2016年8月18日 世界的な低金利環境の中での高配当株の投資機会 主要国の金融緩和により世界的に長期金利が低下傾向。世界の投資適格債市場では投資機会の減少に直面。 先進国株式市場では、配当利回りの高い銘柄の比重が比較的高く、高配当株を通じた利回り追求の余地はある。 先進国株式市場の中でも、豪州株は相対的に配当利回りの水準が高く、高配当株としての特性が色濃い。 低金利環境の中、米国では高配当株ETFへの資金流入が拡大。海外投資家による豪州株への注目も高まる傾向。 主要国中銀の金融緩和が長期金利の低下を促す 2016年は主要国の中央銀行による金融緩和が広がり、 各国の長期金利の低下が一段と進行しています。 日銀や欧州中銀がマイナス金利政策と量的金融緩和を 図1:世界の投資適格債券の発行残高構成比 (最終利回り水準別) (最終利回り水準) 5%以上 1.5% 4%以上~5%未満 1.8% 継続する中、英国の欧州連合(EU)離脱問題を受けて 2016年8月には英中銀が2009年以来となる利下げに踏 み切りました。豪州とニュージーランドでは、インフレ率低 2016年7月末時点 世界の投資適格債残高 39.2兆米ドル(時価ベース) 3.7% 3%以上~4%未満 約8割 14.1% 2%以上~3%未満 下や自国通貨高に対応し、相次いで追加利下げが実施さ れたほか、主要国の中銀で唯一利上げに転換した米連邦 準備制度理事会(FRB)も、足元は国内外の景気動向を 1%以上~2%未満 28.2% 0%以上~1%未満 28.5% 見据えながらの慎重な利上げ姿勢を示しています。 22.2% マイナス金利 投資適格債市場は投資機会の減少に直面 0% 5% 10% 15% 20% 25% 30% (発行残高構成比、時価ベース) JPモルガンの集計によれば、2016年7月末時点の世界 (出所)JP Morgan Global Aggregate Bond Index(GABI) の投資適格債市場では、マイナス金利の債券が時価ベー (注)2016年7月末時点。投資適格級債券の対象は先進国国債、新興 国国債、米・欧・新興国社債、米モーゲージ担保証券、米政府機関債、 スの総発行残高の約2割に拡大し、最終利回りが2%未 満の債券が市場全体の約8割を占めています(図1)。 一方、世界の投資適格債で利回りが5%以上ある債券 は市場全体のわずか1.5%に留まるなど、世界の投資適 格債市場では安定した利回りを確保するための投資機会 の減少に直面しています。投資家が従来のような利回りを 得るには、リスクの高い投機的等級の債券や株式などに 投資対象を広げることが必要になる可能性があります。 先進国の高配当株を通じた利回り追求の機会 一方、先進国の株式市場では、近年の株価上昇によっ て配当利回りの低下が進みつつあるものの、2016年7月 末時点でも予想配当利回りが2%以上の銘柄が時価総 額の約6割を占めています(図2)。先進国の株式市場の 中で、安定した配当が期待される銘柄を選別することで、 高配当株を通じた利回り追求の機会は残されていると考 えられます(図2) 独ファンドブリーフ債。 図2:先進国株式の時価総額構成比 (2016年度の予想配当利回りの水準別) (予想配当利回り) 5%以上 8.8% 4%以上~5%未満 8.5% 約6割 19.6% 3%以上~4%未満 25.7% 2%以上~3%未満 17.4% 1%以上~2%未満 8.4% 0%超~1%未満 11.5% 無配 0% 5% 10% 15% 20% 25% 30% (時価総額構成比) (出所)MSCI World Index、ブルームバーグ、ファクトセット (注)2016年7月末時点。 ●当資料は、説明資料としてレッグ・メイソン・アセット・マネジメント株式会社(以下「当社」)が作成した資料です。●当資料は、当社が各種 データに基づいて作成したものですが、その情報の確実性、完結性を保証するものではありません。●当資料に記載された過去の成績は、 将来の成績を予測あるいは保証するものではありません。また記載されている見解、目標等は、将来の成果を保証するものではなく、また予 告なく変更されることがあります。●この書面及びここに記載された情報・商品に関する権利は当社に帰属します。したがって、当社の書面に よる同意なくして、その全部もしくは一部を複製し又その他の方法で配布することはご遠慮ください。●当資料は情報提供を目的としてのみ作 成されたもので、証券の売買の勧誘を目的としたものではありません。 1 図3:先進国株式の予想配当利回り(国・地域別) 配当利回り水準は国・地域によっても異なる また、先進国株式市場の中では、配当利回りの水準は 4.1 豪州 国・地域によって異なる傾向があります。2016年7月末時 3.6 欧州 点の先進国株式の予想配当利回りは、豪州が4.1%と高く、 次いで欧州(3.6%)、アジア(除く日本、3.5%)、カナダ 3.5 アジア(除く日本) (2.9%)、日本(2.3%)、米国(2.0%)の順となっています 2.9 カナダ (図3)。特に先進国の中でも相対的に配当利回りが高い 2.6 先進国平均 豪州では、予想配当利回りが4%以上の銘柄が時価総額 の5割強を占めており(MSCI指数ベース)、豪州株は高配 日本 当株としての特性が色濃いと言うことができます。 米国 米国では高配当株ETFへの資金流入が拡大 2.3 2.0 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 4.5 (%) 米国株式市場では、市場平均の配当利回りは相対的に (出所)MSCI World Index、ファクトセット 低いものの、足元では高配当株ETF(上場投資信託)への (注)2016年7月末時点。予想配当利回りは2016年度の市場予想。 図4:米国の高配当株ETFへの資金フロー 資金流入が拡大傾向にあります(図4)。 米国の高配当株ETFへの資金フローは2015年に流出に 転じたものの、英国の国民投票後の欧州市場の混乱や世 界的な長期金利の低下などを受けて、2016年は年初来 での高配当株ETFへの資金流入額が102.3億米ドルに拡 大しています(8月12日時点、図4)。 (10億米ドル) 18 16 14 12 2016年初来 +102.3億米ドル 資金流入 10 8 6 海外投資家の間でも豪州株への注目高まる また、高配当株への選好は海外市場発行の豪州株ETF 4 2 0 への資金流入の面でも顕在化しつつあります。海外市場 -2 で発行され豪州株ETFに対する資金フローは、2016年初 -4 09 来の資金流入額が+7.4億米ドルへ拡大しています(図5)。 特に海外市場発行の豪州株ETFへの資金流入は、英 11 12 13 14 16 (年) (10億米ドル) 1.6 1.2 収益拡大や配当成長が高配当株の評価のカギに 15 図5:海外市場発行の豪州株ETFへの資金フロー に集中していることから、英国のEU離脱問題を受けた不 目が高まっているとみられます。 10 (出所)ブルームバーグ (期間)2009年~2016年(8月12日時点) (注)配当に着目した投資戦略を採る米国株型ETF(米国上場)を集計。 国の国民投票実施後の2016年7~8月(+5.2億米ドル) 透明な金融環境の中、海外投資家の間で豪州株への注 資金流出 2016年初来 +7.4億米ドル 資金流入 0.8 世界的な低金利が長期化の様相を呈する中、安定した 利回りを求めた高配当株への需要は当面続くものと期待 されます。もっとも、高配当株への市場の評価が中長期 的に持続するには、今後、株価の上昇に企業収益拡大や 配当成長などのファンダメンタルズ改善を伴うことがカギを 握ると考えられます。 0.4 0.0 -0.4 資金流出 -0.8 09 10 11 12 13 14 15 16 (出所)ブルームバーグ (期間)2009年~2016年(8月12日時点) ●当資料は、説明資料としてレッグ・メイソン・アセット・マネジメント株式会社(以下「当社」)が作成した資料です。●当資料は、当社が各種 データに基づいて作成したものですが、その情報の確実性、完結性を保証するものではありません。●当資料に記載された過去の成績は、 将来の成績を予測あるいは保証するものではありません。また記載されている見解、目標等は、将来の成果を保証するものではなく、また予 告なく変更されることがあります。●この書面及びここに記載された情報・商品に関する権利は当社に帰属します。したがって、当社の書面に よる同意なくして、その全部もしくは一部を複製し又その他の方法で配布することはご遠慮ください。●当資料は情報提供を目的としてのみ作 成されたもので、証券の売買の勧誘を目的としたものではありません。 2 (年)
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