日銀プラスも今後に不安

平成28年9月23日
松井証券ストラテジスト 田村晋一
【株式相場レポート】
~日銀プラスも今後に不安~
今週の総括
23日終値
前週末比
日経平均 (円)
16,754.02
+234.73
ドル (円)
100.87-91
-1.03
NYダウ (ドル)
18,392.46
+268.66
長期金利 (%)
-0.055
-0.015
NY原油 (ドル)
46.32
+3.29
※NYダウ・NY原油は22日終値、ドル・長期金利は23日15時現在
★日銀政策にプラス反応も、米利上げ先送りで株価上昇は1日限り
今週のプラス材料
今週のマイナス材料
・日銀が新たに長期金利目標も設定
・米FRBが利上げ先送り
・基準地価が全国で改善、商業地は9年ぶり上昇
・米株高、原油高
・円高(100~101円台に)
今週は、21日後場の大幅上昇が大きかった。
週初は21日の日米金融政策決定会合を控えて小動きで始まり、21日午後に日銀金融政策決定会合の結
果が発表されると、「マイナス金利の深堀りがなかったこと」「長期金利ゼロ%の目標が追加されたこと」等に
対し、銀行や保険への収益圧迫懸念が後退するとの見方からこの2業種が大幅に上昇。ドル円が円安に動
いたこともあり、相場全体も大きく上昇した。その後、21日深夜(日本時間)に米FOMCが利上げ先送りを発
表すると、米株高、円高となり、23日は金融株中心に下落したが、結果的に大きくは売られずに引けた。
業種的には銀行株・保険株の変化が目立った印象だが、週を通すと、銀行、海運、通信、電力・ガスが強め、
自動車と電機、鉄鋼、空運、不動産が弱めだった。円高、原油高、金利上昇期待に反応した結果だろう。
来週以降の見通し
★しばらくは材料不足でこう着か
想定レンジ
16,700~17,100円
来週以降の注目材料
リスク要因
・米大統領候補TV討論会(9/26)
・為替市場の乱高下
・米雇用統計(10/7)
・原油価格の乱高下
・米FRB年内利上げの可能性(次回FOMCは11/2)
・イタリアの銀行支援問題の続報
・2Q決算(小売:10月上旬、その他:10月下旬~11月)
注目された日米の金融政策発表が終わった。しかし、結果的にドル円相場に変化がなかったことで、今後
の株価の方向感は見出せなかった印象。そして、米FRBの利上げの可能性が残されたことで、利上げ動向
は引き続き注目され続けることになりそうだ。次回の米FOMCは11月1~2日に開催予定。それまでは米FRB
高官発言や10月第1週発表予定のISM景況指数や雇用統計などの米マクロ指標に一喜一憂する展開が予
想される。つまり、新規材料が出てくるまでは、8月から9月前半と同じ状況に戻る可能性が高そうだ。
日銀関連では、長期金利動向に注目。10年利回りがゼロ%に戻れるのかどうか。15~30年の利回りが上昇
するかどうか。23日時点ではまだ利回りは上昇していないが、このまま動かないようだと、日銀への信認が
低下するリスクがある。利回りが上昇した場合は、21日のような金融株先導での株価上昇も期待できる。
来週から2月決算の小売業の決算発表が本格化する。8月後半の天候不順による売上高失速懸念から決
算への期待値は高くないかもしれない。しかし、8月の月次速報を3~8月累計としてみると悪くない企業も多
く、個別企業ごとには前年同期比プラス、会社予想比上振れとなるケースもあるだろう。個別銘柄で決算や
株主還元へのプラス反応が出始めると、現時点ではあまり注目されていない2Q決算全体に対する期待値
が上昇する可能性もある。株式市場への追い風になることを期待したい。
平成27年8月26日
松井証券ストラテジスト 田村晋一
来週・再来週の主なイベントカレンダー
国内
26(月)
海外
日銀資金循環統計:4-6月
米新築住宅販売件数:8月
米大統領候補テレビ討論会:第1回
米ケース・シラー住宅価格指数:7月
27(火)
米消費者信頼感指数:9月
28(水)
米耐久財受注:8月
29(木)
米GDP確定値:4-6月
30(金)
消費者物価指数、失業率、鉱工業生産:8月
EU失業率:8月
日銀貸出約定平均金利、都道府県別預金・現金・
貸出金:8月
EU消費者物価指数:9月
米個人消費支出:8月
自動車生産実績:8月
10/3(月)
日銀短観:7-9月
米ISM製造業景況指数:9月
百貨店各社売上高速報:9月
国内自動車販売数:9月
4(火)
米貿易収支:8月
5(水)
米ISM非製造業景況指数:9月
6(木)
米雇用統計:9月
7(金)
独鉱工業生産:8月
英鉱工業生産指数:8月
リスクおよび手数料等の説明
株式取引は、株価の変動等により損失が生じるおそれがあります。
■株式取引の委託手数料はインターネット経由の場合1日の約定代金の合計により決定し、100,000円(税抜)が上限です
■上場有価証券等書面、取引規程、取引ルール等をご覧いただき、内容を十分ご理解のうえ、ご自身の判断と責任により
お申込みください
■口座基本料は個人の場合には原則無料です
※各種書面の郵送交付には、年間1,000円(税抜)をご負担いただく場合があります
■本レポートは、当社が信頼できると判断した情報に基づき記載されていますが、その情報の正確性および完全性を保証
するものではありません
■本レポートは、お客様への情報提供を唯一の目的としたものであり、投資勧誘を目的として作成したものではありません
■投資に関する最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようにお願いいたします
■本レポートに掲載された情報の使用による結果について、当社が責任を負うものではありません
■本レポートに掲載された意見や予測等は、レポート作成時点の判断であり、今後、予告なしに変更されることがあります
■本レポートの一切の著作権は当社に帰属します。いかなる目的であれ、無断複製または配布等を行わないようにお願い
いたします
次回発行予定:9月30日(金)17:00以降
業者名等 松井証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第164号
加入協会名 日本証券業協会、一般社団法人金融先物取引業協会
Copyright (c) 1998 Matsui Securities Co.,Ltd.