平成28年度 中学校国語 全国学力学習状況調査結果概要 国語Aの概要 基礎的な言語活動や言語事項に関する知識が身に付いているかどうかをみる問題が出題 されている。 今回の調査では、四街道市の中学校3年生は、全国平均と同程度の結果が見られた。 ○「話すこと・聞くこと」は、全国平均と同程度であった。 ○「書くこと」は、全国平均と同程度であった。 ○「読むこと」は、全国平均と同程度であった。 ○「伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項」は、全国平均と同程度であった。 設問別集計結果 [国語A:主として知識] 学習指導要領の領域等 設問番号 設問の概要 出題の趣旨 話 す こ と ・ 聞 く こ と 書 く こ と 読 む こ と 伝 統 的 な 言 語 文 化 と 国 語 の 特 質 に 関 す る 事 項 評価の観点 国 語 へ の 関 心 ・ 意 欲 ・ 態 度 話 す ・ 聞 く 能 力 書 く 能 力 1一 聞き手をどのように想定して話しているのか を説明したものとして適切なものを選択する 聞き手の立場を想定し,話の中心 的な部分と付加的な部分との関係 に注意して話す 2 イ 1二 絵本のページを提示した意図として適切なも のを選択する 目的に応じて資料を効果的に活用 して話す 2 ウ 2一 パンフレットの見出しを他の見出しの書き方 を参考にして書く 伝えたい事柄が相手に効果的に伝 わるように書く 2 ウ 2二 文章の一部を別の項目に移す理由として適切 なものを選択する 集めた材料を整理して文章を構成 する 1 イ 3一 「ライスカレーの名に値する」の意味として 適切なものを選択する 文脈の中における語句の意味を理 解する 1 ア 3二 「私」にとってのライスカレーを説明したも のとして適切なものを選択する 登場人物の言動の意味を考え,内 容を理解する 2 イ 4一 答えの文章を直した意図として適切なものを 選択する 文章を読み返し,文の使い方など に注意して書く 2 エ ○ 4二 質問に対する答えが明確になるように適切な 言葉を書く 伝えたい事柄について,根拠を明 確にして書く 1 ウ ○ 5一 電話を受けた相手のことを考えた言葉を書く 相手や場に応じた言葉遣いなどに 気を付けて話す 1 ウ ○ 5二 伝えたいことを明確にするために付け加える 言葉として適切なものを選択する 全体と部分との関係に注意して話 を構成する 1 イ ○ 6一 「不思議な機能」の説明として適切なものを 選択する 文章の展開に即して情報を整理 し,内容を捉える 1 イ 6二 文章について説明したものとして適切なもの を選択する 文章の構成や展開について自分の 考えをもつ 1 エ 7一 相手の発言をどのように聞いているのかを説 明したものとして適切なものを選択する 話の展開などに注意して聞き,自 分の考えと比較する 2 エ 7二 話合いを踏まえた発言として適切なものを選 択する 互いの発言を検討して自分の考え を広げる 2 オ 8一 奥付の特徴を説明したものとして適切なもの を選択する 8二 資料集を活用するときの留意点を説明したも のとして適切なものを選択する 9一1 漢字を書く(大学で歴史のケンキュウをす る) 9一2 漢字を書く(今までにないドクソウ的な考え だ) 9一3 問題形式 読 む 能 力 言 語 に つ い て の 知 識 ・ 理 解 ・ 技 能 選 択 式 短 答 式 正答率(%) 記 述 式 比較 四 街 道 市 千 葉 県 ( 公 立 ) 全 国 ( 公 立 ) 全 国 ( 公 立 ) と の 比 較 ○ ○ 79.0 80.8 80.7 -1.7 ○ ○ 77.4 78.1 78.1 -0.7 76.0 77.5 78.1 -2.1 ○ 73.6 74.1 73.2 0.4 ○ ○ 84.9 85.8 84.7 0.2 ○ ○ 91.2 90.6 90.0 1.2 ○ 63.9 65.5 64.7 -0.8 ○ 77.1 77.9 78.7 -1.6 ○ 93.5 93.0 93.1 0.4 ○ 88.7 89.3 88.7 0.0 ○ ○ 81.0 81.2 81.3 -0.3 ○ ○ 65.6 67.6 67.3 -1.7 ○ ○ 67.9 71.2 70.6 -2.7 ○ ○ 60.9 63.6 62.0 -1.1 ○ ○ ○ 3 全 P国 以正 上答 …率 ◎を 1 3 0 P0 以 P 下と …し △た 場 合 の 比 較 △ 奥付の特徴や役割を理解する 1 カ ○ ○ 86.0 86.7 86.1 -0.1 奥付を使って本についての情報を 得る 1 カ ○ ○ 59.0 61.5 62.4 -3.4 △ △ △ △ △ △ △ △ 2(1) ウ(イ) ○ ○ 78.8 81.7 83.5 -4.7 2(1) ウ(イ) ○ ○ 26.3 27.7 26.1 0.2 漢字を書く(家の庭に花をウえる) 2(1) ウ(イ) ○ ○ 86.0 87.6 89.9 -3.9 9二1 漢字を読む(封筒を開ける) 2(1) ウ(ア) ○ ○ 98.0 97.5 97.6 0.4 9二2 漢字を読む(長年の努力が報われた) 2(1) ウ(ア) ○ ○ 95.3 94.7 94.8 0.5 ○ ○ 75.2 81.6 82.6 -7.4 文脈に即して漢字を正しく書く 文脈に即して漢字を正しく読む 9二3 漢字を読む(目上の人を敬う) 2(1) ウ(ア) 9三ア 適切な語句を選択する(彼は,忙しい仕事の 合間を縫って,私に会いに来てくれた) 1(1) イ(ウ) ○ ○ 91.8 92.6 91.0 0.8 9三イ 適切な語句を選択する(厳しい挑戦だという ことは,もちろん分かっています) 1(1) イ(ウ) ○ ○ 97.4 97.8 97.9 -0.5 9三ウ 適切な語句を選択する(弟子を手塩にかけて 育てる) 1(1) イ(ウ) ○ ○ 58.6 60.4 59.3 -0.7 9三エ 適切な敬語を選択する(私がプリントを集め て,先生にお届けします) 2(1) イ(ア) ○ ○ 94.2 93.9 94.3 -0.1 9三オ 適切な語句を選択する(会長候補として,白 羽の矢が立つ) 1(1) イ(ウ) ○ ○ 56.9 56.3 54.0 2.9 9四ア 漢和辞典の「意味」の中から,「賛美」の 「美」の意味として適切なものを選択する 1(1) イ(イ) ○ ○ 59.2 61.3 60.3 -1.1 1(1) イ(イ) ○ ○ 65.6 66.0 62.8 2.8 9四イ 3 全 %国 以正 上答 …率 ◎と の 3 比 %較 以 下 … △ 語句の意味を理解し,文脈の中で 適切に使う ◎ 辞書を活用し,漢字が表している 意味を正しく捉える 漢和辞典の「意味」の中から,「優美」の 「美」の意味として適切なものを選択する 9五 文章を書き直した意図として適切なものを選 択する 文の成分の照応について理解する 2(1) イ(ウ) ○ ○ 52.2 52.5 50.8 1.4 9六 題名の下書きをどのように書き直したのかを 説明したものとして適切なものを選択する 文字の形や大きさ,配列に注意し て書く 1(2) ア ○ ○ 39.1 40.4 36.4 2.7 9七1 歴史的仮名遣いを現代仮名遣いに直す(追ひ し) 歴史的仮名遣いを現代仮名遣いに 直して読む 1(1) ア(ア) ○ 73.2 78.9 80.2 -7.0 9七2 「忘れがたき」の意味として適切なものを選 択する 歌に表れた作者の思いを想像する 2(1) ア(イ) ○ 94.6 94.8 94.9 -0.3 ○ ○ ◎ ◎ △ △ ○話すこと・聞くこと ・聞き手の立場を想定して話すこと、目的に応じて資料を効果的に活用することについて は、全国平均と同程度であり、概ね良好である。 ・相手や場に応じた言葉遣いなどに気を付けて話すこと、全体と部分との関係に注意して 話を構成することについても、全国平均と同程度であり、概ね良好である。 ・話の展開などを注意して聞き、自分の考えと比較できるかどうかをみる設問では、全国 平均を下回っている。相手の意見の根拠等に注意して聞き、話の要点を捉えることに課 題が見られる。 ○書くこと ・パンフレットを作成する設問については、全国平均と同程度であり、伝えたい事柄が相 手に効果的に伝わるように書くこと、集めた材料を整理して文章を構成することについ ては、概ね身に付いている。 ・文章を推敲する設問では、全国平均と同程度であり、読みやすくわかりやすい文章にす るために読み返し、文の使い方などについて注意して書くことについては、概ね良好な 状況である。 ○読むこと ・随筆(井上靖「ほんとうのライスカレー」)を読んで、文脈の中における語句の意味や登 場人物の言動の意味を理解しているかどうかをみる設問では、2問とも 80%を超える正 答率であり、良好な状況である。 ・説明的な文章(石谷孝佑・水口眞一・大須賀弘『今日からモノ知りシリーズ トコトン やさしい包装の本』)を読んで、文章の展開に即して情報を整理し、内容を捉えることが できるかをみる設問、及び文章の構成や展開について自分の考えをもつことができるか どうかをみる設問では、全国平均と同程度であり、概ね良好な状況である。 ・本の奥付に関する設問では、奥付の特徴や役割については概ね理解できていたが、奥付 を使って本についての情報を得ることについては、全国平均を大きく下回っている。日 頃の学習の中で、図書資料を使用する場合、奥付の情報に着目しようとする意識が低い ことがうかがわれる。 ○伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項 ・文脈に即して漢字を正しく書く、及び読む設問に関しては、全国平均を大きく下回るも のが複数見られ、課題がある。 ・語句の意味の理解や、文脈の中で適切に使うことについてみる設問に関しては、全国平 均と同程度であり、概ね良好な状況である。 ・漢和辞典の活用や漢字の表している意味の理解に関する設問では、全国平均と同程度で あったが、正答率は 60%程度であり、課題がある。特に「賛美」については、日頃、生 徒があまり耳にしない言葉のためか、「優美」に比べ、正答率が落ちている。 ・文の成分の照応について理解しているかをみる設問では、全国平均と同程度であるが、 正答率は 50%程度であった。修飾・被修飾の関係についての理解が十分ではないことが うかがえる。 ・文字の形や大きさ、配列に注意して書くことに関する設問では、全国平均を大きく上回 ったものの、正答率は 40%程度で高いとはいえない。日頃、ノートに文字を書いたり掲 示物を作成したりする際に、文字の形や大きさ、配列等について注意しようとする意識 の向上が望まれる。 ・歴史的仮名遣いを現代仮名遣いに直して読む設問では、全国平均を大きく下回り、課題 がある。歌に表れた作者の思いについては 90%以上の正答率であったので、古典への興 味・関心は低くないと思われるが、歴史的仮名遣いの理解に関しては、課題がある。 国語Bの概要 基礎的な言語活動や言語事項に関する知識を活用することができるかどうかをみる問題 が出題されている。 今回の調査では、四街道市の中学校3年生は、全国平均を下回る結果が見られた。 ○「国語への関心・意欲・態度」は、全国平均を下回った。記述式の問題形式について無 回答率が高かった。 ○「書くこと」は、全国平均を下回った。 ○「読むこと」は、全国平均を下回った。 設問別集計結果 [国語B:主として活用] 学習指導要領の領域等 設問番号 設問の概要 出題の趣旨 話 す こ と ・ 聞 く こ と 書 く こ と 読 む こ と 伝 統 的 な 言 語 文 化 と 国 語 の 特 質 に 関 す る 事 項 評価の観点 国 語 へ の 関 心 ・ 意 欲 ・ 態 度 話 す ・ 聞 く 能 力 書 く 能 力 問題形式 読 む 能 力 言 語 に つ い て の 知 識 ・ 理 解 ・ 技 能 選 択 式 短 答 式 正答率(%) 記 述 式 比較 四 街 道 市 千 葉 県 ( 公 立 ) 全 国 ( 公 立 ) 全 国 ( 公 立 ) と の 比 較 1一 ちらしの表と裏から分かる「暮らしの中の 伝統文化展」が開かれるねらいとして適切 なものを選択する 文章の中心的な部分と付加的な部 分とを読み分け,要旨を捉える 1 イ ○ ○ 73.9 77.4 76.2 -2.3 1二 関連イベントの「~職人の技を見てみよう ~」に参加することができる日付として適 切なものを選択する 目的に応じて必要な情報を読み取 る 1 カ ○ ○ 82.9 83.6 83.3 -0.4 1三 ちらしの表と裏の表現の工夫とその効果を 書く 文章の構成や表現の仕方につい て,根拠を明確にして自分の考え を具体的に書く 67.4 68.2 68.0 -0.6 2一 雑誌の記事の説明として適切なものを選択 する 2二 2 ウ 2 ウ ○ ○ ○ ○ 3 全 %国 以正 上答 …率 ◎と の 3 比 %較 以 下 … △ 3 全 P国 以正 上答 …率 ◎を 1 3 0 P0 以 P 下と …し △た 場 合 の 比 較 △ 文章の構成を捉える 1 エ ○ ○ 61.9 65.5 64.9 -3.0 △ △ 情報カードにまとめる内容として適切なも のを選択する 目的に応じて文章を要約する 1 イ ○ ○ 60.5 64.3 64.0 -3.5 △ △ 2三 宇宙エレベーターについて疑問に思ったこ とと,それを調べるために必要な本の探し 方を書く 課題を決め,それに応じた情報の 収集方法を考える 47.3 49.5 49.2 -1.9 3一 物語の展開に沿って巳之助の様子を並べ替 える 文章の展開に即して内容を理解す る 1 ウ ○ 70.4 72.3 71.1 -0.7 3二 物語に書かれている事柄について図鑑の説 明から分かることとして適切なものを選択 する 目的に応じて必要な情報を読み取 る 1 カ ○ 62.7 64.6 64.7 -2.0 3三 図鑑の説明を読むことで,よく分かるよう になった物語の部分と,その部分について どのようなことが分かったのかを書く 本や文章などから必要な情報を読 み取り,根拠を明確にして自分の 考えを書く 52.7 56.7 57.7 -5.0 1 ア 1 ウ 1 カ 1 カ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ △ △ △ △ ○国語への関心・意欲・態度 ・関心・意欲・態度が評価の観点となっている設問(3問)の問題形式はすべて記述式で あったが、3問とも他の設問に比べ、無回答率が高くなっている。うち2問については、 全国平均を下回っており、根拠を明確にして自分の考えを書くことや、課題に応じた情 報の収集方法を考えることについて、苦手意識をもつ生徒が多いと考えられる。 ○書くこと ・雑誌の記事を読んで疑問に思ったことを書き出す設問では、全国平均を下回った。自分 の考えをまとめて書くことに課題がある。 ・物語(新美南吉『おじいさんのランプ』)に書かれている事柄について、図鑑の石油ラン プの説明から、よくわかるようになった物語の部分と、その部分についてどのようなこ とが分かったのかを書く設問では、全国平均を大きく下回り、無回答率も 25%を超えて いる。読み取った情報をもとに、根拠を明確にして自分の考えを書くことについて、大 きな課題がある。 ○読むこと ・実用的な文章(ちらし)から情報を読み取る設問、目的に応じて必要な情報を関連付け て読み取る設問については、全国平均と同程度であり、概ね良好である。目的に応じて 中心的な部分と付加的な部分を読み分けること、内容を的確に捉えること、資料の特徴 を踏まえて目的や場面に応じて情報を選択して整理すること等は、身に付いている。 ・雑誌の記事から、文章の構成を捉える設問については、全国平均を下回り課題がある。 記事は宇宙エレベーターに関するものであるが、見出しに着目しながら、図や写真と関 連付けて読んでいくことが難しかったのではないかと思われる。 ・雑誌の記事から、目的に応じて文章を要約する設問に関しては、全国平均を大きく下回 り課題がある。記事の内容を情報カードとしてまとめる形であり、問題形式は選択式で あるが、正答率は 60%程度である。キーワードに着目して必要な情報を選択して要約す る力に課題がある。 ・物語(新美南吉『おじいさんのランプ』)に書かれている事柄について、図鑑の石油ラン プの説明と関連させて答える設問については、全国平均を下回り、複数の資料を関連さ せて必要な情報を読み取ることに課題がある。 中学校国語 指導改善のポイント ◎話す力と聞く力の育成 ○聞き手の立場を考えて、資料を効果的に提示して話す活動の充実 ・様々な資料を効果的に活用して話すことができるようにする。 ・聞き手にとってわかりやすい資料を準備することや、資料を提示する効果的なタイミン グについて考える機会を設ける必要がある。 ○自分の考えをしっかり持ち、話の展開に沿って自分の考えと比較しながら聞く活動の充 実 ・まず、自分の考えを持つことが大切である。学習活動の中で、自分の考えを形成させる 時間を十分に確保するよう留意する。 ・相手の意見を聞く際は、主張や根拠に注意して聞くことができるようにする。 ・相手の話を聞く際は、自分の考えと比較しながら聞くようにし、賛成、反対等の判断を していくことが大切である。 ・学習活動の中で、ペアやグループ等で互いの主張や根拠を聞き合う活動を意識的に設定 する。 ○互いの発言を検討して、自分の考えを広げる活動の充実 ・相手の立場や考えを尊重しながら、合意形成を目指す話合いの場を意識的に設定してい く必要がある。 ・互いの発言を検討していく中で、別の立場や視点から考えることで、自分の考えを広げ ることができるよう指導していく必要がある。 ◎書く力の育成 ○自分の書いた文章を読み返す習慣の定着 ・読み手の立場に立って、自分の伝えたい事柄が明確になっているかどうかを確認するこ とが重要である。書いた文章を読み返すことが習慣化するよう指導する。 ○伝えたい事柄と根拠とのつながりを明確にして書く活動の充実 ・根拠として示す事実が適切かどうか確かめ、読み手にとってどの部分が根拠なのかわか りやすいよう、接続語の使用や段落構成を工夫して書くことが大切である。 ○根拠を明確にして、自分の考えを書く活動の充実 ・文章のどの部分に着目し、どのような事柄をもとに内容を理解したり、想像を広げたり したのかなど、根拠を明確にして説明し合う活動を取り入れることが有効である。説明 し合う活動の積み重ねが、根拠となる部分を適切に選んだり、考えをまとめたりする力 を伸ばすことにつながる。 ○文章の構成や展開、表現の仕方について考える活動の充実 ・ちらしやポスターなどの構成や表現の仕方に着目し、書き手の目的や意図を考えたり、 その効果について考えたりする学習活動を取り入れるようにすることが大切である。学 んだ表現を自分の目的に沿って活用することや、自分で文章を書く際に表現の工夫につ いて考えることにもつながる。 ◎読む力の育成 ○説明的文章…文章の構成に着目して読む活動の充実 ・全体的な構成を捉えて文章の内容を理解することが大切である。図表や写真が用いられ ている文章では、それらが文章のどの部分と関連しているのかを確認し、内容をより的 確に読み取ることができるよう指導する。 ○目的に応じて、必要な情報を関連付けて読み取る活動の充実 ・複数の情報を合わせて、必要な事柄を整理する学習活動を意図的に取り入れる必要があ る。複数の情報を関連付けることによって分かる情報があることに気付かせることも大 切である。 ○目的に応じて、必要な情報を読み取り、要約する活動の充実 ・カードを活用して情報を整理しながら、中心的な部分と付加的な部分を読み分けて要約 し、内容を正確に理解できるようにする。 ○自ら課題を決め、解決するための情報収集を行う活動の充実 ・文章に書かれている内容を正しく理解するとともに、互いの感想を交流する中から、新 たな課題を設定し、解決していこうとする意欲を育てていくことが大切である。 ・解決に向けて、適切な情報を収集する方法を考えさせるようにする。その際、新聞や雑 誌、インターネット等を活用させるとともに、学校図書館の活用を図ることも大切であ る。学校図書館を利用する際、本の目次、奥付等を参考に、資料を探すことができるよ うにしていく。 ○文学的文章…場面の展開や登場人物などの描写に注意して読む活動の充実 ・登場人物の心情の変化など、読み取ったことを分かりやすく図や表にまとめ、それらを 活用して説明し合う活動などに取り組むことが必要である。 ◎伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項に関する力の育成 ○当該学年までに配当されている漢字の習得 ・既習の漢字を積極的に使用するよう指導する必要がある。また、同音の漢字や形が似て いる漢字については、丁寧に指導するようにする。 ○辞書の活用の習慣化 ・語句の学習については、国語辞典、漢和辞典を日常的に活用できるよう指導することが 大切である。 ・熟語の学習については、漢和辞典を活用し、漢字には複数の意味があることを理解する とともに、漢字のもついくつかの意味を熟語の意味と結びつけながら、適切に捉えるこ とが大切である。 ○文の成分の照応についての指導の充実。 ・主語と述語の照応、修飾語と被修飾語の照応等、各領域の学習の中で適宜指導していく 必要がある。 ○文字の大きさ、字形、配列等、観点を明確にした相互評価の実施 ・書写の学習では、文字の大きさや字形、配列等の観点を具体的に示し、生徒が互いに評 価し合う場面を設定することが大切である。また、学んだことを、ノートや掲示物を書 く際に生かすことができるよう指導することも重要である。 ○古典への興味・関心を深める指導の工夫 ・小学校での学習を踏まえた上で、音読や朗読を通して古典特有のリズムを味わい、古典 への興味・関心を深めることに重きを置きながら指導にあたることが大切である。その中 で、歴史的仮名遣いについて理解を深めるようにしていく。
© Copyright 2024 ExpyDoc