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資生堂、『生活者と美の白書 2003 年版』 を発行
~ キーワードは“春待ち繭子” ~
『生活者と美の白書』は、資生堂が生活者と美にまつわる様々な出来事や意識の潮流を定性・定量の両
面から調査、研究しまとめた年報です。2002年の出来事を総括した2003年版では、生活者と美のキーワード
を“春待ち繭子”と名づけました。
この白書には、2002 年の出来事をキーワードでまとめた定性レポートのほかに、46都道府県在住 15 歳~
64 歳の女性4,600人に対し毎年4回行っている継続的な定量調査を元にまとめた「ボディーに関する意識」
「シニア女性と化粧に関する意識」の2つの分析レポートなどを掲載しています。
資生堂『生活者と美の白書』とは
トレンド年報はさまざまなシンクタンクから刊行されていますが、『生活者と美の白書』は、「女性を中心とし
た生活者」ならびに「美容・ファッション」に焦点を絞ってまとめた点が特長です。資生堂は、美しい生活文化の
創造を目指すという視点から、ハードとしての商品だけでなく、人のこころや気持ちに働きかける「ソフト情報」
についても積極的に情報開発と発信を行っています。
2002 年、生活者と美のキーワードは“春待ち繭子”
『生活者と美の白書』は毎年、その年を象徴するキーワードを選定しています。2000 年版“ヒカル”、2001 年
版“my-mode / マイモード”、2002 年版“即幸力”に続き、2003 年版では“春待ち繭子”と名づけました。
これは、デフレ スパイラルや財政赤字、戦争への不安感など、日本を取り巻く内外の息苦しく出口の見えな
い閉塞感に対し、いつかは来たるべき“春”のため、今は家族や友人との絆を大切にし自分自身を磨き備えて
いようとする生活者の意識のトレンドに着目したことによります。
ボディーとシニア女性に関する意識調査レポートも掲載
『生活者と美の白書 2003 年版』は、A4 サイズ 62 ページで、全体は以下の3部構成となっています。
第 1 部 女性と美をとりまく出来事
第 2 部 2002 年ビューティートレンド
第 3 部 定量調査レポート
この中には資生堂独自の調査・情報源として、
z 都内3ヵ所の街頭で年に2回、20代女性計600名のメーキャップ・ヘアスタイルを写真に収め、
傾向を分析したヘアメーク定点観測結果
z 無作為に選ばれた46都道府県在住 15 歳~64 歳の女性4,600人に対し、過去 20 年以上に亘っ
て継続的に年4回行っている「美と生活に関する意識と行動調査」の分析結果レポート
z 東京銀座で撮り貯めた一般女性の全身ファッション写真
などをベースに、定量・定性の両面からさまざまな角度で収集、分析した結果を掲載しています。
本レリースに、第3部「定量調査レポート」の要約を資料として添付しました。これは、近年高まりを見せる「ボ
ディーに関する意識」、ならびに高齢社会の到来によって関心が高まっている「シニア女性と化粧に関する意
識」についてまとめた定量調査分析レポートです。
資生堂 『生活者と美の白書 2003 年版』 “春待ち 繭子”
(参考情報)
2003-4
シニア層に対する資生堂の取り組みについて
日本は現在、人口の 18.5%以上が 65 歳以上という世界有数の高齢社会であり、さらに 2015 年には人口
の 4 分の 1 が 65 歳以上になると予想されています。資生堂は「サクセスフルエイジング(美しく年を重ねる)」
の考え方のもと、拡大するシニア層向けに美しい生活文化をサポートする活動を続けています。
化粧がシニア層のこころを開く~2つの取り組み事例~
① 特別養護老人ホーム「富士見荘」(岩手県盛岡市)の事例
岩手県にある特別養護老人ホーム「富士見荘」には、1975 年から、資生堂のビューティーコンサルタントが月
に 1 度ボランティアで美容サービスを行ってきました。「富士見荘」では、入所者のお年寄りにも豊かな人生を
送って欲しいとの願いから、生きがいや喜びを持ってもらうよう苦心を重ねてきており、この美容サービスもそ
の一環として行われてきました。お年寄りの方々がこの美容サービスに参加すると、表情が和らいでいくとと
もに気持ちがみるみる引き立ち、何度か続けるうちには、自ら進んで化粧をし、自発的にリハビリテーションを
始め、車椅子の生活を脱し歩けるようになる方さえいるといいます。
やまがみ
② 徳島県「鳴門山上病院」の事例
1993 年から徳島県にある「鳴門山上病院」では、老人性痴呆を含む高齢者の患者さんたちに、毎週金曜日、
化粧の時間を設けています。資生堂のビューティーコンサルタントや化粧品店の方が、ボランティアで月に1,
2回お手伝いをしています。継続的な調査の結果、老人性痴呆の患者さん 40 名中 36 名、つまり 9 割の方に、
「表情が明るく豊かになった」という変化が見られ、また、3 割の方々のオムツがとれたことがわかりました。老
人性痴呆の患者さんのオムツがとれるというのは大変珍しいことといいます。化粧行為が自立した女性の証
しとして、患者さんにも自立のこころを促したものと思われます。
現在の資生堂のシニア層に対する取り組み
① 資生堂サクセスフルエイジングセミナー
資生堂では、「人それぞれ、年それぞれに、美しく」をテーマに、全国の資生堂支社にて最新の美容セミナー
やお化粧の講習会を行っています。60 歳以上の方を対象にした「シニア講座」を年間約40,000 人以上の方が
受講され、また要介護高齢者の方むけの「みだしなみ講座」には年間約 36,000 人の方が参加されています。
② “おばあさんの原宿”「巣鴨地蔵通商店街」定点観測調査
資生堂生活者情報研究部塩谷和美は、自身の研究テーマとして「シニア女性の美と生活意識」に取り組み、
1993 年から毎月欠かさず“おばあさんの原宿”と呼ばれる「巣鴨地蔵通商店街」に通いつめて、とおり一遍の
調査では引き出せないシニア女性たちの本音の気持ちや実態をつかむ研究活動を続けています。これらの
研究から得た知見をシニア向けの美容情報や商品開発に活かしています。
③ セラピーメーキャップ研究
資生堂ビューティークリエーション研究所大城喜美子は、70 年~80 年代にかけパリコレクションなど世界の第
一線で活躍した資生堂のトップメーキャップアーティストのひとりです。1992 年から、あざや顔面神経麻痺患
者などのメーキャップについて医学関係者と共同研究を行い、専用商品やメーキャップ法の開発等に取り組ん
でいます。近年ではさらに活動の幅を広げ、シニア女性向けメーキャップの啓蒙活動にも積極的に取り組んで
います。