内視鏡的逆⾏性胆膵管造影(ERCP)の偶発症発⽣の割合 ERCPは膵胆道疾患の診断だけでなく、胆管結⽯、胆管炎、胆管狭窄、膵⽯、膵管狭窄などの治療に低侵襲 で効果の⼤きな検査及び処置である。内視鏡⼿技の中でも、偶発症の頻度は⾼く、2010年に報告された⽇ 本消化器内視鏡学会の全国調査でも0.509%の偶発症を認めている。最も頻度の⾼いERCP後膵炎の発症頻 度の報告も0.4-5.6%と多く認められる。当院では緊急症例が多く、リスクのある患者に対する処置も多い ため、偶発症の軽減は患者のアウトカムに関与すると考えられる。 H27年度(N=133) 3.00% 参考値(※) 0.51% 0% 5% 10% 15% 20% 25% 30% 35% 40% 45% 50% 参考値(※): ⽇本消化器内視鏡学会の全国調査における偶発症発⽣率(2010年報告) 当院値の定義・算出方法 分⼦: ERCP後の偶発症の⽣じた患者数 分⺟: ERCP検査数 ×100 (%) ※グラフ中のN数は分⺟の値を⽰しています。 解説(コメント) ERCPは膵胆道疾患の診断だけでなく、胆管結⽯、胆管炎、胆管狭窄、膵⽯、膵管狭窄などの治療に低侵襲 で効果の⼤きな検査及び処置である。内視鏡⼿技の中でも、偶発症の頻度は⾼く、2010年に報告された⽇ 本消化器内視鏡学会の全国調査でも0.509%の偶発症を認めている。最も頻度の⾼いERCP後膵炎の発症頻 度の報告も0.4-5.6%と多く認められます。当院では緊急症例が多く、リスクのある患者さんに対する処置 も多いため、偶発症の軽減は患者さんのアウトカムに関与すると考えられ、より⼀層の軽減に取り組みたい と考える。 改善策について 幸いなことに重篤な偶発症は認めなかった。更なる⼿技の向上を図り、また偶発症の早期発⾒につとめる。 ⽂責:膵・胆道内科主任部⻑ 明⽯ 哲郎
© Copyright 2024 ExpyDoc