別紙様式2 平成27年度学術研究推進経費による研究成果概要報 告 書 プロジェクトの名称 発達性読み書き障害児の仮名音読流暢性を促進する規定因の検討 (研究題目・重点設備名 ) ☑若手教員研究支援 □研究推進重点設備 □研究推進設備修繕 経費の種類 ※ 該 当 す る も の に レ を記入してください。 研 究 期 間 報告者(代表者) 氏名・所属・職名 平成27年 蔦森 4月 ~ 平成28年 3月 英史・旭川校・講師 プロジェクト担当者 成 果 の 概 要 小学生を対象にした読み書きの調査では通常学級の中で知的に問題はないにもかかわらず, 約8%の児童が読みまたは書きに困難を呈することが報告されている。早期に介入することで, 読み書きの困難を軽減することが求められている。現在ひらがな, カタカナの1モーラ表記文字 を正確に読むための訓練は開発されてきたが, 単語や文章などを流暢に読むための訓練は開発 されていなかった。さらには流暢性を阻害する背景要因についても十分明らかにはなっていな い。本研究では,背景要因の一つとして視覚的注意スパン障害仮説を検証した。視覚的注意スパ ンとは瞬間呈示(200ms)される文字列のうち報告可能だった文字数で測定される。これまでの研 究では, 視覚的注意スパンは窓の例えが用いられており, 読み書き困難な児童においてはこの 窓が狭い可能性が示唆されていた。しかしながら, 本研究の結果から, 視覚的処理の困難さは 窓に例えられる視覚的注意の狭さではなく, むしろ一文字を詳細に同定していくための注意を 焦点化することが困難で, その結果注意が拡散し, 隣接した文字から干渉を受けることで, 文 字を正確に同定することが困難になることが示された。今後視覚的注意スパンに困難を呈する 児童に対しては, スパンを広げる訓練ではなく文字の間隔を広くとり, 1文字ずつの同定を行い やすくすることが, 流暢な音読につながる可能性が考えられる。現在英語論文を執筆しており, 共同研究者から同意を得ることができれば投稿することが可能な段階にある。 成 果 の 公 表 の 状 況 教育現場で活用可能な分野等 本研究は読み書き困難の背景要因を探る認知心理学的研究であるが, 背景要因を推定すること ができたため, 今後は介入研究を行い, 効果的な支援法を開発していくことにつながるのでは ないかと思われる。 配付可能な 資料の有無 ダウンロード 可能な ドキュメント 問い合わせ先 責任者:蔦森 英史・旭川校・講師 電 話: FAX : mail :[email protected]
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