数学 B 演習 第 3 回 2016 年 7 月 20 日 (水) 担当: 田中 冬彦1 問 1. I 以下の積分を計算しなさい. I 1 dz 1 dz (a) , (|a| 6= 1/6), (b) , 2 1 − az 2πi |z|=1 z − 5z + 6 2πi I |z|=6 I 1 dz e−z dz (c) , (d) , (0 < |a − b| < 2.) 2 |z|=5/2 z − 5z + 6 2πi |z−a|=2 (z − a)(z − b) 2πi 問 2 (部分分数展開を用いたローラン展開). 複素関数 f (z) = を考える. z2 z のローラン展開 − 3z + 2 (a) 1 < |z| < 2 で z = 0 のまわりで 1 1 , をローラン展開しなさい. z−1 z−2 (b) 1 < |z| < 2 で z = 0 のまわりで 1 をローラン展開しなさい. (ヒント:まず z 2 − 3z + 2 部分分数展開せよ.) (c) 1 < |z| < 2 で z = 0 のまわりで f (z) = z2 z をローラン展開しなさい. − 3z + 2 問 3 (ローラン展開と項別微分を利用するもの). 以下の複素関数 f を指示に従ってローラ ン展開しなさい. (a) f (z) = 1/z, z = −3 を中心として. (w = z − (−3) とおき |w| < 3 で展開してみよ.) (b) f (z) = 1/z 2 , z = −3 を中心として. ((a) の無限級数を項別微分してみよ.) (c) f (z) = 1 , z = −3 を中心として. + 3) z 2 (z 問 4 (初等関数のテイラー展開を用いたローラン展開). 領域 D = C \ {0} で定義されてい る以下の複素関数について考える. z = 0 のまわりでローラン展開しなさい. e2z − 1 (a) f (z) = z2 (b) f (z) = sin2 z (ヒント: sin2 z を cos 2z の形にする.) z2 (c) f (z) = (z 2 − 1)e1/z 問 5 (異なる円環上でのローラン展開). f (z) = 1 1 について以下の問に答えなさい. z−2 たなか ふゆひこ, 基礎工学部 J 棟 J612 号室, [email protected] 1 (a) 0 < |z| < 2 で z = 0 のまわりで f (z) をローラン展開しなさい. (b) 2 < |z| < ∞ で z = 0 のまわりで f (z) をローラン展開しなさい. (a) の結果と一致す るか. 問 6 (孤立特異点の分類). 以下の複素関数は z = 0 を孤立特異点にもつ. それぞれ, 極, 正則点, 真性特異点のいずれであるか調べなさい. (極は位数もつけて答えること.) また, z = 0 における留数を求めなさい. 1 sin z (a) (c) (z 2 − 1)e1/z , z 6= 0. , 0 < |z| < 1. (b) 2 , z 6= 0. 2 z(z + 1) z 問 7 (ローラン展開を経由しない極の位数の判定). 領域 D = C \{0, α}(α 6= 0 は複素数の定数.) において複素関数 f (z) = sin(z − α) z(z − α)3 を考える. ただし, 以下では ² は十分小さい正の定数とする. g(z) として g(z) を定義する. このと (z − α)2 き, g(z) は z = α を正則点にもつことを示せ. (ヒント: たとえば, z = α のまわりで 1/z = 1/α + ((z − α) のべき) などとかけることを利用せよ.) (a) z = α の近傍, 0 < |z − α| < ² で f (z) = (b) (a) の結果から, g(z) の 0 < |z − α| < ² でのローラン展開は g(z) = a0 + a1 (z − α) + a2 (z − α)2 + · · · のようにかける. このことを用いて z = α は f の 2 位の極であること を示せ. (ヒント: z → α での g の極限値から a0 6= 0 を示せ.) (c) z = α での留数を求めなさい. (ヒント: k 位の極を持つ時の留数公式を用いよ.) なお, h(w) = sin w について lim h(w) = 1, lim h0 (w) = 0 を用いてよい. w→0 w→0 w 問 8. 以下の複素積分を求めなさい. ただし, ² は十分小さい正の定数とする. また, 問 6, 7 の結果を用いてよい. I dz (z 2 − 1)e1/z (a) 2πi |z|=² I sin(z − 1) dz (b) 3 |z−1|=² z(z − 1) 2πi I z dz (c) (ヒント:被積分関数は z = 0 を 1 位の極として持つことを用いて |z|=² 1 − cos z 2πi よい.) URL: http://bayes.sigmath.es.osaka-u.ac.jp/ftanaka/T/305.html 2
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