動物性脂肪を多く摂るフランス人になぜ心臓疾患は少ないのか?

報道関係者各位 プレスリリース 2015 年 8 月 7 日 会社名:株式会社バイオマーカーサイエンス 代表者名:代表取締役社長 内田 景博 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 動物性脂肪を多く摂るフランス人になぜ心臓疾患は少ないのか? 糖尿病から糖尿病性腎症への移行を抑えるレスベラトロールの効果と バイオマーカーの有用性に関する学会発表のお知らせ −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 株式会社バイオマーカーサイエンス (本社:京都市、代表取締役社長:内田景博、以下、
当社)とメルシャン株式会社(本社:東京都中野区、代表取締役社長・CEO:横山 清、以
下 メルシャン)は、8 月 7 日(金)に開催される第 9 回日本ポリフェノール学会学術大会
にて、糖尿病性腎症の予防法としてのポリフェノールの有効性に関する発表を行います。 世界的にも患者数が増加傾向にある糖尿病の恐怖は合併症にあり、主なものとしては腎
症、網膜症、神経障害があります。その中でも、糖尿病性腎症は自覚症状がなく、尿検査
で異常が認められたときは既に発症しているケースがほとんどで、その多くはやがて人工
透析を余儀なくされるという負担の大きな病です。 また、年々増加傾向にある人工透析の医療費は年間一兆三千億円に及び、国民の健康に
加えて、国民医療費の増加という面からも糖尿病性腎症の予防は重要な課題であると言え、
糖尿病から糖尿病性腎症へ移行するリスクの増大をいち早く察知する血液検査と、移行自
体を抑制する食品素材の必要性が高まっています。そのような環境の中、新たな食品素材
の開発への糸口をつかむため、この度メルシャンは、当社のプロテオミクス(タンパク質
解析)によるバイオマーカー技術でのモデル動物試験を行いました。 【 1 】 仮 説 : 強 い 抗 酸 化 作 用 を 有 す る レ ス ベ ラ ト ロ ー ル が 、 糖 尿 病 か ら 糖 尿 病 性 腎 症 へ の 移 行 を 防 ぐ 肉や動物性脂肪を多く摂取するにもかかわらず、フランス人は心疾患に罹るリスクが低い
とされる、いわゆる“フレンチ・パラドックス”。その理由は、フランス人が赤ワインを
多く飲むことから、赤ワインに含まれる成分<レスベラトロール>が作用しているのでは、
と考えられる。その考察に基づき、メルシャンの研究チームは「強い抗酸化作用を有する
レスベラトロールが、糖尿病から糖尿病性腎症への移行を防ぐのではないか」との仮説を
立案。 【 2 】 結 果 : レ ス ベ ラ ト ロ ー ル は 有 望 動物試験の結果、当社のリスクマーカーが糖尿病性腎症への移行のリスクを反映すること
を確認。かつ、レスベラトロールが糖尿病から糖尿病性腎症への移行を予防する作用を発
揮する可能性が強く示唆された。(なお、この動物試験では、血中クレアチニンと尿タンパ
クの測定のほか、当社が開発した糖尿病性腎症発症のリスクマーカーの測定を実施。) なお、当社はこれまで、プロテオミクスによる糖尿病性腎症の発症リスクマーカーに関
して、8 種類のマーカーを発見し特許出願・特許査定済み(2015 年 6 月 24 日)ですが、あ
らためてこれらのマーカーが機能性素材の評価に役立つことが実証されました。また今後
は、リスクマーカーの検査を生かした予防医療を推進すると共に、疾患予防または疾患の
発症を遅らせる食品や機能性素材を数多く見出すべく研究開発にも邁進いたします。 第 9 回 日 本 ポ リ フ ェ ノ ー ル 学 会 学 術 大 会 発 表 の 概 要 演題:レスベラトロールの糖尿病性腎症の予防効果 演者および所属(○は発表者)
:○矢内隆章,高田良二(以上、メルシャン)、向井準,
大木誠,内田景博(以上、バイオマーカーサイエンス) <発表要旨(当社による要約)> 目的:糖尿病性腎症の初期のモデルを用いて、赤ワインに含まれ抗酸化能を有する レ
スベラトロール(RES)の腎機能改善効果を検討。 方法:過食による Ⅱ 型糖尿病を発症し、加齢により通常 14 週齢前後から糖尿病性腎
症を発症する db/db マウスおよび対照の db/m マウスに対して、RES (20 mg/kg/day p.o)を 6 週齢から 4 週間、強制経口投与した。陽性対照としてス
タチン系薬剤メバロチン酸ナトリウム塩(10 mg/kg/day p.o)を投与した。指標
として尿タンパク質濃度、血中クレアチニン濃度および SELDI-TOF MS による
血漿中の糖尿病性腎症発症リスクマーカーの測定を実施。 成績:スタチン投与群および RES 投与群で投与 2 週後に尿タンパク濃度の減少傾向
を認め、RES 投与群で投与 4 週後に血中クレアチニン濃度の減少傾向を認め
た。 RES は、7 個の糖尿病性腎症発症リスクマーカーのうち、リスク増大に
伴って減少する 2 個のマーカーの減少を有意に抑制。 結論:生化学的指標および発症リスクマーカーの測定結果から、RES は糖尿病性の腎
障害に対する比較的穏やかな予防効果を有することが示唆された。 <関連リンク> 株式会社バイオマーカーサイエンス:http://www.biomarker.co.jp/ メルシャン株式会社:http://www.kirin.co.jp/company/about/mercian/ 【本件に関するお問い合わせ先】 株式会社バイオマーカーサイエンス
京都府京都市左京区田中門前町103-5京都パストゥール研究所ビル4F
TEL:075-708-128(平日 10 時〜18 時) e-mail: [email protected] 担当:大木