脳内出⾎患者の発症後48時間以内の早期離床開始率 脳卒中治療ガイドライン2009では「廃⽤性症候群を予防し、早期のADL向上と社会復帰を図るために、⼗分なリスク 管理のもとにできるだけ発症後早期から積極的なリハビリテーションを⾏うことが進められる(グレードA)。その内 容には、早期座位・⽴位、装具を⽤いた早期歩⾏訓練などが含まれる」と提⾔されている。また、⼊院後72時間以内 にリハビリテーションを開始した群は、72時間以上経ってリハビリテーションを開始した群に⽐べて⼊院期間が短 く、退院時の歩⾏状態が良かったという研究データもある。急性期から看護師を中⼼に医師やセラピストと協働し、早 期リハビリテーションを実施している施設は少ないのが現状である。 4⽉ 85% 5⽉ 100% 6⽉ 83% 7⽉ 50% 8⽉ 67% 9⽉ 73% 10⽉ 100% 11⽉ 50% 12⽉ 33% 1⽉ 60% 2⽉ 100% 3⽉ 75% 73% H27年度(N=112) 0% 20% 40% 60% 80% 100% 当院値の定義・算出方法 分⼦: 脳内出⾎患者早期離床実施数 分⺟: 脳内出⾎患者早期離床対象者総数 ×100 (%) ※グラフ中のN数は分⺟の値を⽰しています。 解説(コメント) 超急性期脳出⾎患者は⾎圧管理が重要視されるため、離床による⾎圧変動や⾎腫増⼤を危惧し床上安静が⻑ 期化する傾向にあった。 脳卒中治療ガイドライン2015には「不動・廃⽤症候群を予防し、早期の⽇常⽣活動作向上と社会復帰を 図るために、⼗分なリスク管理のもとにできるだけ発症後早期からの積極的なリハビリテーションを⾏うこ とが強く勧められる(グレードA)」と早期離床を提⾔している。早期離床することが後のADL・QOL改善 に有効であるとされており、対象者を確実に早期離床させることがより質の⾼い脳卒中治療を提供している ことの指標となり得る。 改善策について 早期離床するには、まずは患者の状態を安定させることが必要であり、不安定な患者は個別に離床の時期を 検討していく必要がある。そのため離床時期の判断とリスクを予測できるアセスメント能⼒の向上を図る。 早期離床出来なかった患者の情報を更に分析する。 ⽂責:脳神経外科主任部⻑ 宮城 知也
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