短期予報解説資料1 2016年12月30日15時40分発表 気象庁 予報部 1.実況上の着目点 ① 30 日午前中、500hPa -39℃以 下の寒気を伴うトラフが、 北日本 を通過。 日本付近は冬型の気圧配 置が続くが、 寒気移流のピークは 過ぎた。 日本海は下層暖気移流場 に変わりつつあり、 筋状雲は領域 を縮小。降雪は領域・強度とも縮 小傾向で、 北日本の山沿いを中心 に 3~5cm/3h。風は北日本の沿岸 部でやや強い。 ②中国東北区に 500hPa 5340m ト ラフがあり、-36℃以下の寒気を 伴う。 2.主要じょう乱の予想根拠と 解説上の留意点 ①北日本では引き続き 30 日夕方まで、山沿いを中心に大雪による交通障害やなだれに注意。 ② 1 項②の中国東北区の 500hPa トラフが 30 日夜から 31 日昼ころにかけて北日本を通過し、北日本に は 500hPa -30℃以下の寒気が流入する。この寒気は 30 日午前中通過した寒気よりもおよそ 5℃高いた め、広い範囲の大雪は見込まないが、北日本や北陸地方では 30 日夜から 31 日昼ころにかけて、降雪 の強まりに留意。特に東北南部や北陸地方では、トラフ接近前の 30 日夕方以降 下層に西から湿りが 流入するため、気温の低い山沿いを中心に、降雪の強まりには十分留意。 ③北日本や北陸地方では、1 項②の 500hPa トラフが通過する 31 日昼ころにかけて、引き続き強風や高 波、ふぶきによる交通障害に注意。 ④南西諸島は、吹送距離が長く、やや強い東風が継続するため、31 日にかけて高波に注意。 ⑤ 1 項②の 500hPa トラフ通過後、日本付近は高気圧に覆われ、1 月 1 日にかけて概ね晴れる。 3.数値予報資料解釈上の留意点 ①総観場は最新 GSM を基本とし、降水の分布や強度・種別、風は MSM を参考する。 4.防災関連事項 [量的予報と根拠] ①大雪ポテンシャル(18 時からの 24 時間):高いところ(注意報級以上)はない。 ②波浪(明日まで):東北 4、北海道・北陸・小笠原諸島・沖縄 3m。 5.全般気象情報発表の有無 発表予定なし。 1 量的な予報については、今後の状況により変化する場合がありますので、注意報・警報や全般気象情報等に記述する数値を利用願います。
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