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資生堂、上六印刷㈱と共同で難処理紙類の
循環型リサイクルシステムを構築
うえろく
資生堂は、取引先である上六印刷株式会社(大阪府大阪市、代表取締役社長 澤 洋)と
共同で、化粧箱(化粧品を包装する紙ケース)を生産する際に発生する難処理な紙類廃棄物
を全て再資源化し、外装箱(化粧箱を入れる輸送用の箱)として再利用する循環型リサイク
ルシステムを構築しました。本システムは今年 4 月から、資生堂の主力工場である大阪資生
堂※(大阪府大阪市)より導入し、順次全国の工場へ拡大を検討します。
メーカーが取引先業者と共同で紙のリサイクルシステムを構築することは、化粧品業界とし
て初めてであり、今後資生堂では自社のみでなく、取引先とも協力して積極的に環境保護活
動に取り組んでいきます。
※大阪資生堂㈱は、㈱資生堂の吸収合併により、2003 年 4 月より「資生堂大阪工場」となります。
これまでの取り組み
環境省は、現在の廃棄物処理法を改正し、処理が難しい廃棄物の引取りを製造者に義務づ
ける「拡大生産者責任(EPR)」の原則を定める方針を 2002 年に固めました。廃棄物処理法
に EPR を盛込むことで、関連の法律改正につながるほか、個別の引取り制度が広がること
が期待できます。
資生堂ではこの考えを先取りし、2001 年 4 月から「使用済み化粧品ガラスびんのリサイク
ル」を全国で開始し、お客さまが使用後の化粧品ガラスびんを回収し、再生ガラスびんとし
てリサイクルするシステムを資生堂独自で構築し、再資源化を進めてきました。
紙類廃棄物の循環型リサイクルシステム
資生堂の化粧箱の主要取引先である上六印刷では、今まで当社の化粧箱を生産する際、ア
ルミラミネート紙やフィルムラミネート紙等の再資源化が困難な紙類廃棄物が年間 200 トン
発生しており、これらは焼却・埋立て処理されていました。 今回の新しい循環型リサイクル
システムでは、これらの紙類廃棄物を製紙再生メーカーですべて再生し、紙器メーカーで商
品輸送時に使用する外装箱としてリサイクルすることができます。
最終的には、資生堂で使用している全外装箱(約 1400 トン)のすべてを再生外装箱へ切り替
える予定です。
このシステムの特長は、資生堂自身が直接排出する廃棄物ではなく、資生堂の発注により
生み出される取引先の廃棄物をリサイクルするものであり、取引先とともに環境保護活動を
行うという一歩踏込んだ取り組みとなっています。また本システムの稼動により上六印刷で
は、廃棄物の大部分を占める紙類のリサイクル率が 100%となり、ゼロエミッションに大き
く近づくことになります。
資生堂では、今後も環境面からも社会的責任を果たし、お客さま、お取引先などと協力して循
環型社会形成に貢献すべく、持続可能な環境経営を推進していきます。
紙ケース発注
資生堂
うえろく
印刷業者(上六印刷)
紙ケース納入
紙類廃棄物
再生外装箱
紙器メーカー
再生紙
だいわ
製紙再生メーカー(大和板紙)