短期予報解説資料[pdf]

短期予報解説資料1 2016年12月20日15時40分発表
気象庁 予報部
1.実況上の着目点
①優勢な高気圧は日本の東に進
み、日本付近は気圧の谷の中。
500hPa では、オホーツク海から
日本海西部に連なるトラフが日
本付近に接近中。
②日本海中部の低気圧周辺では、
5mm/h 程度の雨。20 日朝をピー
クに発雷・強雨域は縮小傾向。
③九州や南西諸島は、
高気圧後面
の下層暖湿気移流により、
海上を
中心に 20~40mm/h の雨。
④中国東北区に 500hPa 5400~
5520m トラフがあり、-30℃以下
の寒気を伴う。
2.主要じょう乱の予想根拠と解説上の留意点
① 1 項②の日本海の低気圧は、20 日午後には 1 項①の 500hPa トラフに追い越され、次第に不明瞭化
する。また、1 項③の九州から南西諸島の降雨域は、20 日夜には同 500hPa トラフが通過しリッジ場と
なるため、次第に解消にむかう。東北地方・北陸地方・西日本や奄美地方では 20 日夕方にかけて、落
雷や突風、短時間強雨に注意。
② 21 日未明から朝にかけて、1 項④の 500hPa トラフが北日本を通過し、北海道には 500hPa -30℃以
下の寒気が流入する。北海道では局地的な降雪の強まりに留意。
③ 21 日夜、500hPa 5640m 付近のトラフが黄海に進み、黄海で前線を伴った低気圧が発生する。前線
は 850hPa 9℃付近に対応。低気圧は発達しながら北東進し、22 日朝には日本海西部に進む。低気圧の
発達に伴い、西日本では 21 日夜から 22 日にかけて、強風や高波に注意。
低気圧や前線近傍では、南から 850hPa 相当温位 318K を超える暖湿気が流入し、大気の状態が不安定
となる。九州を中心に西日本では、21 日夜から 22 日にかけて、落雷や突風、短時間強雨に注意。
なお、低気圧は 22 日以降も発達しながら日本海を進むため、22 日午後以降、全国的に気圧傾度が大
きくなり、西日本から東日本では太平洋側を中心に非常に激しい雨の降る可能性のあることに留意。
④先島諸島を中心とした沖縄地方では、22 日にかけて東よりのやや強い風が続き、850hPa 相当温位 327
K を超える暖湿気の流入が続く。22 日にかけて落雷・突風・短時間強雨、うねりを伴った高波に注意。
3.数値予報資料解釈上の留意点
①総観場は最新 GSM を基本とし、降水や風の分布・強度は MSM も参考。
4.防災関連事項 [量的予報と根拠]
①大雨ポテンシャル(18 時からの 24 時間):高い所(100mm 以上)はないが、2 項の短時間強雨に注意。
②波浪(明日まで):小笠原諸島・四国・沖縄 3m。
5.全般気象情報発表の有無 「発達する低気圧に関する全般気象情報」を 15 時 40 分発表ずみ。
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量的な予報については、今後の状況により変化する場合がありますので、注意報・警報や全般気象情報等に記述する数値を利用願います。