が近い。
・外来の方の駐車スペースがないので、ご来場には公共交通機関をお使いく
ださい
5号館(3階と4階)
542
WC
・541教室 ゲスト控え室
543
544
・542教室 幹事控え室
・543教室 参加者控え室・チラシ置き場
・544教室 予備室
・ 女男に分けられたトイレ
WC
(性自認による)
大会受付
531
■3階
懇親会場(センタービル 2階)
WC
532
533
・531教室 大会受付・総会・シンポなど
・532教室 分科会・映画上映
・533教室 分科会
・ WC 性別指定のないトイレ
■1階
WC
・ 多目的トイレ(性別指定なし)
WC
キャンパス内は、指定の喫煙所を除いて全面禁煙です。
このページのイラストは中京大学のウェブサイトから借用しています。
5号館 教室配置図
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入会案内
受付・お弁当
■大会受付
・会場に着いたら、まず大会受付にお越し下さい。
受付は、5号館3階の「531教室」の教室内に設置されています。
この機会にぜひ、クィア学会にご入会下さい。
大会受付ですぐに手続きできます。
■会員の権利
■お弁当
・お弁当を予約された会員の方は、531教室で受け取って下さい。
・お弁当のない方は、八事交差点周辺のコンビニや飲食店をご利用下さい。
トイレ
・多目的トイレ(性別指定なし)が1階と8階にあります。
・3階のトイレは性別指定のないトイレとして使います。
・4階のトイレは女男に分けられたトイレ(性自認による)として使います。
・腰掛け便器は着座でご使用下さい。個室内での立ち小便はおやめ下さい。
寄付のお願い
クィア学会では寄付を募集しています。
以下にご送金頂くほか、大会会場でも寄付ができます。
●郵便振替口座:00170-7-412546 加入者名:クィア学会
●他行からの銀行振込の場合
銀行名:ゆうちょ銀行 金融機関コード:9900
店番:019 店名:〇一九店(ゼロイチキユウ店)
預金種目:当座 口座番号:0412546
受取人氏名:クイアガツカイ
会員は、学会の運営に携わる権利の他,以下の権利があります。
(1) 定例研究会への参加,および定例研究会における研究報告.
(2) 学会誌への投稿.
(3) 入会時の最新号およびそれ以後に発行される学会誌の受領.
(4) 役員選挙の被選挙権および選挙権.
■年会費と会計年度
・年会費は8,000円です。
・但し、院生・学部生および常勤の職に無い方は5,000円です。
・海外在住の方は、学会誌の郵送やクレジットカード決済手数料等を考慮
し、1000円増額となります。
・入会金はありません。
・会計年度は10月から翌年9月までです。
■入会方法
・大会受付で入会届に記入し、その場で年会費をお支払い下さい。
・メール・郵送と、郵便振替でも、以下の手順で入会手続きが出来ます。
1:入会届をメールか郵送でクィア学会事務局に送る。
入会届ダウンロード→ http://queerjp.org/anai.html
メール [email protected]
郵 送 〒564-8680 大阪府吹田市山手町3−3−35
関西大学社会学部 守如子研究室 気付
2:郵便振替または銀行振込で年会費を送金する。
宛先は、左記の「寄付のお願い」の送金先と同じです。
寄付を頂くときは、その旨の明記をお願いします。
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