短期予報解説資料1 2016年10月31日15時40分発表 気象庁 予報部

短期予報解説資料1 2016年10月31日15時40分発表
気象庁 予報部
1.実況上の着目点
①日本海北部に 500hPa 5220~
5400m のトラフがあり、トラフ前
面では前線を伴った低気圧が北
海道を通過中。
前線の暖域側では
非常に激しい雨を解析し、
発雷や
メソサイクロンを検知。
北海道は
日本海側北部を中心に気温が
0℃前後で、5cm/3h の降雪。
②華北には 500hPa 5580m 付近の
トラフがあり、
衛星画像では暗化
が進んでいる。
③奄美大島周辺の海上では、
とこ
ろどころで激しい雨。
2.主要じょう乱の予想根拠と
解説上の留意点
① 1 項①の低気圧は発達しながら北東進し、31 日夜には千島近海に進む。低気圧の発達に伴い、北日
本では 11 月 1 日にかけて強風や高波に注意。北海道では目先 31 日夕方まで暴風に警戒。前線の暖域
側では大気の状態が非常に不安定なため、北日本では寒冷前線が通過する 31 日夜にかけて、落雷や竜
巻などの激しい突風、短時間強雨に注意。寒冷前線通過後は寒気が流入。北海道では 1 日にかけて雪
の降りやすい状態が続き、山沿いでは降雪量の多くなるおそれがある。
② 1 日は、日本海に地上高気圧が張り出し、高気圧の西側にあたる日本海西部で地上シアーラインが
顕在化する。シアーライン近傍では気圧の傾きが大きいため、強風や高波に注意。また、1 項②の 500hPa
トラフが接近する 1 日明け方前後を中心に、降水の広まりにも留意。2 日朝にはシアーライン上の山陰
沖で、低気圧が発生する。
③日本の南では、31 日夜にかけて 500hPa 5820m 付近の強風軸に沿って前線が発生。前線上の波動が
31 日夜に九州南部、1 日夜には伊豆諸島の南に進む。九州南部・奄美地方から伊豆諸島では、1 日夜に
かけて大気の状態が不安定となり、降水の強まるところがある。
④ 1 日は華北の高気圧が東シナ海に張り出すため、黄海から東シナ海では気圧の傾きが大きくなる。
南西諸島では強風や高波に注意。
3.数値予報資料解釈上の留意点
①総観場は最新 GSM を基本とする。雨や雪・風の分布や強度は MSM も参考にする。日本の南の前線
上の波動は、予想位置に不確実性があるため、過去複数回の初期値も参考に位置を決定した。
4.防災関連事項 [量的予報と根拠]
①大雨・大雪ポテンシャル(18 時からの 24 時間):
[雨]高い所(100mm 以上)はない。
[雪]北海道 20cm。
②波浪(明日まで)
:北海道・沖縄 4、その他 2~3m。
5.全般気象情報発表の有無 発表の予定はありません。
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量的な予報については、今後の状況により変化する場合がありますので、注意報・警報や全般気象情報等に記述する数値を利用願います。