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欧州
2017年1月11日
まだ終わっていない、英国EU離脱
英国が国民投票でEU離脱を選択した以後もEU離脱を巡る憶測が市場の動向に影響を与えています。英国がEU
を離脱するプロセスは不透明で市場の混乱要因となる可能性もゼロではないことから、当面の注目点を整理します。
メイ英首相インタビュー:ハードな英EU離脱
路線が維持されているとの懸念でポンド売り
英国のメイ首相は2017年1月8日にインタビューで、欧州の
単一市場アクセスの断念を意味することになっても、移民流
入管理と立法の権限回復を欧州連合(EU)離脱における優
先事項にするとの見解が示唆されました。メイ首相が英国
の欧州連合(EU)離脱の今後の方向で、深刻な影響が懸念
される「ハードなBrexit(英国のEU離脱)」を引き続き示した
ことから為替市場ではポンドが下落しました(図表1参照)。
どこに注目すべきか:
ハードBrexit、最高裁判断、EU離脱計画詳細
ピクテ投信投資顧問株式会社
図表1:英国ポンド(対ドル)の推移と主な出来事
(日次、期間:2016年1月11日~2017年1月10日)
1.5
ドル/ポンド
高 ポンド 安
英国が国民投票でEU離脱を選択した2016年6月以後もEU
離脱を巡る憶測が、国民投票直後の規模ではないにせよ、
市場の動向に影響を与えています(図表1参照)。英国がEU
を離脱するプロセスは不透明な部分も多く、再び市場の混
乱要因となる可能性もゼロではないことから、当面の注目点
を整理します(図表2参照)。
まず、目先の注目としてはEU離脱を定めたEU条約第50条を
通知するに前に、英国議会の承認が必要かどうか最高裁の
判断が示されることです。昨年11月、高等法院では議会承
認が必要との判断が示され、ポンドは上昇しました(図表1
参照)。仮に議会承認が必要となれば離脱プロセスが遅れ
る可能性もあります。ただ、英国下院は昨年12月に17年3月
末までの離脱通知実施支持の動議を可決しているため、議
会承認で混乱する懸念は後退したとの見方もあります。
次に、メイ首相は今後数週間以内に英国政府のEU離脱方
針の詳細を公表する予定で、公表内容に注目が集まるもの
と見ています。英国は、ビジネス継続のためEUとの単一アク
セス維持を希望する一方で、EUの基本方針である自由な移
民流入は認めない姿勢を示しています。EUは移民流入で英
国に譲歩する可能性も低いことがEU離脱のプロセスを困難
としている最大の要因となるなか、仮に単一市場へのアクセ
スを放棄して移民流入の制限だけに固執する内容であれば
ポンド下落の可能性も想定されるだけに、英国の公表する方
針に注目が必要です。
メイ首相が今年3月末までにEU離脱通告をする方針を表明し
たのは欧州の今後の選挙スケジュールを考慮したのかもしれ
ません(図表2参照)。独仏で、恐らく移民問題も争点の1つと
なる重要な選挙が控えており、英国としては、それらの選挙の
動向で自国の判断が右往左往する事態の回避を目論んだの
かもしれません。今後公表される離脱計画の内容が当面の注
目点と見られます。
1.4
1.3
1.2
16年1月
国民投票でEU
離脱を選択
ポンド(対ドル)
ロンドン高等法院
議会承認必要と判断
下院動議
10月保守党大会でハー
ドBrexit路線を示唆
16年4月
16年7月
16年10月
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
17年1月
図表2:英国EU離脱を巡る2017年の主なイベント
実施予定
内容
注目点
最高裁判決:EU条
英国下院が16年12月に、17年3月
17年1月 約第50条のEU離脱
末までの離脱通知実施支持の動
予定
通知前の議会承認
議を可決、裁判の影響は回避か
の必要性可否
メイ首相が保守党大会で示した強
英国政府EU離脱計
硬路線が維持されるか、それとも
1月~2月
画詳細の公表
ソフトな交渉を目指すかに注目
EU条約第50条によ メイ首相は3月末までに離脱通告
3月末
るEU離脱通告
を行う方針を自ら表明
4~5月
仏大統領選挙
各選挙で移民もしくは難民問題が
8~10月 独総選挙
選挙の争点の1つとなる可能性
出所:各種報道等を参考にピクテ投信投資顧問作成
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