*グローバル投資環境 No.1436* ご参考資料 髙木証券投資情報部 前年同期比7.1%増。前四半期比減速も、5四半期続 インドの4-6月GDP~ けて投資対象として考え得る国では最も高い伸び 2016年9月1日作成 *インド中央統計機構が8月31日に発表した2016年4-6月の 実質国内総生産(GDP)は前年同期比7.1%増となり、1-3月の 7.9%増から減速した。ちなみに、インドの会計年度は4月ス タートであるため、4-6月は新しい会計年度の最初の四半期と いうことになる。 《実質GDP》 民間消費支出 政府消費支出 総固定資本形成 輸出 輸入 GDP *ちなみに、中国の4-6月のGDPは6.7%増であったため、イン ドの成長率はこれを上回り、これで5四半期連続で中国を上回 る成長を達成した。また、4-6月のGDPの伸びがインドに次いで 《産業別実質GVA》 高いのは中国ではなく、7%成長を達成したフィリピンだが(なお、 フィリピンの成長率が中国を上回るのも2四半期連続)、いずれ 農林水産業 鉱業・採石業 にせよ、4-6月の成長率は前述の通り1-3月を下回ったものの、 製造業 インドは5四半期続けて我々が投資対象として想定する主要な 電気ガス水道 建設業 国の中では最も高い成長率を記録していることになる。 貿易・ホテル・輸送・通信 FY2015 FY2016 4-6月 7-9月 10-12月 1-3月 4-6月 6.9% 6.3% 8.2% 8.3% 6.7% -0.2% 3.3% 3.0% 2.9% 18.8% 7.1% 9.7% 1.2% -1.9% -3.1% -5.7% -4.3% -8.9% -1.9% 3.2% -2.4% -0.6% -6.4% -1.6% -5.8% 7.5% 7.6% 7.2% 7.9% 7.1% FY2015 2.6% 2.0% -1.0% 8.5% 5.0% 7.1% 7.3% 9.2% 11.5% 4.0% 7.5% 5.6% 5.6% 0.8% 4.6% 10.0% 6.7% 9.2% 9.3% 11.9% 10.5% 5.9% 6.9% 7.2% 7.2% 7.3% 6.9% *4-6月の成長が伸び悩んだ要因としては、総固定資本形成 金融・保険・不動産・事業サービス 公的管理・防衛・その他サービス (投資)が1-3月の前年同期比1.9%減に対して3.1%減となり GVA 落ち込みが拡大したことが挙げられる。一方、民間消費支出 ▼政策金利及びインフレ率(%) (個人消費)は6.7%増加、1-3月の8.3%増を下回ったものの、 引き続き高い伸びを確保しているほか、政府支出は1-3月の 2.9%増から18.8%増に加速した。 *また、産業別のアプローチから算出される4-6月の実質粗付 加価値(GVA、インド準銀は経済のものさしとしてはGDPよりもこ ちらを重視、今年度のGVAを7.6%増と見込んでいる)は前年 同期比7.3%増となり、1-3月の7.4%増から小幅に鈍化した。 FY2016 4-6月 7-9月 10-12月 1-3月 4-6月 2.3% 1.8% 8.6% -0.4% 9.3% 9.1% 9.3% 9.4% 4.5% 1.5% 9.9% 8.1% 9.1% 9.4% 6.4% 12.3% 7.4% 7.3% 政策金利6.50% ↓ ↑インフレ率 (前年同 月比) 7月 +6.07% *ところで、先月3日には、これまで中央政府と各州政府がばら ▼SENSEX指数と10年国債利回り(%) ばらに課してきた間接税を一本化して、税体系の簡素化や税 10年国債利回り 収の安定をはかるための憲法の改正を可能にする法案(GST ↓(右軸) 法案)が、議会上院で可決された。GST法案は、5月11日に成 立した「倒産法」とともに、「モディノミクス」の象徴とされるもので あり、こうした改革の進展は、インドの中長期的な成長ポテン ↑SENSEX指数 シャルを高める方向に作用しよう。 (左軸) *また、インド政府は先月20日、退任するインド準備銀行のラ ジャン総裁の後任として、パテル副総裁を9月4日付けで昇格さ ▼為替(インドルピー) せることを発表した。ラジャン総裁は2013年9月に総裁に就任 ルピー/米ドル した直後から翌2014年1月にかけて断続的に75ベーシスの利 (右軸) ↓ 上げを行ったが、その後インフレの鎮静化を受けて金融緩和に 転じ、2015年1月から今年4月までの間に合わせて150ベーシ スの利下げを実施、その政策手腕に対する投資家の信認は厚 かったため、この人事によって、金融政策の連続性が保たれる とみられることは、インドに投資する際の安心感を高める要因に なる思われる。 (文責:勇崎 聡) 円/ルピー (左軸)↓ (出所:インド中央統計庁及びBloombergのデータより髙木証券作成) 《ご注意いただきたいこと》当資料は投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資の最終決定はご自身でなさるようお願い いたします。当資料は信頼できると思われる各種データに基づいて作成されていますが、その正確性・完全性を保証するものではありませ ん。株式、債券、投資信託等は、価格の変動や発行者の信用状況の悪化等により投資元本を割り込むおそれがあります。また、当資料の いかなる部分も一切の権利は髙木証券に帰属しており、電子的または機械的な方法を問わず、いかなる目的であれ、無断で複製または転 送等を行わないようお願いいたします。 当社で取り扱う商品等へのご投資には、当該商品等の契約締結前交付書面、上場有価証券等書面、目論見書、お客様向け資料等をよく お読みください。 商号等:髙木証券株式会社 金融商品取引業者 近畿財務局長(金商)第20号 【広告審査済】 加入協会:日本証券業協会 髙木証券インターネットホームページ:http://www.takagi-sec.co.jp/
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