資生堂、植物由来の薬剤「パロアズル」が 乾燥肌の天然保湿因子(NMF

資生堂、植物由来の薬剤「パロアズル」が
乾燥肌の天然保湿因子(NMF)産生を促すことを発見
資生堂は、乾燥によって水分量が低下している肌に対し、メキシコ産植物「パロアズル」
の抽出液が肌本来の保湿機能を回復させることを発見しました。「パロアズル抽出液」は乾燥
肌において、角質層の水分保持に重要な役割を果たしている「天然保湿因子」(Natural
Moisturizing Factors;以下NMF)の産生を促します。
従来、乾燥肌には保湿剤(NMF)を塗布して水分を外側から補うという方法が主流でし
たが、「パロアズル抽出液」の発見により、「肌本来の保湿機能を肌内部から回復させる」と
いう新しい概念でのスキンケア製品の開発が可能となりました。
皮膚の乾燥について
角質層は皮膚のいちばん外側にあり、適度な水分(10%~15%)を保持することで、乾燥
した外部環境から皮膚を保護しています。水分保持に重要な役割を担っているのが、角質層
中に存在するNMFです。NMFの主成分はアミノ酸ですが、アミノ酸は「フィラグリン」
と呼ばれるたん白質が分解されることによって生成されます。
一般に角質層中のアミノ酸の量が少ないほど、角質層は水分や柔軟性を失い硬く脆くなっ
て、かさついたりひび割れたりします。例えば、皮膚が乾燥した状態にある老人性乾皮症や
アトピー性疾患などにおいて、角質層中のアミノ酸とフィラグリンの量が低下しているとい
う報告があります。
乾燥とフィラグリンの因果関係については 2001 年 4 月に、資生堂が世界で初めて遺伝子レ
ベルで解明しました。ヒト培養ケラチノサイト(※)を用いた実験によって、乾燥した外部
環境→フィラグリン遺伝子の発現低下→フィラグリン量の低下→NMF産生低下(アミノ酸
量の低下)→乾燥肌という悪循環が、乾燥肌のトラブルの原因となっていることを明らかに
しています。
※ヒト培養ケラチノサイト:人工的に培養したヒトの皮膚の表皮角化細胞
パロアズル抽出液
資生堂は生薬を中心とした多くの薬剤を調査した結果、メキシコ産植物「パロアズル」
(Palo Azul;学名 Eysenhardtia polystacha)の木部の抽出液が、乾燥した外部環境に置い
たヒト培養ケラチノサイト中のフィラグリン量の低下を効果的に抑制することを発見しまし
た。
また、実際に乾燥肌の人が「パロアズル抽出液」を配合した化粧水を連用した結果、角質
層中のアミノ酸量が上昇し、更に水分量が上昇することも確認しました。
これらの結果は、冷暖房が完備した都市型の生活や季節の変わり目など、湿度が低下した
環境で生じる乾燥肌に対して、「パロアズル抽出液」がフィラグリンやアミノ酸の量を増加さ
せることでNMFの産生を促し、肌の水分量を上昇させる効果を有することを意味します。
今後資生堂では、この発見に基づいて「パロアズル抽出液」を配合し、乾燥肌を改善するス
キンケア製品の開発を進めていきます。
なお、この研究成果については、11 月 20 日に東京で開催される「第 49 回日本化粧品技術
者会研究討論会」にて発表します。