中国言吾と 日本語の音声の比較 - 愛知学院大学

135
中国語 と日本語 の音声 の比較
―― 中国語学習者 の発音 とヒヤ リ ングの指導 のために一―
朱
0.は
新
建
じめ に
第二外国語 としての中国語 の習得は、漢字国の 日本人学生 は読解力 は生
れつ きなが ら優 れてい るが、それに比べ て会話力や聴解力 はかな り劣 って
い る。拙稿 は中国語 と日本語 の音声を比較 し、両言語 の相違点 を明 らかに
す ると同時に、学習者 の問題点 を分析 して、母語利用法 を提起 し、効果的
な中国語の発音 とヒヤリングの指導法 を確立す るために役立てようとす る
試みを、未熟なが ら下記のように述べ ることとす る。
なお、拙稿で言う中国語 とは中国各民族間共通の言葉である 「
普通話」
のことであ り、 日本語 とは東京語 を母体 とする共通語 のことである。音声
表記 は IPAに よった。
1.中 国語 と 日本 語 の 音声 の比 較
現代 の中国語各方言 の音声 は、長 い歴史を経 て、い ろいろ変化 してきた。
特 に現代中国語の音声の標準音 となる北京方言の音声 は、他 の方言 よ りも
濁音 (有声音)か ら清音 (無声音)へ の変化及びアクセ ン ト、即ち 「
声調」
ア3び
( 1 )
の変化 が著 しい。筆者 の方言 で あ る永州方言 には下記 の よ うな有声音が あ
る。
破裂音 :
[ b ]
[laubO]老 婆 (女房)[battian]罰 銭 (罰金)
[ d ]
[debie]特 別 (格別)[datau]達
到 (到達)
後部歯茎摩擦 音 :[5]
[5'pen]日 本 (日本)[5,3an]治
安 (治安)
軟 口蓋摩擦音 :[r]
in]核 心 (核心)[rObin]和
[re£
平 (平和)
歯茎摩擦 音 : [z]
[zltian]詞典 (辞典)[zl多 in]事 情 (用事)
この よ うな有声 音 は呉 方言 に も見 られ るが ,北京方言 には存 在 しない。
一 方、北京方言 の声調 には四つ の タイプ い わゅる四
、
声 しか ないが、呉 方
言 の七 声 をは じめ、南 昌方言が大声 、広東方言が九声 で あ り、 いずれ も北
京方 言 よ り声調 の種類 が 多 い。反 門方言 の 場 合、 「
本調J(BaSiC Forml
と 「
変調」 (SandM ForIII)を
合 わせ る と十 四声 ある。
一方、 日本語の音声は呉音や漠
音、唐音などと言われてい るように、中
国語 の漢字音に大 きく影響 されたことが分かる。中国語は日本語 と言語体
系 こそ異なるが、音声は似ているところがか な り多 く、日本人学生 にとっ
ては親 しみのある言葉であ り、習得 しやす い言葉 であると言えるであろ う。
1.1.母 音
中国語の母音 と日本語 の母音 を下記のように示す。 日本語の長母音 は中
国語にないので下記から外す。なお、表記は中国語 の場合は ローマ字 のピ
ンイ ンで、 日本語 の場合 は片仮名で表記する。 ( )は 音節 の始 めに来る際
の表記 である。/ /は言素 で、[ ]は それぞれの音声 と条件異音である。
中国語
日本 語
/
母音音素〉/1,r,a,。
〈
,こ
,こ
/i,e,a,o,u/
(単母音〉 i(yI):臣
],[1],[』
イ :[iユ
C:[了 ],[Э ],[e],[。
a:[a],[明
]
エ :[e]
ア: [ a ]
IJ7
0:[0]
オ :[o]
ulWu):[ll]
ウ: 酌
電, 比]
t(yu):[y]
二重母音〉ai:[att ci:[ett aO:Lこ
〈
]Ou:[oこ]
ヤ :[Ia]ユ:[統]
yai[Ia]yC:[icl wa:臣珂 wO:[こo] ヨ:EIO]ワ :[ta]
yuC:[テd
o]ア イ :[a電
ヲ :[こ
オイ :[OI]ウイ :EIIIJ
( 三重母音〉 y a O : L こ ] y O u : [ I o]近
a珂
Wai:[こ
WCi:[こ eI]
(そり舌母音〉 士:[er]cr:[rr]ari[ar]
そり舌化母音〉aOr:[aOr]Our:[Our]
〈
angr:[ar]cngr i[5r]
1・
1。
1.単 母音
上 記 に示 してある よ うに、単母音 は 中国語 は 6つ あ り、 日本語 は 5っ ぁ
る中、 [刺、 [o]が 一番似 てい る。 [i]、[e]も 似 て い るが 、 [Y]、[Э
]、 [u]、
[y]な どが 日本語 にな い。中国語 の [i]の 条件 果音 で あ る [1]は 日本語
のス とッの母音 で あ る 岡]と 調書感覚 で は非常 に よ く似 ている。 こ こで
は 中国語 と日本語 の個 々の母音 の記述 は避 けて、両者の相違 を中心 に見 て
い く。
[i][i]は 前舌狭母音 であ るが 、日本語 の [i]は非平唇 で あるの に対 し、
中国語 の [i]は 口唇が積極 的 に左 右 に引かれてい る平唇母音 である。
[1]と [・
][1]と
[,]は [i]の 自由異音 で あるが、 143は歯茎音 の [ts]
と [tS“
]、 [s]の 後 に しか現 れ ず、 [■
]は そ り舌音 の [ts]、「s`]と [s]、
[そ
]の 後 に しか現 れ な い。 B]は 日本語 のス とッの母音 で あ る 比 ]と 非
常 に似 てい る。
[r]障 ]の 母音 は 日本語 にない。聴 覚 印象 で は 日本 語 の こ
o]に 似 て
王38
い るが 、 [o]は 円唇 であ るのに対 し、 障]は 左右横 に引 く非平唇 であ る。
[3][9]は
きに [r]が
監]の 条件異音 で あ り、後 に鼻音 の [工
]と
E3 が 来 る と
[Э
]に なる。 日本語 の [e]よ り開 口が広 く、舌位 が後 よ り
である。
[e][e]は
F]は
こ
□
の条件異音 であ り、後 に [i]が来 る時 に [ei]に な り、
[e]に なる。 日本語の [e]に近 い発音 である。
[C]leBは
[:]や [y]の 後 に来るときの [r]の 異音である。 日本語
e]よ りはやや広 い。
の こ
広 い。
匝 [a]は 日本語の [alよ りやや開ロカざ
lQB[Q]は
[a]の 条件異音 であ り、後 に鼻音 醐 が来る ときの発 音
である。 日本語 の 「
案外 あんがい」 [quai]の 「あ」 lQEが似 てい る。
[0][0]は 聴覚印象 では日本語 の [0]に よ く似てい る。日唇 の形 は日
本語 の Hよ
り突 き出 している。
[u]日 本語 のウの 比]は 非円唇 で非平唇 の前 よ りの奥舌狭母音 で あ
るのに対 して、中国語 の [■
]は 円唇 の後 よ りの奥舌狭母音 である。日唇
の形 は [0]よ りも突 き出て、唇 をまる く小 さくすぼめて発音する点に特
徴があ る。
[y][y]は
円唇 の [』 である。回唇 の形 は [退 と同 じであるが、舌
位 は [i]である。 日本語のウは歌 などで強 く発音 されると、 [y]に 聞 こ
えることがある。
上述のように、全体的に見れば、中国語の母音 は日本語 の母音 よ り舌位
は前舌 と奥舌 の幅が大 きく、日唇の開きは積極的であ り、変化 に富んでい
る。
1.1.2.二 重母音 と三重母音
つい ては服部四郎
二重 母音 (diphthOng)と三重母 音 (triphthOng)に
1984を 引用す ると下記 のようになる。
ヱ99
連続 した二 つ の母音 で 同一 言節 中 にあ る もの を二重 母音 とい う。普
「
通 一方が音節主音 で他方が副音 であ る。音節副音 の方 はわた り言が普
通 で、か つ短 い ことが多 い。」
【1)降 り二 重母音 。最 も普通 の もので 、主 音 の次 に副 音 が来 る二重 母音。
日本語 (東京方言 な ど)の 二 重母音 はすべ て これで 、しか も副音 は 珂
に限 る。 た とえば、 [ka珂 (会)、 [k珂 (鯉)、 [ku電 (代)。 その他 の
母音連続 は普通、 二 言節 に発 音 され る。 た とえば、 臣e](家 )、 [ue]
(上)、 [aO](青 )、 [kau](買 う)。」
R2)昇 り二 重母音 。副音 の次 に主音 が くる もの。 …… シナ語 (北京)
の [k5c胡 (光)な どに も昇 り二 重母音が 聞かれる。
」
「三重 母音 とは、連続 した三 つ の母音 で 同一音節 中 にあ る もの をい う。
……普通 、主音 が 中央 にあ りそ の
前後 に副音 があ る。 シナ語 (北京)
の 「
遠 」 は [シ aI胡 の よ うに三重母音 を以 て発音 され ることが ある。」
早
この ように、 日本語 には三重 母音 はない ものの、 二重母音 は存在 して い
るこ とがわか る。
しか し、上 記服部 の [a珂、 [o電、 EEI珂 の よ うな 日本 語 の二重 母音 は話
し言葉 の 中で は同一 音節 中にあ る ものの よ うに聞 こえるに して も、下記 の
場合 み たい に、普通 日本語で は二指 で あ る と認 めている よ うに、台詞や歌
一音節
な どの 中で は二 拍で、二 音節 になって現 れ るため、 「
中にあ る もの」
であ る とは言 い がた い (ア ンダー ライ ンの箇所 )。
。し・
ドラマ によ くあ る台詞 :「あ ,Vヽ
1・
rIII]
て・
る !」 [a・
Ei・
te・
一
北 国 の春』の 節 :♪ レ ソ ソ ミソ ミレ ドド レ ミ ツ
『
きせ つ が
i Se的
[町
3a
と か v 、で 1 ま
toka
i de こ a]
これに対 し、中国語は漠字 を造語の単位 とし、1漢 字 =1音 節 であ り、
音節言語であると言 われているように、無論、中国語 の二重母音や三重母
音は同一音節中のみのものである。
=4θ
しかし、中国語の二重母音 と全 く同質のものは日本語にも存在する。例
えば、下記のような外来語に見ることができる (アンダーラインの箇所)。
名詞
フ
イル ム
ッ
ァー
[硫IrIEImIEI]
[ 脱 】]
チ
ェス
[ 雑I e S 嗜
]
カ ンツ ォー ネ [kan批o:ne]
r a3留
匝]
人名 ジ ェ シ カ ・ラ ン グ [こがeaika・
d亜 前o]
ウ ィ レム ・デ ー フ ォー [uIIremIEI・
ア
ー
ノ ル ト ・シ ュ ワ ル ッ ェ ネ ッ ガ ー
I Iaこ
rultteneg江
[ a : o工r I E r tC OI ・
]
この ほか、考 え方 を変 えてみ れ ば、 「ヤ、 ユ 、 ヨ」 と 「ワ、 ヲ ([こ
0]
と発音 す る場合 のみ。以下 同)」 や拗 音 の母音 も立派 な二重母 音 であ る。
ヤ 、 ユ 、 ヨ、 ワ、 ヲ」 な どを二重 母音 として
今 まで 日本語 の音声 学 で は 「
認 めて い ないの は、 [i]と [u]を 子 音化 の 半母音 □]、 [wlと 見 てい る
0]J
からである。 しか し、「
ヤ EI珂
ワ コa]、ヲ [こ
、ユ [苅]、 ヨ [IO]、
などは下記のように、聴覚印象では中国語の二重母音 と区別がつかないほ
どよ く似 て い る。
日本語
中国語
や [I妃
ya [班
ゆ [IIII]
yOu
]
(4憂
[10こ
)
よ [10]
yO
[10]
わ [む a]
Wa [こ a]
(j豊)
[こo]
WO [こO]
(4委)
を
E`Itt
ちゃ [上
qia 陣
ちゅ [&`輸] qlu 卜
しゃ 酔ra]
しゅ 酔拘咽
(鳴
)
([情
`I妃
(恰 )
`ru](秋
●
)
対a[Cra] (蝦
Xiu[β
)
ru] (修
)
)
上述の中国語 の母音 と日本語の母音を付図 Iの 「中国語 と日本語 の音声
の比較図」 の図 亜のように表す ことがで きる。
=″I
l.1.3.そ り舌音 とそ り舌化音 (r化音)
そ り舌母音 は中国語 の音声 の特徴 の ひ とつ であ る。下記 の よ うに、そ り
舌母音 の表記 は普通 、そ の母音 の後 に [r]を 付 ける。 この [r]は ただ前
の母音がそ り舌音 で あるための表記 で あ り、実際の発音 は しない (以下 同
CXiOn]音 の母音 G化 音 ともい う)の 表記 も同 じ
じ)。そ り舌化 『CtrO■
である。そ り舌母音 を一概 に [胡 で表記する論説 もあるが、地稿 ではそ
り舌化母音の特徴 も反映 させ るために、すべ てのそ り舌母音 を [r]っ け
て表記す る。
Crbi[rrpi]耳 鼻 (耳と鼻) crtOng[rrt`u9]児
huar[Xuar]花 児 (お花)
kon31[k`こ
童 (児童)
r] 空 児 (暇)
アメ リカの英語では、bttd[bひ:d](鳥 )、hcrc[hi珂 (ここ)の
E311
のように、そ り舌母音が見 られるが、 日本語にはそ り舌母音が見当たらな
Vヽ
。
1.2ョ 子音
中国語の子音 と日本語の子音 は下記のように示す ことができる。
A群
中 国語 :[p、 p`、t、t`、k、 k`、ts、tsて
、雑 、&`、 s、電
日本語
B群
中 国語
日本語
d 、
t 、
k 、
d z t、s こ、
z 、
£、多
[ b p、、
g 、
多、えβ、s 、
]
、
m 、こ、j l9 、
1 、
t Sと
、
[ fX 、
多
ざ
、S 、
、
]
m 、・、押、9 、
r ]
陣、h 、
上 記 の よ うに、中国語 の子音 と日本語 の子音 を A群 と B群 に分 ける こ
とが で きる。A群 は調 音法 に違 いが見 られ、B群 は調書 点 に違 い が見 ら
れ る。
A群 で は、 中国語 は有気 と無気 の対 立 が有 意義 で あ るの に対 して、 日
本語 は有声 と無声 の対立 が有意 義 で あ る。す なわち、 中国語 では無声 の無
気音 を有声音 の ように発 音 されて も意味 の 区別 に問題が ない とい う ことで
あ る。例 えば、 da[胡
(打)を
[da]の ように発 音 して も構 わ な い。 こ
142
れには個人差があ るが、北京方言話者が普通、無声の無気音 を有声音のよ
うに発音 しないが、他の方言話者が 「
普通話」を話す ときに無声 の無気音
を有声音 のように発音する ことがある。一方、有声 と無声 の対立 をなす言
語 ではたいてい無声 の有気音 と無気音が存在するように、 日本語にも有気
音 と無気音があ るが、中国語 とは逆 に、 日本語では無声音 を有気音 (普通
語頭に多 い)か 無気音 (普通語中に多 い)か のどっちかを発音 して も意味
の区別 に支障がないのである。そ こで、 いかに日本語 の中の有気音 と無気
音 を自覚 し、 これを利用 して中国語の有気音 と無気音 を習得す るかはポイ
ン トであろう。
B群 では、 [f、X、1]及 びそ り舌音 の い 、ts`、
s、そ
]の ような音声 は
日本語にはない。下記 のようにその特徴 を示 してお く。
lfl lflは 上の前歯 と下唇 で調音 される唇歯音であるが、上の前歯 で
下の唇 を噛むように閉鎖 を作 り、日雄にためた息 を勢 い よ く出 して発音す
るのがポイントである。 日本語のフの子音 [呵 は聴覚印象 ではす こし似
てい るが、調音点が異なる両唇音 であるほか、田獲か ら息を出すの も弱 い。
[X][X]は
軟El蓋と奥舌面 で 閉鎖 を作 り、肺か ら強 い息 を出して生 じ
る摩擦音 で ある。 日本語の声門音 [h]は よ く似てい るが、中国語 の [x]
は調音点が声門 より前 の軟田蓋にあるのと、強い摩擦音が聞 こえる点が違
う。
[1]Ellは 上の前歯 と舌尖 で 閉鎖 を作 り、息が舌 の両側か ら流れ出る
と同時に声 を出す有声の側面音 である。 日本語 の弾 き音 [r]は息 が舌の
両側か らではな く、舌 の上か ら流れでる点が違 うのと、舌尖が弾 く点が違
う。中国語 の [1]を発音す るとき、舌尖が上 の前歯 の歯茎 の裏、硬 El蓋
の近 くへ反 つて舌 の裏面 と歯茎 の裏 で強い閉鎖を作 って調音す るのがポイ
ン トである。
lts]と [ts`][t胡 と [tsて
]は 無声 の そ り者 の破擦音 で ある。 まず舌
尖 を硬口蓋へ反 って、舌尖 の裏面 と歯茎 の裏面 で閉鎖 を作 り、 この閉鎖 を
王を
彼 つて彼裂す る と同時 に摩擦 を生 じる音 である。 日本語 には歯茎 の破擦 音
はあ るが 、そ り舌き はない。
[s]と [そ
][s]と
[そ
]は そ り舌 の摩擦 音 で あ る。 [s]は 無 声 音 で あ
るの に対 し、 こ
そ
]は その有声音 で ある。舌尖が硬 口蓋へ 反 って舌 の裏面 と
歯茎 の裏面 で 閉鎖 を作 って調音 される音 。
このほか に、両唇音 の調音 は、 中国語 で は、両唇 による閉鎖カラ停常 に強
く、 日雄 の気圧 も高 いの に対 し、 日本語 では両唇 の 閉鎖 のカ カラト常 に弱 く、
口雄 の気圧 も低 い。そ して鼻音 の [n]と
l133は音節末子音 と して現れ る
の は 日本語 に も見 られ るが 、 「
lan[lan]蘭 、lallg[laIJI狼
」 の よ うに、
中国語 では弁別素性 を もってい るの に対 し、日本語 では話尾 の □
と 獅
は意味 の区別 に役立 たない。
中国語 の子音 と日本語 の子音 を 「中国語 と日本語 の音声 の比較 図」 の図
Iの 通 りで示す ことがで きる。
■3.ァ クセ ン ト
城生個太郎 1988に 従 う と、 中国語 の よ うな、 一 言節 内で ピッチ変動 を
有す る タイプの アクセ ン トを 「
声調 アクセ ン ト」 といい、 日本語 の よ うな、
一
同 言節 内で原則 と して高低 変化 を生 じない タイプのアクセ ン トを 「
音調
アクセ ン ト」 とい う。言 い換 えれば、 中国語 と日本語 の アクセ ン トの最大
の相違 点 は、 中国語 も日本語 もピッチ ・アクセ ン トである点が共通 してい
るが 、 一言節 内で高低 の変化 が あるか ない かが違 う ところで ある。
中国語 の声調 につい ては専 門の論著 を参照 された い。上述 の よ うに、中
国語 も日本 語 も ピッチ ・アクセ ン トで あ る点 は共通 の ところで あ るが 、 日
本語 のアクセ ン トは ピ ッチ ・アクセ ン トであるこ とは事 実である。 しか し、
中国語 のアクセ ン トは ピ ッチ ・アクセ ン トである と同時 に、 ス トレス ・ア
クセ ン トで もある。 ただ、中国語 の声調 においては、 ピ ッチ は弁房U的であ
り、 ス トレス は非弁別 的であ る。 中国語 の四声 のス トレス は、音節 内部 で
=密
ピッチの変動 をす る際、 同 じ声調 の場合、母音 の 開国の度合 に よ り、狭 →
広 の順 で音強が増 幅す る。
一 方、軽声 は必 ず 四声 と組 み合 わせ ては じめて
成立す る ものであ るが、四声 と軽声 の 間 には滝がで き、 日本語 の音調 アク
セ ン トに最 も似 て い る部分 である。
したが って、 中国語 の声調 アクセ ン トの習得 につい ては、 ただ単 に声調
の高低昇 降 だ けの指導 をす るので はな く、声調 のス トレス 的 な部分 も指導
すべ きである。 この よ うに、言語 の非弁別 的 な部分 は往 々 に してその言語
の らしさで もあ るのであ る。
2.日
本 入学 習者 の問題 点
日本人学習者 が初 めて中国語 の音声 を習得 す る際 に どんな問題点が 出て
くるか は、前述 の中国語 と日本語 の音声 の比 較か ら大体 の予測 はで きるで
あろう。 ここで は、 3か 月間で約24時 間前後 中国語 を第二外 国語 として習
った学 生 を対 象 に ヒヤ リ ングのテス トを行 った結果 を分析 し、学生 の学習
の成 果 とまだ存在 してい る問題 を確認 してみ るこ とにす る。
テス トの問題 は選択 の方式 で、学 生 の 問題 点 を予測 して出 した。○ をう
ってい る問題 は正 解 で あ る。テ ス トは教室 で教師が正解 の 問題 を 3回 発音
し、学生 が正解 だ と思 う問題 に○ をうつ 。 この よ うな テス トはすで に 3回
ほ ど行 った。
[ヒヤ リ ング ・テ ス ト] 全
体 の正 答率合計 :75%
問題 :発 音 を聞 い て 、発音 された単語 に① をつ けな さい。
クラス A:(55人
の 内、男 51、 女 4)
g9.t5ngzhI
①.的shan 3.d5ng近5。働lwh ② .bttg5■
. d 5 n g X i .④
飾3 W ё
■8 , b a n k 5 n g. t⑩
6n3zhi
2 . h sこh a n ④
Fづ
正 容数 :55
55
正 容率 : 1 0 0 %
42
100%
76%
33
60%
54
98%
クラス B : ( 5 5 人 の 内、男4 2 、女 7 、 留 6 )
1・JloShF
3.rlnshCn 5,huttgh6 .bё
②ttln ②.guo31
.fa血6 8,p嵐 万n 10.gutti
② jiSsh ④ .rlnsheng⑥
41
46
23
□
Eを
完:55
掌
菱
正 答華 :100%
ク ラス C:(52人
1,mあ t6u
75%
84%
42%
76%
の 内、男43、 女 6)
3.r6nIIIIn
5,n611gli
tou ④.rOnmttg ⑥
②.mあ
n6nぶ
②.的ぬ
8.httli
9 xttfan
五
⑩.shIね
正 容数 :51
28
34
43
25
正 容率 :98%
54%
65%
83%
48%
クラス D:(56人
の 内、男40、女 9、 留 7)
①.kaI働③ .飼i
2.kalhua
4.httli
正 答 数 :45
40
正 答率 :80%
71%
クラス E:(54人
⑤ dtshi ②Ⅲ あ
osh子 9.zh5ngsh:
6.ttshu
5,jiあ
Oshi ⑩.zhδ
n g銅
48
86%
49
53
88%
95%
の 内、男45、女 9)
o ③ guttl ③ .ZiSha 7 chur泣
① .t6ug占
③ 危Iil
2.t6ukと
o 4 guもji
6.cisha ③,chuld 10。h5巧I
正答 数 :43
42
31
33
47
正 答率 :80%
78%
57%
61%
87%
クラス F:(47人
の 内、男35、女 12)
1・Fguall ③.脇bあ
o 5.zh:dあo 7.shttan ②.雛仇
⑥ o ③ .shlyttn10,hこ rlII
②.jlgllttg 4.fapao .chFdあ
正 容数 :30
27
18
36
35
正 答率 :64%
57%
38%
77%
74%
42
王46
上記 のテス トの正容率 の結果 を分類 してみ る と下 記 の よ うになる。
(1)四
声 の弁房U問題 :
A9漁こ
y98%、 B③ /10/76%、D② /8/88%、 E③ /4/78%、
F弘 勧7%
正
容率合計
83%
(2躍声 の弁房Jの問題 :
100%、 C歓 ②つ8%
A3/④ /100%、 B1/② ′
正
答率合計 99%
(3)有
気音 と無気音 の弁別 の問題 :
b/p[p/p`]:B② /8/42%、F③ /4/57%
dた [t/t`]:D∈y研86%
g/k[k/k`]:A② /8/60%
z/c[tsん
s`]:E Gy6/_57%
88%
zttch[tyざ]:F5カ(ら
正 容率合計
68%
正容率
61%
(4測面音 とそ り舌音の弁別の問題 :
17r[1/z]:E7カ
③
問題 :
(5)唇
歯音 と致口蓋音 の弁51Jの
f7h[ダ対 :A()7100%、
B5/⑥ /84%、 C② /8/83%、D(動 ワ80%、
E③ /10/87%、F③ /10/74%
正
容率合計 :85%
正
答率 :65%
(6)円
唇母音 と非平唇母音 の弁別問題 :
0エゴCng[u3/1133:C馴⑥
(7)音
節末歯茎鼻音 と歌口蓋鼻音 の弁別 の問題 :
0 仔5 % 、C 掛 ④/ 5 4 %
J I l g [ n / 1 J /] 8: /A 6②0B%3、
正答率合計 :63%
上記 のテス トの結果 を見 るか ぎ り、全保 の正容率合計75%に 達 してお り、
修)の声調 の 問題 は予想 した よ り逢か
学生 の努力 ぶ りが伺 える。特 に、(1)と
良 い結果 であった。 中国語 の声調 は実際 の学習 で はか な り習得 が難 しいが、
ヒヤ リ ングでは意外 に良 くで きる。 これ は、 中国語 の声調 は ピッチ アクセ
I イ7
ン トで ある と同時 に、 ス トレス アクセ ン トで
もあ るので 、そのス トレスの
部分 の習得 は困難の よ うである。一方 、 ヒヤ リングのテス トで は 2っ
の単
語 の選択 なので 、 ピ ッチの違 いで十分 弁別 で きたでぁ ろ
う。特 に修)の軽声
の問題 ではほ とん ど完璧 にで きたのは、 中国 の
語 軽声 は 日本語 の ア クセ ン
一
トに 番 よ く似 てい るの も要因の ひ とつ であろ う。
(3)の右気音 と無気音 の弁冴Uの問題 で は、全体 的 に正
答率 が低 いの は有気
音 と無気音 の習得 の難 しさを物語 ってい る。特 にそ り
舌音 の有気 と無気 の
区別が 一番 難 しかった よ うで ぁ る。 日本 語 に も有 気音 と
無気音が存在 して
い るが 、弁別素性 を有 しない ことか ら
、有気音 と無気音 に対す る 自覚が薄
く、24時 間前後 の学習で は不十分 であ ろ う。
(4)と(5)は
,本 語 にない発音 の弁別の問題 で あるが 、結果 は決 して悪 くは
なぃ。特 に唇歯音 の Ef3と 軟 口蓋音 の [対 は発音 の
練 習で学生 達 は苦労
した。
(7)は音 末 の [■
]と
守
Ы の違 い を弁別す る問題 で あるが、 これ も日本
語 に存在す る音声であ りなが ら、結局有 気音 と無気音の
場合 と同 じよ うに、
違 う音 であ る 自覚が ない ため、難 しぃ発 音 では ない に もかか わ
らず、良 い
つ
結 果 に なが ってぃ ない。
(6)は円唇母音 と非平唇母音 の弁別 の問題 で あるが 、音節末
鼻音 が
後続 し
て い るため、ゃゃ難 しい問題 で あ った。
以上 は ヒャ リ ング ・テス トの結果 だ け を秀猛 して、 日
本人学習者 の問題
点 を見 て きたが 、決 して完全 な もので はない。 この ほか に 二
、 重母 音 や三
重母音 の発音 も問題 点 の ひ とつで ある こ とは予測 で きる
。 しか し、 これ ら
の問題点 は、 日本人学習者 に とってはすべ て困難点では
決 してない 。前述
の 中国語 と日本語の音声 の比較 で分か る よ うに、
日本語 にない発音 は僅 か
しか ない し、調 音点や調 音法が似 てい る ものが圧倒
的 に多 い。問題 はいか
に学習者 に自分 自身の母 語の音声 を 自覚 させ るか と
、 中国語 の音声 と日本
語 の音声 の相違点 を充 分弁 え させ て、ぁ とは母語 の音声 を
利用 しての効果
ヱ48
的な発音 とヒヤ リングの指導をするのみである。
3.母
語 秀U用 法 と発 音 ・ヒヤ リン グ の 指 導
外 国語 の習得 につい て よ く問題 に して い るのは母語 の干渉 である。抽稿
ではむ しろ母語 の干渉 を積極的 な要素 の ひ とつ であ る ととらえて、 中国語
の習得 に 「
母語利用法 USttg Mothcr Tonttc Mcthod」 を提 起 し、効果 的
な中国語 の指導法 を目指 したい 。
3.1.母 語 の干渉 と母語 の利 用
母語 の干渉 の主 な原 因 は、外 国語 や第二 言語 を習得す る際 に、学習者 が
自分 自身 の母語 の対象言語 に似 てい る発 音 や語彙、文法 な どを もって くる
ため、対 象言語 の習得 に妨 げ となる。そ こで 、 中間的 な発音 や中間言語 の
よ うな現象 が生 じる。例 えば、娘 が 6才 の とき来 日 し、名古屋 に着 いた次
の 日力朔 ヽ
学校 の入 学式 です ぐ小学生 となった。 日本語 は 3か 月経 って話す
ようになったが、家庭 では中国語 と日本語混 じりの会話 だった。そ の とき
電気 をあ け る」 と言 ってい た。 中
から 「
電気 をつ ける」 とい う日本語 を 「
国語 では 「開電灯Jと 言 うか らであ る。今小学校 5年 生の娘 は もはや 中国
語 の会話 がで きな くな り、す つか り日本語 っ子 になった。 なん とか 中国語
を 「
再習得」 させ よう と、 ふだん週 に数時 間中国語 を教 えるほか、今年 の
夏 に、家族で 1か 月近 く北京 で夏休 み を過 ご した。娘が 中国語 をす こ し話
快 点睡覚 !」 (早 くね な
す よ うにな った と思 った ら、今 度 はお母 さん の 「
婚婚也快点覚睡嚇 !」 (母さん も早 くね て よ)の よ う
さい !)に 対 して、「
に言 って、 中国語 のほ うの述語 と目的語 の語順 を 日本語 の ように反対 に言
っので あ る。
一 方、 日本人 の 中国語学習者 の場合、下記 な どの よ うに中国語 の ピンイ
王つ
ンのロ ーマ字 を 日本語 の ローマ字 の よ うに読 んだ り、英語 の よ うに読 んだ
りす る現象 があ る。
q→ k qu [&`y]去
(行 く)→
[ku]哭
c→ kc五
(料理)→
[ka坦蓋 (蓋)
[ts`ai]菜
(泣 く)
しか し、 これ はあ くまで も学習者が まだ母語 と対象言語 との相違 と区別
が分 か らない か ら起 こ した間違 い で あ って、 む しろ自分 の知 ってい る知識
を利用 して学習 して い るので ある。
こ う した学習者 の積極 的な一 面 を生 か して、 日本語 の 中 に数多 くの漢語
が あつて、 中国語の理解 に非常 に都合 良 く利用 で きるように、 中国語 の音
声 に似 てい る母語 の発音や余剰 的特徴 を利用 して、 中国語 の音声 を習 得す
るこ とがで きる と考 えて い る。
3.2.中 国語 の発音 ととヤ リングの指導
日本 人学習者 のための 中国語 の発音 とヒヤ リングの指導 は、母語 を利用
しての指導法 は効率 的で、効 果的であ る と考 えて い るが、指導 の際、学習
者 に母語 の音声体系 を自覚 させ ることと、母語 と習得す る対象言語 の音声
との相違点 を明 らか に し、常 に合 頭 にお きなが ら母 語 を利用 して習 得 して
い くようにす るのが大事 である。
拙稿 は具外 的 な指 導法 や練習 問題 な どについ て別 の機会 で述べ たいが、
ヒヤ リ ングの指導 につ い てはチ 景春 1994、 「
野力教 学J(聴 解 の指 導)を
す こ しご紹介す る。
チ 1994に よる と、 日本人 学 生 が 中国語 を聞 くときに、 「
音 → 漠字化 →
意刺
といった ように、 中国語 の音 を聞 い て漢字化 し、 それか ら意 味 を理
解 す る とい う 「
語音文字化」(言語音 の文字化)の 現象があ る と述 べ て い る。
チ の調査 による と、 197名 の学習者 (大学 生)の うち、 中国語の音 を聞 い
て中国語 の漢字 に転換 して理 解 す るの は57.4%で 、 日本 語 の漠字 に転 換 す
るの は 16.2%、 任 意 に中 国語 と日本語 の 漢字 の どっ ちか に転換 す るのは
25θ
259%、 音 を聞 い て 直接 意味 を理 解 す るの は0,5%で あ った。 そ こで、 日
本 入学習者 の 中国語 の聴解力 を上 げ るの に 日本語 の 中 の、 中国語 と同形 の
漢字 を利用す るのが効率 的で、効果 的 で ある とチ は主 張 して い る。
上述 の ように、外 国語 や第二言語 の習得 は母語 の干渉 は避 けて通 れ ない
問題 であ り、母語 の干渉 を排 除す る よ うな消極 的 な指導法 よ りは、母語 の
利用 とい う積極 的 な指導法 は学 ぶ側 に とって も、教 える側 に とって も、効
率 的で、効 果的 な指導法 である として、 これか ら更 に研究 を深 めて い きた
い。
注
(1)藤 原輝三、1968子中国語のアクセ ン トと日本語のアクセ ン トJ一 般教育研究、
第16巻第 4号 を参照 されたい。
(2)中 国語各方言 の記述 については、衰家癖 ・他著、19602『漠語方言概要雪 (文
字改革出版社)を 参照 されたい。
(3)未 新建、19%「 反円語 と日本語 のアクセ ン トに関す る一考察J(愛 知学院大学
教養部紀要第42巻第 1号 )を 参照 されたい。
14)円 唇、平唇、非平唇 については、城生伯太郎者、1988_4『
音声学』 (アポ ロン
音楽工業株式会社)p,36を 参照 されたい。
(5)服 部四郎、19846『音声学』第151頁。
(6)城 生イ
百太郎、19884『音声字J第 103頁。
実験語音学
(7】中国語 の声詞 のス トレス的な部分の研究 については呉宗済 ・他編 『
概要J第 230頁等 を参照 されたい。
(8〕声調の軽声 について別紙 ・付 の周同春 1990の 図48、50を引用す る。 この図の
ピッチ根 で四声 と軽声 との間にで きる 「
滝Jが わかるほか、四声が もつス トレス
の強度 も分かる。
0)杉 田泰史、199410「 日本中国語学会第44回全国大会研究発表要 旨 :野有気音J
に含 まれる摩擦的要素――教授法 のための一提案Jを 参照 されたい。
l101 チ
対 日漢語初級教学的諸問題―― 噺力教学」。 日本中国語学会
景奉、1994,10「
1 6、
牛
第 回全 国大会 口頭発表。 (日本中国語学会第黎 回全国大会 は1994_10_15∼
名古屋大学 に於 いて開催 された。
)
参考文献
衰家癖 ・他著、1960,2『漢語方言概到 文字改革出版社
服部四郎著、19盟 6『音声学』岩波書店
城生循太郎著、1988,4『音声学』アポロン音楽工業株式会社
呉宗済 ・他編、1989,1『実験語音学概要』高等教育出版社
周同奉著、1990_10『漠語語音学』北京師範大学出版社
林煮 ・王理嘉著、1992.11『語音学教程』北京大学出版社
土岐哲 ・林史典 ・他著、1993.5『日本語要説』ひつ じ書房
付図 I
中 国 語 と 日本 語 の 音声 の 比 較 図
図 I子 音
調
書
点
Point of A
話
し
両 唇 者
唇 歯
Bllabial
Lablodental
日
中
中
吉
日
督
匪
轡
塵
歯 茎 音
歯 茎 硬 B蓋 音
そ り舌吉
AIve61ar
Alve61ar―Pa_
RctrOflex Palatal
中
中
中
硬 口蓋 吉
日
中
数 日蓋 者
Velar
0)
1
(
it
Plosive 震
Glottal
中
日
声 門 音
中
9
1
`
(■
g-1
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(dz)
ウ
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時
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Affricate遍
zh c
雷
種
E
FIicative表 記
鼻
音
Nasを
1
Jl
Jl
ま毘
弾 き 音
Tap or Fiap
側 面
音
]
Laterai 記
注 :1,A=ariicこ lat=m 2_Pa=palata1 3_破
線 の ()の 音 声 は 自 由異 言 で あ る。 4_4は 有 気 音 を表 す 。
5_表 記 =中 国 語 の ローマ 字 表 記 の ビ ンイ ンで あ る。
図 11_母 者
話 F r 6 a t
Ⅲ舌 Central
鶏
兵 Close i、 寸 (1■
]ac1
2_口
唇 の形 状
(1)円 唇母音 Ю unded vo礎1
y II。ォ
(2)非 円唇母音 mrOunded vOrel
鞍 C 1 6 S e
I i d
↓
平唇母音 spread Ю 口
el
半二 Ope■―■id
ll,cε
非 平 唇 母音 neutral vOwel
aa3了
云 O p e r l
と :1実 線 の ira oと
,3は 中 国語 の 母 音 ,()は 条 件 異 音 で あ る。 3は そ り舌 母 音 で あ る。
2破 線 の イ エ 7ォ ,は 日本 語 の 母 音 。 (ス ・ツ)は ス と ッの 母 音 酌こ]。
3_音声 表 記 は lPA(revised t0 1983)によ った 。
4_ほ唇 の 形 状 は城 生 宿 太 郎 (1988)『
音 声 学 』(図42)に よ った 。
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