報告書 - 国立大学法人 北海道教育大学

別紙様式1
平成27年度学術研究推進経費 共同研究推進経費
プロジェクトの名称
北海道地域の学習素材を取り入れた「伝統的な言語文化」に親しむ授業開発
報告者氏名・所属・職名
プロジェクト担当者
(氏名・所属・職)
研究成果概要報 告 書
佐野
佐野
菊野
雲岡
太田
中村
程野
渥美
比呂己
・ 釧路校 ・教授
比呂己・釧路校・教授
雅之・ 釧路校・ 講師
梓・ 釧路校・ 講師
諭・ 附属釧路中学校・ 教諭
純平・ 附属釧路中学校・ 教諭
純貴・ 附属釧路小学校・ 教諭
清孝・ 釧路市立芦野小学校・ 教諭
研究内容及び成果の概要
学習指導要領国語科において、我が国の言語文化を享受し継承・発展させるため生涯にわたって伝統的な言
語文化に親しむ態度を育成する指導が重視されている。本プロジェクトは大学と附属学校、公立学校が連携・
協力して、北海道地域の学習素材を収集し、素材の教材化、さらに授業開発を行おうとするものである。
「伝統的な言語文化」については重要視されているにもかかわらず、学習者の興味・関心を喚起できず、実
践現場では苦労している領域である。身近な地域素材を扱うことによって、克服しようとする試みである。
素材収集のため、北海道地域の近世文学を研究し、森田雅也氏(関西学院大学教授)から専門的知見を得る
ことができ、多くの資料を紹介していただいた。プロジェクト担当の一員である雲岡梓を中心に各地に赴き、
資料を収集した。これにより、井原西鶴の浮世草子の中に蝦夷地、及び松前藩を舞台とする話があることや、
実際に蝦夷地に渡ってその景観を詠んだ卜純という連歌師が存在したことなど、北海道地域に深い関係を有す
る文学者の存在が明らかになった。これらは「伝統的な言語文化」の教材とするに適した素材である。
加えて、森田氏から得た知見について附属学校教員、公立学校教員を共有し、その可能性について検討し、
実際の授業について構想することができた。
当該研究で残された課題と今後の展望
【課題】
・資料の収集・整理に止まり、資料の教材化、及びテキストの作成までには至らなかった。
・テキスト活用のための指導資料を作成する必要があるだろう。
【今後の展望】
・地域に根ざした教材開発の研究は、国語科教育領域の学会に刺激を与えるものとなる。
・テキストは学士課程における小学校国語科教育法、初等国語、中学校国語科教育法、高等学校国語科教育法
のテキストとして活用し、研究の成果を本学学生にも還元できる。
・北海道外の小・中学校及び高等学校へその成果を紹介することによって、地元の「伝統的な言語文化」教材
との相対化を図ることができる。
成果の公表の状況
【学術論文】・雲岡梓「古典教材としての『桃太郎』―古典学習導入時期の教材としての可能性―」『国語論
集13』平成28年 30―39頁
教育現場で活用可能な分野等
国語科において、北海道地域の学習素材を取り入れた「伝統的な言語文化」分野の資料の提供が可能である。
また、実際に授業を行う際の助言も可能である。
配布又はダウンロ 研究資料コピー等
ード可能な資料
問い合わせ先
代表者:佐野比呂己
電 話:
FAX :
mail :[email protected]