中国:石炭業界 生産能力削減の進捗と問題点

中国:石炭業界 生産能力削減の進捗と問題点
2016 年 7 月 28 日掲載
6 月 22 日付けの地元報道によると、現在、政府主導の下、各政策が発表及び実施されるにつれて、石炭
業界は生産能力削減の全面的な実施時期へ移行し、
特に 276 日の生産制限は上半期に大きな効果を上げた。
データによると、5 月、全国の原炭生産量は 2 億 6,375 万トン(前年度同月比 15.5%減)。1~5 月、全国の原
炭生産量は累計 13 億 4,386 万トン(前年度同期比 8.4%減)。
上半期、中央から地方まで部委員会が政策(生産能力の停止、人員の再配置、債務処理)を発表したが、い
ずれも具体的かつ大規模に実施する段階まで細分化されておらず、政策は依然として細分化の余地を残し
ている。
資金面では、中央政府から 1,000 億元が支給される過程にて、如何に生産能力の削減の実際の効果や不
正受給の根絶を管理・監督するかが重要であり、具体的な管理細則が必要である。
政府の「生産能力の撤退だけでなく、できる限り再編し、破産を減らす」
、
「大量の職員の職を失わせな
い」との表明は、生産能力削減の難易度を示している。制度的、体制的な原因を見直し、行政体制の改革、
国有企業の改革、社会保障制度の改革、価格改革、金融及び財税改革等多岐にわたる措置を推進して初め
て、根本から過剰な生産能力の危機が解消できる。
現状では、石炭の川下業界はみな受け身の立場にあり、火力発電所は環境保護の圧力、鉄鋼、セメント
業界は過剰な生産能力の削減対象。石炭業界の「スリム化」への道は始まったばかりであり、3~5 年にて、
石炭、コークス、鉄鋼業界が健全な発展への道を歩むことが期待される。
(石炭開発部 辻
誠)
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