演習11

複素関数論 第 11 回小テスト解答例
担当: 南
問. 複素関数 f (z) を
f (z) =
z2
1
−z
とする (第 10 回小テストと同じ関数である) とき、以下の問いに答えよ。ただし、積分経路は正の
向きにまわるものとする。
(1) f (z) の特異点をすべて挙げ、それぞれについて特異点の種類 (除去可能か、極か、真性特異
点か、また極の場合は位数も) を答えよ。
z=
0, 1; ともに 1 位の極。
(2) Res(0; f ) を計算せよ。
Res(0; f ) = lim
z→0
1
z
= lim
=
z 2 − z z→0 z − 1
−1
z−1
1
= lim =
2
z→1 z − z
z→1 z
1
(3) Res(1; f ) を計算せよ。
Res(1; f ) = lim
1
(4) C1 : |z| = とするとき、C1 と f (z) の特異点を複素平面上に
2
求めよ。
× で図示し、
∫
f (z) dz を
C1
C1 の内部にある特異点は z = 0 だけなので、留数定理より
∫
f (z) dz = 2πi Res(0; f ) =
C1
−2πi
図は下の通り。
∫
(5) C2 : |z| = 2 とするとき、C2 と f (z) の特異点を複素平面上に
× で図示し、
f (z) dz を求
C2
めよ。図は (4) のものに重ねてもよいが、C1 と C2 をはっきり区別すること。
C2
C1
1
2
C2 の内部に z = 0, 1 の 2 つの特異点があるので、留数定理より
∫
f (z) dz = 2πi[Res(0; f ) + Res(1; f )] =
0
C2
図は左の通り。
注意点
• ローラン展開するとき、c−1 は展開係数なので z は入らない。つまり、留数の値に z は入ら
ないことに注意。