工学系研究科 KIMOTO 先端融合工学専攻 AKIRA 木本 晃 准教授 「マルチセンシング技術の開発と応用」 [キーワード] 単一センサ,積層型センサ,センシング,マルチイメージング 佐賀県,九州から発信!新しいセンサ・センシング技術 研究紹介 ◆研究概要 センサとは,自然現象をはじめとして様々な対象に関 する情報を人間や機械が扱いやすい信号に変換するモノ (素子,機器)と定義できます.現在,センサは日常生活 に欠くことのできない重要なモノであり,当研究室で は,新しいセンサやセンシングシステムを研究・開発 し,社会に貢献することを目指しています. ◆電気・超音波マルチイメージングシステムの開発 現在,X 線 CT を始めとする様々な画像化システムが 開発されており,さらに,これらの融合を図ることで対 象の検出能力を向上させるシステムの研究も進んでいま す.本研究では,対象の超音波画像と電気インピーダン ス画像を単一あるいは積層型センサを用いて,音と電気 特性の画像を同時に可視化する簡便なシステムの開発を 行っています.現在,1号機が完成し本システムの有用 性を検討しています.将来的には,小型化・高速化を図 り,乳がんの早期発見や果実の糖度選別などへの応用を 目指しています. ◆静電気・振動センサの開発と肌センシングへの応用 センサを物体に接触,離反させることで静電気や振動 が生じ,これらから誘導される電圧は,物体の材料や表 面状態などに影響を受けます.本研究では,センサと測 定物体との接触・離反により,静電気及び圧電効果から 誘導される電圧を検知することで対象の状態を測定する 積層型センサの開発を行っております.現在,ハンディ 型のセンサ(1号機:写真1)が完成し,肌の湿潤や柔ら かさに関する測定への応用や触感覚センサへの活用も検 討しています. 写真 1 ハンディタイプセンサによる肌測定 ◆光・電気・振動積層型センサの開発と筋活動解析 光特性,電気特性,振動特性を測定するセンサは,日 常生活において幅広く利用されています.それぞれのセ ンサを用いて,各々の特性を測定することは簡単です が,同一の場所で複数の特性を同時に測定する場合は, 単一のセンサによる測定が望ましいと言えます.本研究 では,複数のセンサを積層化することで同一の場所で, 同時に測定するセンサを開発し,本技術を応用した筋活 動解析を行っております.開発したセンサは,筋活動か ら得られる筋の活動電位,微細振動,酸素動態(酸素化, 脱酸素化ヘモグロビンの変化)を同時かつ簡便な形でセン シングすることを可能としました.現在は,ウエアラブ ル積層型センサの開発を行っており,将来的には運動中 にリアルタイムで筋活動の測定を行う予定です.また, 本技術を用いたウエアラブルバイタルセンシングやマル チイメージングへの応用も検討しています. 写真 2 積層型センサによる筋活動測定 掲載情報 2016 年8月現在 センサ開発企業様へ 一言アピール 本研究で開発したセンサ,センシング技術を用いて,これまでにはなかっ た活用方法について実用化を目指しています.佐賀県,九州から一緒に発 信していただける企業をお待ちしています. 産学・地域連携機構より 木本准教授のセンサ・センシング技術は,医療分野・ヘルスケア分野・農業分野・ 食品分野など多様な展開が期待できます.センサ技術を用いて,産業創出を目指す 方は,是非ご相談ください. 佐賀大学研究室訪問記 2016 佐賀大学 産学・地域連携機構 (佐賀県佐賀市本庄町1番地) (お問い合せ先) 国立大学法人 佐賀大学 学術研究協力部 社会連携課 TEL:0952-28-8416 E-mail:[email protected]
© Copyright 2024 ExpyDoc