AMI患者の⼊室中に抗⾎⼩板剤/RAS系阻害剤/スタチン 投与開始済率 急性⼼筋梗塞による死亡は発症時に最も⾼く、⾎⾏再建を中⼼とした急性期治療の重要性は周知である。⼀ ⽅で、⼼筋梗塞後の症例の⼼事故(致死的⼼筋梗塞・⼼臓突然死・⼼不全死)・⾎管事故(薬剤抵抗性狭⼼ 症・脳卒中・⼼不全⼊院)に対する予防は、可能な限り急性⼼筋梗塞発症直後より、⾄適内容かつ容量で開 始する必要があり、急性期治療と同等に重要であると考えられている。今年度はスタッフ全員にこの認識を 周知徹底し、センター⼊室中から積極的介⼊に努めていきたい。 4⽉ 83.3% 5⽉ 66.7% 6⽉ 100.0% 7⽉ 76.9% 8⽉ 90.9% 9⽉ 100.0% 10⽉ 100.0% 11⽉ 69.2% 12⽉ 88.2% 1⽉ 100.0% 2⽉ 75.0% 3⽉ 75.0% 85.0% H27年度(N=113) 0.0% 20.0% 40.0% 60.0% 80.0% 100.0% 120.0% 当院値の定義・算出方法 分⼦: 退室前に 抗⾎⼩板剤/RAS系阻害剤/スタチン投与が⾏われていること 分⺟: AMI患者総⼊室数(⼼中隔⽋損症で⼿術をした患者、死亡退院患者は除く) ×100 (%) ※グラフ中のN数は分⺟の値を⽰しています。 解説(コメント) AMI患者は当院ではほぼ全例PCI、冠動脈ステント留置を⾏っており、抗⾎⼩板薬が必要不可⽋である。投 薬ミスがある場合致死的経過ともなりうるステント内⾎栓症をきたすことがある。抗⾎⼩板薬に関しては全 例に投与ができている。スタチンに関しても、冠動脈疾患⼆次予防のため投与が必須であるがほぼ全例にお いて投与できている。希にスタチンへのアレルギーや副作⽤で投与できない患者もいる。⼼筋梗塞後、⼼筋 のリモデリング抑制のためにRAS系阻害薬も投与が必要であり、可能な限り早期に開始することが望まれ る。 改善策について 抗⾎⼩板薬に関しては全例投与できている。スタチンに関しては2例とも投与忘れの可能性があり、CCU⼊ 室中より診療科全体での内服薬の確認が望まれる。RAS系阻害薬に関しては、低⾎圧、腎障害といった素因 が原因で開始が遅れることがあるようだが、状態が安定した後に開始できている症例もある。いずれにせ よ、CCU⼊室中に開始可能かどうか診療科全体でのdiscussionが望まれる ※ちなみに不達成症例はスタチンなしが2例、RASなしが15例、転棟後に条件達成が2例となっている。 ⽂責:循環器内科部⻑ 末松 延裕
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