嘉数 誠 - 佐賀大学 産学地域連携機構

工学系研究科
K A S U
電気電子工学専攻
MAKOTO
嘉数 誠
教授
「ダイヤモンド半導体を用いた高効率パワー素子」
[キーワード]
ダイヤモンド,半導体,トランジスタ,太陽光発電所,電力エネルギー
ダイヤモンド半導体の研究開発 -究極のエネルギー効率を目指して-
研究紹介
◆研究概要
私たちの身の回りにあるほとんどの電子機器には半導
体が使われています.半導体とは,導体(電気を通しや
すい物質)と絶縁体(電気を通しにくい物質)の両方の
性質を持ちあわせる物質で,状況(温度,含有割合な
ど)を変えることで,電気を通したり通さなかったりし
ます. 現在,世界中で使われている半導体は,シリコ
ン(ケイ素)を原料に製造されていますが,シリコンの
半導体ではエネルギー効率に限界があり,無駄なエネル
ギーが消費されています.当研究室では,まだ世界で誰
も実現できていないものの,エネルギーが格段に高効率
化できるダイヤモンド半導体の電子素子を作る研究をし
ています.
◆研究のきっかけ
最近,シリコンに代わる半導体として炭化ケイ素
(SiC)や窒化ガリウム(GaN)に注目が集まっていま
す.しかし,当研究室では,SiCやGaNより高効率化を
達成する素材に着目しました.それがダイヤモンドです
(下グラフ参照).そこで,電気エネルギーの高効率化
を可能とする究極のパワー半導体であるダイヤモンド素
子について研究を開始しました.
◆ダイヤモンド半導体
ダイヤモンドと言えば,通常は宝石を思い浮かべる人
が多いと思います.宝石のダイヤモンドは,加工するこ
とで美しく光り輝きます.しかし,その原石は原子配置
の崩れや不純物の含有などの問題があり,半導体に利用
できる状態ではありません.これを解決するため,純度
の高いダイヤモンドを作る必要があります.
写真1:ダイヤモンドCVD装置
写真1は,人工的にダイヤモンドを作るCVDと呼ばれ
る装置です.高温を保った装置内でメタンガスを分解し
てできた炭素を人工ダイヤの基板に吹き付け,基板表面
にダイヤモンドの結晶を作ります.その結晶に電極など
を取り付けたものがダイヤモンド半導体です(写真
2).当研究室では,実用化のために,高品質と低コス
トを満たす製造方法の研究を実施しています.
写真2:ダイヤモンド半導体
掲載情報 2016 年 10 月現在
企業の皆様へ
一言アピール
ダイヤモンド半導体の他にも,太陽光発電所のシステム開発など,電力エ
ネルギーに関わるエレクトロニクス研究を行っています.テーマにご興味
がある方は気軽にご相談ください.
産学・地域連携機構より
現在,実用レベルの特性をもったダイヤモンドトランジスタの製造は,世界中でも嘉数研究室
くらいだそうです.このダイヤモンドトランジスタについて動作原理の解明や高性能化を図る
研究を続けています.興味がある方は気軽にお声掛けください.
佐賀大学研究室訪問記
2016
佐賀大学
産学・地域連携機構
(佐賀県佐賀市本庄町1番地)
(お問い合せ先) 国立大学法人 佐賀大学 学術研究協力部 社会連携課
TEL:0952-28-8416
E-mail:[email protected]