医療事故・訴訟等関連情報 月報【 2015年 11月 総数 14 件 】 サービス推進室 サービス推進室では、医療事故・訴訟等に関連する記事を、国内・海外の契約先へニュース配信を行っている会社からの有料配信 記事、全国紙・地方紙の紙面及びインターネット上の記事から毎日収集し、再構成した内容を「医療事故・訴訟等関連情報 月報*」 として掲載しています。医療事故等の結果(判決、示談・和解、調停、略式命令)だけでなく、判明、経過の記事も含めています。 区分 内 容 1 民事 示談 ・ 和解 2014年3月、A病院(佐賀県)で腹腔鏡による胆のう摘出術を受けた男性(80代)が、手術中に胆管の血管を損傷、出血多 量のため3日後に死亡した。病院は遺族らに謝罪、すでに約2690万円を支払うことで和解が成立している。 2 民事 示談 ・ 和解 2014年4月、A病院(佐賀県)で水頭症のシャント手術を受けた男性(80代)が、手術中に小腸を損傷、髄膜炎を発症し約1 年半入院が続いた。病院は男性に謝罪、すでに約1100万円をそれぞれ支払うことで和解が成立している。 判決 2008年9月にA病院で多発性肝細胞がんと診断を受け、翌月RFA(経皮的ラジオ波焼灼術)を受けた男性(60代)が、再発 のため入退院を繰り返し、09年7月に死亡した。遺族が「死亡したのは医師が治療法を誤ったため」などとして県に約6200 万円の損害賠償を求めていた訴訟で、15年10月、大分地裁は県に約1700万円の支払いを命じた。同地裁は「位置の特定 が困難だった腫瘍に対して行ったRFAが有効かつ適切なものであったか疑問。適切な検査や治療方法を選択・実施する注 意義務に違反した」と判示。さらに退院後の経過観察についても過失を認めた。 判明 三重県は13日に、特別養護老人ホーム「名張もみじ山荘」(三重県/社会福祉法人)の属託医が患者の死亡する以前に 日時欄を開けた死亡診断書を作成、自身は死亡確認を行っていなかったと発表した。2015年6月、県は内部告発を受けて 調査を進め、11月、医師法違反容疑で名張署に告発、同署は9日付で受理し捜査を開始している。同医師は2011年5月の 施設開設以来、一人で属託医を務めていた。患者が死亡した際には事前に作成された診断書に看護師が日時を記入して いたという。判明しているだけで19人の入所者の死亡について死亡確認を行わず診断書が作成されていた。施設側は違 法性を認識、7月に行政指導を受け改善がみられたため、行政処分は見送る方向だという。 判明 2015年11月、松本市立病院(長野県)で胃内視鏡検査を受けた男女5人(30~50代)に、胃蠕動運動抑制剤の「ミントオイ ル」ではなく誤って劇物「ホルマリン20%固定液」20mlが胃に直接投与された。看護師が使用後の「ホルマリン20%固定液」 を誤ってミントオイルを入れる冷蔵庫に戻し、別の看護師が同固定液を気付かずに持ち出して医師が投与した。投与後に 医師が異臭を感じ誤投与が判明した。病院は患者と家族に謝罪し、5名のうち3名は胃の炎症などのため入院治療をうけた が回復し退院。今後は経過観察を受けていくという。 民事 判決 2013年3月、右手第4指伸筋腱断裂のため三田市民病院(兵庫県)で修復手術を受けた男性(60代)が、誤って健康な第3 指の伸筋腱を切られ後遺障害が残った。「誤って健康な右中指を手術され後遺症を負った」として市と医師に約3200万円 の損害賠償を求めていた訴訟で、神戸地裁は19日、手術ミスによる後遺症と認め、市と医師に約1130万円の支払いを命じ た。病院側が後遺症の原因としてリウマチの影響などを主張していたのに対し、同地裁は「リウマチ症状がある他の指よ り、右中指の可動域は大きく制限されており、症状は手術によるものと考えられる」と判示した。 民事 示談 ・ 和解 急性散在性脳髄膜炎と診断され2013年11月から3回にわたり市立稚内病院(北海道)に入院をしていた女性が、14年1月 の検査で悪性リンパ腫が疑われ転院したが、転院先の病院で死亡した。市は「病気の把握と転院が遅れたことが死亡の原 因になっている」という両親の主張を認め、計約4600万円の賠償金を支払うことで和解が成立した。 判明 2015年11月、A病院(愛知県)で女性(70代)が、SPECT検査(血流量や代謝機能を測定する検査)を受けていた女性(70 代)が検査中に検査台から転落、機器の間に挟まれ窒息により死亡した。病院によると検査中は胸、腹、足の3か所を固定 していたが、女性が突然動いて台から転落し上半身を挟まれたという。病院は医療事故調査制度に基づき、院内に調査委 員会を設置するとしている。 3 4 民事 刑事 5 6 7 8 刑事 9 2015年8月、A病院(京都府)で人工呼吸器を装着し呼吸管理を受けていた男性(70代)が死亡した。人工呼吸器のアラー ムが鳴っていたが、同じ階にいた看護師3名全員はは仮眠中で気づかず別の階の看護師が気づいたという。26日、京都府 刑事 書類送検 警は業務上過失致死の疑いで院長(60代)と看護師長(40代)、看護師(30代)の3人を書類送検した。送検容疑は「午前3 時頃から3時40分頃までの間、装着していた人工呼吸器が正常に作動しない場合に鳴るアラームに気づかず、処置が遅 れ、低酸素脳症にで死亡された疑い」。 10 2014年10月、肝臓がんの疑いのため県立A病院(新潟県)でMRI、PET-CT検査を受けた男性(70代)が、主治医が検査結 果を確認しなかったため、約11カ月間肝臓がんの治療を受けられなかった。15年9月の定期検査で見落としが判明、病院 は説明し謝罪、男性は10月に肝臓がん切除術を受けた。同病院は事故原因について「検査部門が検査予約日を電子カル テ上に入力した後、その検査結果所見の確認予定日を主治医が入力することで確認漏れを予防していたが、検査部門と の連携ミスにより確認予定日が入力されず所見を確認する機会を逸した」とし、再発防止策として今後は全件について主治 医が検査予約日と検査結果所見確認予定日の入力を行うとしている。 判明 1 / 1 ページ
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