芸術地域デザイン学部 IGAWA 芸術表現コース TAKESHI 井川 健 准教授 「漆工芸」 「木工芸」 「装飾によらない漆塗りのみ(髹漆)による造形表現」 [キーワード] 漆 ( 漆,工芸,木,乾漆,物づくり う る し ) - 艶 の あ る カ タ チ - 研究紹介 ◆研究概要 「艶やかな塗り面を生かしたシャープな印象を持つ造 形」を主として作品を制作しています.まだ見ぬ漆の表 情を思い描き,様々な創意工夫を試みています.その中 でも形を作る素材・技法の選定は重要で,木や乾漆はも ちろん,硬質発泡ウレタンなどの人工物,ヤシの葉柄な ども使用しています. 作品「波の間」の素材は,学内に生育するヤシの木が落 とした葉を活用したものです(写真右上).この作品のよ うに,塗りを表現しようとする時, 「どのような面を,ど う作るか.」を考えますが,実は「面」へ想いは「線」を 捉えることこそが重要となります.ヤシの葉柄という自 然の線を用いることによって,自らに無い形を造形に取 り込もうとしています. ◆作品の紹介 「 波 の 間 」 (素材 : 漆・ワシントンヤシの葉柄など) ◆物づくりを学び,そして表現の追求へ 幼少の頃から物づくりが好きだった私は,伝統産業を 支える職人への憧れから京都の芸術大学へ進みました. ところが同じ物づくりでも,独自の表現を追求すること に興味が深まりました.そのような環境の中で漆工芸と 出会い,漆を使った表現の道へと進むことになりました. 「 時 の 航 行 」 (素材:漆・硬質発泡ウレタンなど) ◆工芸の魅力.漆工芸の魅力 工芸分野は素材との関わりを大切にします.見方によ っては制約にも感じられますが,そこが面白さであり, 新たな表現を思考していく源です. 漆工芸の制作には,1日1工程の作業でおおよそ2ヶ 月もの月日を要します.漆の魅力は「幾層もの作業を積 み重ね磨き上げることで,視覚的に全く別の物に変化す る瞬間に出会えること」であると思います. 「 ◆求める人材 「物づくり」が好きな学生を待っています. 落 陽 」 (素材 : タモ・蘇芳染め拭き漆) 掲載情報 2016 年 10 月現在 物づくりが好きな中高生へ 一言アピール まずは漆や木の基礎知識(技術)を習得することを大切にしています.その 中で素材との「出会い」と「発見」があります.発見した「何か」を自らの 作品へと紡いでいける新しい才能を待っています. 産学・地域連携機構より 井川准教授は,平成24年12月に開催された第52回「日本クラフト展」において,2,186 点の公募作品の頂点となる,経済産業大臣賞・日本クラフト大賞を受賞しました. 「落陽」と名 づけられたその作品は,拭き漆が施されたしなやかな曲線美が特徴の大皿です(写真右下). 佐賀大学研究室訪問記 2016 佐賀大学 産学・地域連携機構 (佐賀県佐賀市本庄町1番地) (お問い合せ先) 国立大学法人 佐賀大学 学術研究協力部 社会連携課 TEL:0952-28-8416 E-mail:[email protected]
© Copyright 2024 ExpyDoc