2013年 4月24日 第3章 人事制度 E班 伊藤・武井・山田・宇野澤・佐川 1 1、職能資格制度 資格制度とは? ●資格 ①職能資格 ・・・企業横断的職業能力 ②企業内資格・・・社内従業員の相対的位置関係 ●資格制度: =従業員を一定の基準に従って階層化する仕組み ・93.4%の企業で導入 ・正規従業員全員に適用 2 資格制度の変遷 ●明治~第二次大戦終了 身分資格制度 ●第二次大戦から1950年代 身分制廃止 → 年功的資格制度 ●高度成長期 若年労働力不足 →年功的資格制度が人件費高騰をもたらす →能力主義管理≒職能資格制度 3 職能資格制度の役割 職能資格制度の役割 = 能力開発 職能要件(下位の資格は必要滞留年数も条件に含む) ↓ ↓ 要件の充足 ← 人事考課 ↓ (職務遂行能力向上の確認) 昇格・昇給 4 役職, 資格, 賃金の関係 Q. 役職と資格はどのような関係にあるのか. A. 従業員の職能要件と役職はおおむね対応している. 詳細はp69図3-2参照. Q. 賃金は役職で決まるか, 資格で決まるか. A. 多くの企業は職能給により基本給を決定. ※職務給と職能給の違い 職務給…仕事の価値を重視 職能給…従業員の職務遂行能力(資格)を重視 5 役職, 資格, 賃金の関係 Q. なぜ賃金は職務ではなく資格に対して支払われる のか. A. 企業はフロー(流れ)ではなくストック(蓄積)された 職務遂行能力に対して賃金を支払うから. ※日本の雇用制度について 職能資格制度を基本とした ストック型雇用制度と呼ぶことができる. 6 「育成の論理」と「選抜の論理」 ■企業が持つ二つの論理について 育成の論理…OJTやOff-JTなどの職能要件を満たし た者や、資格要件を満たした者を昇格させる. 選抜の論理…人件費コストの増大やインセンティブ低 下を防ぐため「昇格」という資源の供給を調整しよう とする. ※結果, 起こること …昇格にインセンティブを与えつつも, 昇格者をなる べく厳選しようとする矛盾に直面. 7 職能資格制度とジョブ・グレイドの違い 職能資格制度 ジョブ・グレイド ・雇用されることに重き(=就 社) 雇用意識 ・明確な職務契約意識(=就 職) ・人に仕事を適正割当 特徴 ・仕事に人を適正配置 ・人によって仕事の範囲・内容を 変える。弾力的。融通性に富む が、範囲・内容が不明確。 職務範囲・内容 ・職能給。職務が変わらなくても、 職務能力が変われば処遇も変 わる。 賃金処遇 ・職務給。職務が変わらなけれ ば原則として処遇は変わらな い。 ・企業への帰属意識 労働者意識 ・職務意識 ・仕事の範囲・内容は明確だ が硬直的 8 職能資格制度の問題点と解決策 問題点 解決策 資格制度の運用が 年功的に傾く 各資格の必用滞留年数を 廃止する 上位等級の者が多 くなり、ポスト不足 になる 職能要件を具体化し、昇 格基準を明確化する 社外からの人材に 対し、魅力的な労働 条件を提示できない 職務給を導入し、企業内 の労働市場を「分割」する 9 2、人事考課制度 人事考課とは? ⇒『従業員を評価し、諸決定に役立てること』 ★これには、主に2つ役割がある ①・・・能力や仕事ぶりを評価して、その人にフィード バックすること(育成の論理) ②・・・昇給・昇格に差をつけること(選抜の論理) 10 人事考課の評価の基準 ①「能力評価」・・・持っている「能力」を評価。 ⇒年1回行われ、それが昇進・昇給に反映される ②「情意評価」・・・「勤務態度」などを評価。 ③「業績評価」・・・実際の「数字・成果」を評価。 ⇒この2つは年2回の賞与(ボーナス)に反映される 11 評価の方法 評価者 : ライン管理職 (課長クラス以上) 普段接している直属上司が望ましいため 問題点 : ①評価者の個々の考え方による評価の偏り ②判断を誤った時の是正が不可能 改善策 : 複数の考課主体による「分業」を行う 一次評価 : 直属上司による 絶対評価 (業績評価は 相対評価) 二次評価 : 部門長による 相対評価 最終調整 : 人事部門による 相対評価 (育成の論理) (選抜の論理) 12 人事考課表 例 参考: 平成20年 総務省・人事院 より 13 目標管理制度 評価期間の初めに部下と上司の間で、業務目標を設定し、 評価期間の終わりに目標の達成度により業績を評価する制度 問題点 : 意図的に低い目標を設定してしまう 解決策 : 高い資格の人ほど難しい目標を設定する 評価者もこれまで以上に部下の業績や仕事能力を 把握する 14 職能資格制度と人事考課 人事部門が人事考課に関与するのは ①評価の母集団が企業全体で設定されているため ②部門を超えたコミュニケーションを要するため 全社一律の職能要件を前提にしている 環境変化が急速なほど、人事考課の調整権限は分権 化していくことが予想 15 新しい評価制度 多面評価制度 (360度評価) 従業員の評価を、直属上司だけでなく、 同僚や部下、または社外の取引先など、多方面から行うこと 問題点 : 必ずしも評価能力の高いものが評価を行うわけではない → 評価される従業員のモチベーション低下に 一方、多面評価成果には適材適所の実現と能力開発の側面もある 多面評価により、本人にも上司にも新たな「気づき」を与えて能力開 発に結びつけるのが重要な目的でもある 問題点 : 評価時期には本業に集中できなくなる人が多くなる 評価をどのように能力開発に結び付けるか明確でない 16
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