⾼⾎圧性脳内出⾎患者における 注射薬から内服に早期に移⾏し⽬標⾎圧に安定した患者割合 脳出⾎急性期の⾎圧は、収縮期⾎圧が180mmHg未満または平均⾎圧が130mmHg未満を維持すること を⽬標に管理する。外科治療を施⾏する場合は、より積極的な⾼圧が推奨される。慢性期脳出⾎の⾼⾎圧対策 としては、再発予防のために特に拡張期⾎圧を75〜90mmHg以下にコントロールするよう勧められる。 脳出⾎患者において、発症24時間以内の超急性期、急性期、亜急性期では収縮期⾎圧180mmHgまたは平 均⾎圧130mmHgを超える場合に降圧対象となる。降圧の程度は、前値の80%を⽬安とする。慢性期で は140/90mmHg未満を⽬標とするが可能であればさらに低いレベル130/80mmHg未満を⽬指す。 4⽉ 58.3% 5⽉ 50.0% 6⽉ 50.0% 7⽉ 50.0% 8⽉ 50.0% 9⽉ 50.0% 85.7% 10⽉ 69.0% 11⽉ 12⽉ 25.0% 1⽉ 66.0% 2⽉ 70.0% 3⽉ 33.3% 55.8% H27年度(N=120) 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 当院値の定義・算出方法 分⼦: 10⽇以内に注射薬から内服薬に移⾏し⽬標⾎圧に安定した患者数 ×100(%) 分⺟: ⾼⾎圧性脳内出⾎の⼊院患者数 ※グラフ中のN数は分⺟の値を⽰しています。 解説(コメント) ⾼⾎圧性脳内出⾎患者では再出⾎の予防のため収縮期⾎圧140mmHg以下のコントロールが推奨されてい る。超急性期では主にカルシウム拮抗薬や硝酸薬を⽤いた持続静注による降圧療法を⾏い、内服加療に移⾏す る。脳卒中リハビリにおいては早期離床が重要とされ、⾎圧のコントロールが不良であるとリハビリを⾏うこ とが困難であり、離床を促すことが難しい。この指標は早期に⾎圧を安定させ点滴薬のない状態にすることに より早期離床や回復期病床への転院を促すことが可能であり、在院⽇数の低下やリハビリによる転帰向上が望 める。 改善策について 当院では平均で55%の患者でこの指標を達成できた。最初の6ヶ⽉では50%程度であったが、後半は60-80% と本指標を意識することで改善が認められた。今回の検討では10⽇間という期間を設定したが、⼤半の例で は14⽇間以内での内服薬移⾏が達成できていた。今後は、本指標を⽬標に早期より降圧薬内服を強化するこ とでより多くの例で⽬標を達成可能であると思われる。 ⽂責:脳神経外科部⻑ 中村 普彦
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