1 平成 28 年 6 月 27 日 お客様各位 朝日ライフ アセットマネジメント株式

平成 28 年 6 月 27 日
お客様各位
朝日ライフ アセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第 301 号
加入協会:一般社団法人投資信託協会/一般社団法人日本投資顧問業協会
英国の EU 離脱の影響と今後の市場見通しにつきまして
拝啓 時下ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。
社業につきましては、平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、2016年6月23日に英国で実施された国民投票においてEU(欧州連合)からの離脱支持派が多数を
占めた結果に関しまして、現時点の弊社の市場見通しを下記のとおりご報告申し上げます。
今後ともお客様の負託にお応えできますよう努力して参る所存でございます。
何卒宜しくお願い申し上げます。
敬具
記
1.英国のEU離脱について
2016 年 6 月 23 日、英国の EU 離脱の是非を問う国民投票において、離脱派が過半数を占める結果と
なりました。
英国は、早ければ 6 月 28~29 日にかけて行われる EU 首脳会議で EU 脱退を表明し、その後は、リス
ボン条約第 50 条(当条約では、「脱退の通知から2年が経過した場合、すべての条約は当該国に対する
効力を失う」と定められている)に沿って脱退手続きを進めていくことになります。脱退表明後、EUとの間
で新たな経済・貿易協定を締結するための協議を進めていくことになりますが、EU側は他国にEU離脱
の動きが広がらないようにするため英国に対して厳しい姿勢で交渉に挑むとみられ、これまで英国が EU
に加盟した様々な恩恵を失うことになるでしょう。また、英国は EU 以外で FTA(自由貿易協定)を結んで
いる国・地域に対しても新たに協定を締結していく必要があり、英国政府はこうした協議に時間を割かれ
ることになります。加えて、今回の国民投票において残留派が過半数を上回ったスコットランドや北アイル
ランドでは、英国からの独立を目指す動きが強まり、英国分裂リスクへの懸念も高まるとみています。
この結果、英国の EU 離脱は、英国経済に EU を中心とした対外貿易や資本取引の減少を通じて長期
的にマイナスの影響を及ぼす上、当面は英国のみならず他の国・地域経済の成長を押し下げる要因にな
ると考えます。
2.今後の市場見通し
想定外のことでパニックが生じた 2008 年のリーマンショック時とは異なり、各国政府や中央銀行は事前
に英国の EU 離脱に備えた対応策を準備する時間があったことや、国内では日銀による追加金融緩和や
大規模な景気対策が期待できることなどから、リスク回避の動きが一段と強まる可能性は低いと考えます。
但し、①金融市場のボラティリティが急速に上昇した場合、その後しばらくポジション調整を中心としたボ
ラタイルな展開が続くケースが多いこと、②EU加盟国のEU離脱は過去に例がないため、今後英国とEU
間でどのような手続きが進められ、新たにどのような協定が結ばれていくのかが不透明であり、こうした状
態が長期化する可能性が高いこと、③英国の EU 離脱は英国のみならず他の国・地域経済の成長を押し
本資料は朝日ライフアセットマネジメント(以下、当社といいます)が、投資環境に関する参考情報の提供を目的として作成し
たもので、投資勧誘を目的としたものではありません。本資料は、当社が、信頼できると判断した情報に基づき作成しておりま
すが、その正確性、完全性を保証するものではありません。資料中に記載された数値、コメントは、将来の運用成果を保証する
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ものではありません。また、これらの数値等は作成日時点での判断であり、将来予告なく変わることがあります。
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下げることなどから、金融市場が落ち着くにはしばらく時間を要するとみています。
≪国内債券≫
7 月 29 日の日銀政策決定会合に向けて利下げおよび国債買入増額への期待が高まる中、利回りのマ
イナス幅が拡大した中期・長期ゾーンからプラス利回りの超長期ゾーンへの資金移動と、短期的なディー
リング目的の資金の超長期ゾーンへの流入により、イールドカーブはブルフラット化すると見込む。
(今後 3 ヶ月見通し:10 年国債利回り ▲0.35~▲0.10%)
≪国内株式≫
英国の EU 離脱問題が顕在化したことを受けた円高圧力により企業業績の下方修正リスクが高まること
から、今後 1 カ月はボラティリティが高く下値不安の残る展開を予想する。各国中銀の流動性供給などの
市場安定化策が講じられ反発する局面も想定されるが、反発の値幅は限定的となろう。
今後 3 カ月については、①日銀・ECB(欧州中央銀行)の追加緩和の可能性が高まること、②FRB の年
内追加利上げの可能性が大幅に後退し、場合によっては金融緩和の可能性も生じてくることなどから、相
場は次第に安定するものの、日本単独での為替介入や事前に想定されている程度の日銀の追加緩和で
は大幅に進んだ円高からの円安反転は見込みがたいことから、安値圏で推移する展開を想定する。
(今後 3 ヶ月見通し:日経平均 13,000~16,200 円
TOPIX 1,050~1,300 ポイント)
≪外貨建債券≫
英国の EU 離脱に関する国民投票で離脱派が勝利したことを受け、FRB(米連邦準備理事会)の 9 月
利上げの可能性はほぼないと考える。12 月については不透明ではあるが、市場の利上げ織り込みは進
まず、米国長期金利は低下しやすい展開となろう。英国国民投票の結果を受け、米国同様、ユーロ圏長
期金利も低下しやすい展開を予想する。
(今後 3 ヶ月見通し:米 10 年国債利回り 1.35~1.75%)
≪外貨建株式≫
米国株式は、英国の EU 離脱問題が顕在化したことを受けてボラティリティが高く下値不安の残る展開
が想定されるものの、①米国企業の売上の 2/3 が堅調な米国国内からもたらされていること、②海外経済
の不透明感の高まりによって年内追加利上げの可能性が大幅に低下し、ドル高のリスクが高まらないこと
も企業業績面でのプラス要因となることから年初来安値の更新は避けられると想定する。ただし、各国中
銀の流動性供給などの市場安定化策が講じられ反発する局面でも、反発の値幅は限定的となろう。
今後 3 カ月については、①日銀・ECB の追加緩和の可能性が高まること、②FRB の年内追加利上げの
可能性が大幅に後退し、場合によっては金融緩和の可能性も生じてくること、③米国企業の企業業績に
大幅な下方修正は生じがたいことなどから、相場は次第に安定し緩やかに値を戻す展開を想定する。
(今後 3 ヶ月見通し:NYダウ 15,750~18,000 ドル
S&P500 1,850~2,100 ポイント)
≪外国為替≫
ドル円は、FRB の年内利上げの可能性が大きく後退する一方、日銀は 7 月に追加金融緩和を行う可能
性が高いことや本邦通貨当局による介入警戒感が高まっていることなどから、100 円近傍で揉み合う展開
を予想する。
(今後 3 ヶ月見通し:ドル円 95~107.50 円)
以 上
本資料は朝日ライフアセットマネジメント(以下、当社といいます)が、投資環境に関する参考情報の提供を目的として作成し
たもので、投資勧誘を目的としたものではありません。本資料は、当社が、信頼できると判断した情報に基づき作成しておりま
すが、その正確性、完全性を保証するものではありません。資料中に記載された数値、コメントは、将来の運用成果を保証する
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ものではありません。また、これらの数値等は作成日時点での判断であり、将来予告なく変わることがあります。
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