cuspEB

磁気モーメントを用いた
磁力線再結合域の推定
○奥 朋之[1]、渡部重十[1]
向井利典[2]、松岡彩子[2]
福西 浩[3] 、笠原禎也[4]
[1]北大・惑星大気、[2]宇宙研、
[3]東北大、[4]京都大
カスプ領域での粒子変動
左図・・・Cowley[1982]が考案し、
Smith and Rogers[1992]が観
測したD型分配関数。
• Magnetosheathのマクスウェル
分布が磁力線方向にVHT速
度で加速されている。
• この分布の特徴 ( f0 、 VHT速
度、温度、距離 ) は電離圏で
観測されたLEPデータ(ピッチ
角、速度、分布関数 ) から推
定可能か?
位相空間上での速度変化
ノーズ近傍で同じ θ ' の角を
持っていたイオンA’,B’は
磁気モーメントの保存
B'
V '2
sin 2 θ '


2
B
sin 2 θ
V
と、エネルギーの保存
V//  V  V// '2 V '2
より、電離圏で θと  
2
V//  V cos θ ,V  V sin θ
添字なし : 観測された諸量
添字':ノーズ近傍での諸量
2
のピッチ角で観測される。
B'
→
を与えて θ ' を仮定
B
温度、VHT速度、距離の推定
VHT速度だけシフトしたシース起源のマクスウェル分布
m

f  f 0 exp 
 2kT
v
 v HT   v
2
//
2




↓
を持っていたA、Bを代入すると、
↓
同じピッチ角
m
v A  vB
m v A  vB  cos θ '
T 
vd
2k log f A  log f B
k log f A  log f B
2
T'
2
T '、 C の値から最小2乗法で温度、VHT速度を推定。
C
結果・・・90年1月21日20時 10Re
結果・・・90年1月22日00時 10Re
結果・・・90年1月27日23時 10Re
考察および結論
 IMFが北向きの場合
 2種類のイオン(P,R)はVHT速度が異なる
→北向きのイオンの進入経路の違い
 IMFが南向きの場合
 VHT速度の異なる粒子(赤道側、極側)の進入
→南向きはMultiple injection?
 速い粒子(赤道側)は12Re以上でvarianceが最小
→ノーズ近傍での加速の証明
 遅い粒子(極側)はvarianceが2.3~4.2Reで最小
→磁気圏極域での加速?
まとめ
• 電離圏で観測されるLEPデータのピッチ角、速度、分布
関数から、エネルギー保存、磁気モーメントの保存を仮
定、最小二乗法を用いて磁力線再結合域と、その際の温
度、VHT速度を推定した。
• 結果、南向き、北向きともに、VHT速度の大きく違う粒子
があけぼの衛星に観測されていたことになり、multipleな
injectionが疑われる。
• 温度は、非常に誤差が大きく求まらなかったが、VHT速度
に関しては、誤差も小さく、南向きの場合、遅い粒子で約
300-500km/s、速い粒子で約500-1000km/sとなった。
• また、加速領域は南向きの速い粒子は従来の理論通り、
磁気圏境界面のノーズ近傍と考えられるが、速度の遅い
粒子は磁気圏極域で加速されていることが疑われる。