グローバル市場見通し(2016年6月)

シュローダー
グローバル市場⾒通し
マルチアセット運⽤チームによる各⾦融市場の⽉次⾒通し
(2016 年 6 ⽉末作成)
株
式
資産クラス
国
分類
債
投資適格社債
⾒通し
戦
ハイイールド社債
略
英国の EU 離脱にからみ、株式市場の売りが加速したことを受け、中期的に株式市
場全般に対して中⽴の⾒通しを維持しています。株式市場を取り巻く環境が厳しい
株式
全般
状況にあることから、株価の上値余地は限られていると判断しています。国・地域別
では、欧州銀⾏セクターの収益圧迫への懸念などを背景に、欧州株式に⽐べてディフ
ェンシブな特性を持つ⽶国株式を選好しています。
⾜元割⾼感があるものの、⽶国株式市場に対してやや強気の⾒通しを維持していま
⽶国
す。⽶国の労働市場の需給がひっ迫した状態にありますが、景気減速の可能性もある
ことから、今後の労働統計・指標の動向を注視していきます。
欧州株式市場に対してやや弱気の⾒通しを維持しています。欧州中央銀⾏(ECB)
欧州
による量的⾦融緩和策とマイナス⾦利政策は⾦利全体を押し下げ、景気浮揚が期待
される⼀⽅、銀⾏の収益を圧迫する可能性もあると考えられます。
⾜元リスクオフ相場の中、⽇本の経常⿊字が継続する⼀⽅、円⾼が進⾏しているた
⽇本
め、⽇銀による年内の追加⾦融緩和への期待が⾼まっています。ただし、これらを材料
に、⽇本株式市場が上昇相場に転じることは難しいと考え、⽇本株式市場に対して中
⽴の⾒通しを維持しています。
⽶ドル安や原油価格の上昇基調が続いているにも関わらず、新興国株式市場の上昇
新興国
に⼀服感がみられます。過去の弱気相場でも短期的な上昇がみられたため、市場の回
復が持続的なものと判断されるまで、新興国株式市場に対しては、中⽴の⾒通しを維
持します。
シュローダー・インベストメント・マネジメント株式会社
⾦融商品取引業者 関東財務局⻑(⾦商)第 90 号
加⼊協会: ⼀般社団法⼈⽇本投資顧問業協会、⼀般社団法⼈投資信託協会
巻末の「本資料に関するご留意事項」を必ずお読みください。
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シュローダー グローバル市場⾒通し
資産クラス
分類
⾒通し
(2016 年 6 ⽉末作成)
戦
略
年初来、やや強気の⾒通しを維持してきましたが、⽶国債の実勢利回りがゼロパーセ
国債
全般
ント⽔準近くにあることや、タームプレミアム(⻑期⾦利と短期⾦利の⾦利差)が縮
⼩してきたことから、国債市場全般の⾒通しを中⽴に引き下げました。
⽶国債のタームプレミアムが縮⼩してきたことに加えて、債券市場の先⾏き不透明感が
⽶国
⾼いと判断したことから、⽶国債市場の⾒通しを中⽴からやや弱気に引き下げました。
主要経済指標の低調な内容は、低下基調にある利回り⽔準に織り込まれていると考
えます。
欧州
(ドイツ国債)
欧州(ドイツ)国債市場に対してやや強気の⾒通しを維持しています。⽶国の期待イ
ンフレ率が上昇する可能性がある⼀⽅、ユーロ圏の経済成⻑の減速が予想されるた
め、⽶国債と⽐較して欧州(ドイツ)国債を選好しています。
⽶ドル建て新興国国債市場に対して中⽴の⾒通しを維持しています。⼀⽅、現地通
新興国
貨建て新興国国債市場においては、魅⼒的な利回りの国債を厳選して投資していま
す。
⽶国の投資適格社債市場に対して中⽴の⾒通しを維持しています。⽶国の社債市場
は回復後期にあり、信⽤スプレッドの縮⼩余地は限定的とみられるため、魅⼒的なイン
投資適格社債
⽶国
カム(利息)収⼊が期待できる銘柄を選好していきます。バリュエーションの観点では
割⾼感がでてきていますが、投資家の資⾦流⼊や質の⾼い社債発⾏など、投資環境
は魅⼒的と考えます。
ECB が社債購⼊プログラム(CSPP)を導⼊したことを受けて信⽤スプレッドが⼤幅に
欧州
縮⼩したため、バリュエーションの観点では年初に⽐べて投資妙味が低下傾向にあると
考えます。ただし、CSPP の導⼊により信⽤スプレッドの拡⼤は今後も抑制されると考え
られ、欧州の投資適格社債市場に対して中⽴の⾒通しを維持しています。
原油価格の上昇や、⽶連邦準備制度理事会(FRB)がハト派的な姿勢を⽰してい
ハイイールド社債
⽶国
ることが、⽶国ハイイールド社債市場の下⽀えとなっています。しかし、信⽤スプレッドが
縮⼩したことに加えて、⼀部ファンダメンタルズの悪化が観測されることから、⽶国ハイイー
ルド社債市場の⾒通しをやや強気から中⽴に引き下げました。
欧州
信⽤スプレッドが⻑期的な過去平均⽔準付近で推移していることから、欧州ハイイール
ド社債市場は相対的に投資妙味が低いと判断し、中⽴の⾒通しを維持しています。
⽶ドルは緩やかに回復するとの⾒通しを持ちつつ、⾜元中⽴の⾒通しを維持していま
す。FRB のハト派的な姿勢と⽶ドルに対する需要の⾼まりなどから、世界経済の先⾏き
通貨
⽶ドル
不透明感が続く中、短期的には⽶ドルはレンジ内の動きになると考えます。ただし、原油
価格の上昇や⽶国の景気回復に伴うインフレ圧⼒が、中⻑期的には⽶ドルを後押しす
ると⾒ています。
⾜元予想外の回復を⽰した欧州経済も、英国の国⺠投票で EU 離脱を選択したこと
ユーロ
を受けて、今後実体経済にも影響が及ぶ可能性がでてきました。インフレ率は依然とし
て低⽔準で推移しており、ECB による追加⾦融緩和観測も⾼まっています。
対⽶ドルで円の⾒通しをややネガティブ寄りの中⽴で維持しています。世界経済の先⾏
⽇本円
き不透明感などから、安全資産とされる円に資⾦が流⼊し、⼀時的に円⾼に振れると
考えます。しかし、低いインフレ率や弱い経済成⻑に加えて、追加⾦融緩和の観測など
が円を圧迫すると考えます。
出所:シュローダー。社債に関する⾒通しは信⽤スプレッド(デュレーション・ヘッジを前提)の動きに基づくものです。ユーロと⽇本円は対⽶ドルの⾒通しとなります。
【本資料に関するご留意事項】 本資料は、情報提供を⽬的として、シュローダー・インベストメント・マネジメント株式会社が作成したものであり、いかなる有価証券の売買の申し込み、その他勧誘を⽬的
とするものではありません。本資料は法令に基づく開⽰書類ではありません。本資料は、作成時点において弊社が信頼できると判断した情報に基づいて作成されておりますが、内容の正確性あるいは完全
性については、これを保証するものではありません。本資料に⽰されている運⽤実績、データ等は過去のものであり、将来の投資成果を⽰唆、保証あるいは約束するものではありません。本資料中にシュロ
ーダーのコメントが含まれる場合、かかるコメントはシュローダー独⾃のものであり、必ずしも⼀般的なものであるとは限りません。また、本資料中のシュローダーのコメントは、当該コメントを提供した本⼈もしく
は当該運⽤チーム等のコメントであり、他のシュローダーの資料等に含まれるコメントと必ずしも⼀致しません。本資料に⾒通しや分析結果等が含まれる場合、当該⾒通しや分析結果等は、作成時点の
考えに基づくものであり、市場環境やその他の状況等によって将来予告なく変更する場合があり、またこれらは将来の投資成果を⽰唆、保証あるいは約束するものではありません。シュローダーとは、シュロ
ーダー plc およびシュローダー・グループに属する同社の⼦会社および、関連会社等を意味します。
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