仕 様 書 1.件名 平成28年度産業財産権制度問題調査研究「地方大学において中長期的に自律的な産 学官連携活動を行うために必要な知財マネジメント等の在り方に関する調査研究」 2.調査研究の目的、必要性 「科学技術イノベーション総合戦略2015」1において指摘されるように、地方に おいては、 特に若年層を中心とした人口の著しい流出が顕在化しており、地域の社会 経済の活力低下に追い打ちをかけている。そこで、地域が持つ強みを生かし、高付加価 値な製品やサービスを創出しビジネスとして展開する、イノベーションの核となる事業 あるいは企業を育てることで、地域経済全体の引上げを図り、雇用創出や人口流入を促 し、地域の活力を再生することが期待されている。 また、地域の大学や高等専門学校、研究機関や企業、更には自治体や金融機関等が連 携して、知的財産の活用に係るものも含め、地域の資源、特性、強みを活かした取組を 推進することが重要である旨も「科学技術イノベーション総合戦略2015」には指摘 がある。地方における知財については、「地方における知財活用促進タスクフォース報 告書」2においても、大学は地域の「知の拠点」として機能し、大学知財の社会還元が期 待されていること、その実現のために、大学は、自ら知財戦略を打ち立て、戦略的知財 活用を推進すべきであること、中小企業による大学保有特許の活用を促進すること等が 指摘されているところである。 特許庁では、地域における産学官連携による事業化等の促進に向けて、平成 27 年度 特許庁産業財産権制度問題調査研究「地方創生のための事業化構想支援人材に関する調 査研究報告書」3を取りまとめた。同報告書では、各地域では、必ずしも保有する技術シ ーズを活用して新規事業創出に成功している事例が多いとは言えない現状にある大き な理由として、潜在的な市場・ニーズを察知しつつ、技術を理解し、魅力あるビジネス モデルをつくり、そして新規事業創出のできる事業化支援人材が各機関や各地域に欠乏 していることが挙げられることを指摘し、技術の需要と供給を繋ぎ、事業化を構想でき る目利き機能を果たす能力を持った専門家を地方に配置し、新規事業創出を活性化する 1 「科学技術イノベーション総合戦略2015」 (http://www8.cao.go.jp/cstp/sogosenryaku/2015/honbun2015.pdf)p.8-9 2 「地方における知財活用促進タスクフォース報告書」 (http://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/tyousakai/kensho_hyoka_kikaku/tf_chihou/tf_chihou_houko ku.pdf) p.8-10 3 http://www.jpo.go.jp/shiryou/toushin/chousa/pdf/zaisanken/2015_03.pdf p.ii 1 ことが必要であると整理した4。 地方の国立大学においては、地域連携・地域支援を重要視していることが、平成 25 年度特許庁大学知財研究推進事業「知的財産活用に資する大学の組織的取組に関する研 究報告書」において指摘されている5。また、「産学官連携による共同研究の強化に向け て~イノベーションを担う大学・研究開発法人への期待~」6では、国立大学3類型のう ち「地域への貢献」をミッションとする大学等においては、高い技術力を持つ地域の中 堅・中小企業との共同研究の拡大が必要であること、各大学・研究開発法人においては、 それらの企業の経営力に応じた契約支援体制の整備等の機能強化が求められることが 指摘されている。また、地方大学に限ったものではないが、大学には知の好循環に向け た知的財産マネジメントの強化への対応が必要である旨を指摘している7。なお、第5 期科学技術基本計画においても、大学の知的財産の活用を促進するためには、大学自身 が知的財産戦略を策定しそれに応じて自律的な知的財産マネジメントを行うことが重 要であると指摘されている8。 しかしながら、地方大学では産学官連携活動に配分する経営資源(人的リソース、予 算等)が限られており9、地方大学が専門的知見やコストを要する知財マネジメント等 をどのように行うのかということは、地方大学が中長期的に自律的な産学官連携活動を 行い地域連携・地域支援を拡大していくために、RU1110等の大規模大学における知 財マネジメント等とは異なる視点が必要な課題である。よって、大規模大学とは異なる 地方大学独自の知財マネジメント等の在り方について示唆を得ること、及び、在り方を 実現するために必要かつ実現可能な国による施策を検討することは、地方大学が中長期 的に自律的な産学官連携活動を行うために有益であると考えられる。 したがって、地方大学独自の知財マネジメント等の在り方に関する論点を整理し、大 学が自助努力できる部分と国等から何らか支援が必要な部分とを検討し、地方において 産学官連携活動を中長期的に自律的に継続するための国による施策立案の基礎とする ことが本調査の目的である。 具体的には、例えば以下の点を調査する。 (1)中長期的に自律的な産学官連携活動を継続していくための、地方大学における 知財マネジメント上や産学官連携活動上(例えば、技術移転、事業化、共同研 4 なお、当該報告書の成果も踏まえ、特許庁では平成 28 年度より「地方創生のための事業プロデューサ ー派遣事業(平成 28~30 年度) 」を実施している。 5 https://www.jpo.go.jp/sesaku/pdf/daigaku_shien/13mitsubishi_01.pdf p. 15-16, 27 6 一般社団法人 日本経済団体連合会 https://www.keidanren.or.jp/policy/2016/014_honbun.pdf p. 1011 7 「産学官連携による共同研究の強化に向けて~イノベーションを担う大学・研究開発法人への期待~」 p. 5 8 「第 5 期科学技術基本計画」 (http://www8.cao.go.jp/cstp/kihonkeikaku/5honbun.pdf)p. 41 9 例えば、大学技術移転サーベイ2013年度版 p.25, p52 等参照。 10 学術研究懇談会(RU11)の構成大学を指す。詳細は、http://www.ru11.jp/ 参照。 2 究等。知的財産の要素を含む産学官連携活動。)の課題・問題点の抽出・整理 (特に、知財マネジメント、事業化、企業との連携の観点について、大規模大 学(RU11等)との相違点が浮き彫りになるように。) (2)課題・問題点を解決・改善するための、取組の主体(自助努力でできる部分、 外部機関を活用できる部分、国の支援が必要な部分)と各主体における実現可 能性のある具体的な改善策・支援策の検討・整理11 3.調査研究内容 (1) 調査研究内容 (ⅰ)公開情報調査 書籍、論文、調査研究報告書、審議会報告書、データベース情報及びインターネッ ト情報等を利用して、本調査研究の内容(既存の産学連携施策についての調査を含む。) に関する文献等(海外ヒアリングの対象先に関する文献等を含む)を収集し、十分に 整理・分析した上で、その結果を報告書に取りまとめる。 調査項目と情報源については、地方大学の産学官連携に関する多様な観点(具体的 な観点の例としては、(ⅱ)(ア)・(イ)<観点の例示>参照。ただし、当該例示 の観点に限定する必要はない。)を踏まえて検討を行い、庁担当者と事前に協議して 作業を進めること。 なお、好適なヒアリング先を選定するために必要な情報の収集も兼ねていることに 留意のこと。 (ⅱ)国内ヒアリング調査 (ア)大学へのヒアリング 文部科学省「平成26年度 大学等における産学連携等実施状況について」12の9- 1.(2)(p. 26-27)のいずれかの表に機関名が掲載されている地方大学、「平成 11 支援策の方向性としては例えば以下のようなものが想定されるが、報告書等の作成に当たり、課題・ 問題点の解決に資すると見込まれる支援策の提案であれば何らこれらに限らない。ただし、既存の産学連 携施策は除く。また、以下に例示していない支援策を提案書において少なくとも一つ以上提案すること。 ・中小企業と大学との意思疎通の場を兼ねたマッチングの場の提供。 ・大学間連携や外注機関等との融合を含めたイノベーション・エコシステムの確立 ・投資・融資先を探している金融機関・ファンド組織を巻き込む仕掛け作り。 ・金融機関から資金を得るためのビジネスプランの具現化のために、大学の基礎技術を実用化に近付けた り、中小企業の技術から研究課題を見出したりする役割として、大学-企業の連携の間に公設試を活用す る。 ・大学のシーズをもとにしたビジネスプラン・事業計画書の作成支援 ・大学のシーズに関する特許調査・分析に基づく知財戦略策定支援 ・産学連携知財人材育成プログラムの策定 ・知財マネジメントに関する大学向けの相談窓口等の充実 12 http://www.mext.go.jp/component/a_menu/science/detail/__icsFiles/afieldfile/2015/12/25/1365509_2.pdf 3 28年度における国立大学法人運営費交付金の重点支援」13において「重点支援①」 (主として、人材育成や地域課題を解決する取組などを通じて地域に貢献する取組と ともに、専門分野の特性に配慮しつつ、強み・特色のある分野で世界ないし全国的な 教育研究を推進する取組等を第3期の機能強化の中核とする国立大学を重点的に支 援する。)を選択した国立大学、または、INPIT「産学連携知的財産アドバイザ ー派遣事業」において産学連携知的財産アドバイザーが派遣されている地方大学(た だし、委員会の判断によりこれらとは異なる地方大学がヒアリング候補とされた場合 はこの限りでない。)、及び、RU11に対して、ヒアリング調査を実施し、結果を 報告書に取りまとめる。 大学へのヒアリング調査項目の設定に当たっては、①中長期的に自律的な産学官連 携活動を継続していくために行っていることは何か、②地方大学における産学官連携 活動上や知財マネジメント上の課題・問題点の抽出・整理、③課題・問題点を解決・ 改善するための、取組の主体(自助努力でできる部分、外部機関を活用できる部分、 国の支援が必要な部分)と各主体における実現可能性のある具体的な改善策・支援策 の検討・整理を行う上で必要となる情報(具体的な観点の例としては、以下の<観点 の例示>参照。ただし、当該例示の観点に限定する必要はない。)を収集できるよう、 ヒアリング調査項目について事前に検討を行い、庁担当者と事前に協議して作業を進 めること。 大学へのヒアリング調査は、公開情報調査等により得られた情報のほか、委員会に よる議論で抽出された事項及び以下に例示する観点も踏まえつつ、ヒアリング調査項 目を検討し、庁担当者と事前に協議して作業を進めること。 なお、ヒアリング先の負荷を軽減するために、ヒアリング先の産学官連携部門の組 織構成・人員・予算や<観点の例示>に関する公知情報については、公開情報調査を 行い事前に整理しておくこと。 <観点の例示> ○産学官連携活動の5~10年後の目標・ビジョンは何か。 ○中長期的に自律的な産学官連携活動を継続するために、大学で行われる例えば以下 の取組(特に、事業化や外部機関との連携に向けた取組)、及び、種々の取組を行う ことにより認識された知財マネジメントや産学官連携活動における課題・問題点14 ① 産学官連携活動や知財マネジメントについて大学の幹部にどのように理解を得 ているか 13 http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/28/03/__icsFiles/afieldfile/2016/03/09/1367853_01.pdf 参照。 課題・問題点としては、 「大学の成長とイノベーション創出に資する大学の知的財産マネジメントの在 り方について」 http://www.mext.go.jp/component/a_menu/science/detail/__icsFiles/afieldfile/2016/03/18/1368175_02.p df の p.14-15 に記載されているもの、及び、 「知的財産活用に資する大学の組織的取組に関する研究報告 書」の p. 93-99, 149 に記載されているものをイメージしているが、これらに限らない。 14 4 ② 大学として知的財産権を取得する目的は何か、当該目的は(費用対効果の側面 も含め)達成されているか ③ 自治体や公設試、公的研究機関に対して行っている産学官連携活動 ④ 産学官連携先の企業(候補となる企業も含む。)や金融機関に対して行ってい る産学官連携活動 ⑤ 産学官連携本部や大学の収入を増やすための工夫(特許権実施等収入を中長期 的に増加するための工夫、及び、大学内で産学官連携本部に割り当てられる予 算を増加するための工夫) ⑥ 産学官連携活動を実施するために必要な機能のうち、大学自身で行うものと大 学外部にアウトソースするものとの役割分担の工夫、今後アウトソースしたい 機能。 ⑦ 大学独自の取組と認識している産学官連携活動や知財マネジメントの概要 ⑧ その他、知財マネジメントや産学官連携活動について、大学におけるリソース の制約がなければ理想的には実施したいと考えているものの、実施できていな い活動 ○大学が中長期的に自律的な産学官連携活動を継続していくために(特に上記した課 題・問題点の解決・改善に資するという観点から)、大学自身で行いたいと考えて いる改善策、地方自治体・公設試・公的研究機関等の外部機関に期待する役割、国 に期待する実現可能性のある支援内容や役割 (イ)企業等へのヒアリング (ア)のヒアリング先の地方大学と連携を行っている企業、金融機関、公的研究機 関・公設試・自治体等に対して、ヒアリング調査を実施し、結果を報告書に取りまと める。 企業等へのヒアリング調査項目の設定に当たっては、大学との産学官連携活動を行 いやすくするため、または、当該産学官連携活動の成果が事業化に結び付きやすくす るために必要と考えられる取組(例えば、大学の支援があると助かること、企業自身 が行うことが望ましいこと、公的研究機関・公設試・自治体・国等のサポートがある と望ましいこと)の検討を行う上で必要となる情報を収集できるよう、ヒアリング調 査項目について事前に検討を行い、庁担当者と事前に協議して作業を進めること。 国内ヒアリング調査は、公開情報調査等により得られた情報のほか、委員会による 議論で抽出された事項及び以下に例示する観点(ただし、当該例示の観点に限定する 必要はない。)も踏まえつつ、ヒアリング調査項目を検討し、庁担当者と事前に協議 して作業を進めること。 <観点の例示> ① 当該大学を連携先に選んだ理由 ② 大学とライセンス契約(または共同研究契約)を結ぶ前までの間に生じた課題・ 5 問題点(例えば、大学の窓口が分かりにくかった、連携相手となりうる研究者 を探すのに苦労した、知財の取扱について双方の意見がまとまるのに時間を要 した等。 ) ③ 大学とライセンス契約(または共同研究契約)を結んだ後、事業化するまでの 期間において生じる課題・問題点(例えば、ライセンス契約により大学から提 供を受けた技術を自社で実際に使えるようになるまでの大学側のサポートが 不足している、等。 ) ④ 大学との産学官連携活動を行いやすくするため、または、当該産学官連携活動 の成果が事業化に結び付きやすくするために必要と考えられる取組(例えば、 大学のサポートがあると助かること、企業自身が行うことが望ましいこと、公 的研究機関・公設試・自治体・国等のサポートがあると望ましいこと) (ⅲ)海外ヒアリング調査 海外の動向を把握するため、海外3か国程度(北米地域、欧州地域はそれぞれ含む こと)において地方大学等15に対して、海外ヒアリングを実施し、その結果を報告書 に取りまとめる。日本の地方大学における知財マネジメントとの相違点が浮き彫りに なるように整理されることが望ましい。 ヒアリング調査項目の設定に当たっての考慮事項は、(ⅱ)国内ヒアリング調査の (ア)と同様である。海外ヒアリング調査は、前記(ⅰ)公開情報調査、国内ヒアリ ング調査の進捗等により得られた情報のほか、委員会による議論で抽出された事項及 び(ⅱ)において例示した観点も踏まえつつ、ヒアリング調査項目を検討し、庁担当 者と事前に協議して作業を進めること。 なお、ヒアリング先の負荷を軽減するために、ヒアリング先の産学官連携部門の組 織構成・人員・予算や例示した観点に関する公知情報については、公開情報調査を行 い事前に整理しておくこと。 (ⅳ)委員会による検討 調査研究に関して専門的な視点からの検討、分析、助言を得るために、本調査研究 に関して専門的な知見を有する者(学識経験者、企業の知財担当者、弁理士等)5名 程度で構成される調査研究委員会を設置し、論点整理を行った上で4回程度の委員会 を開催する。5名程度のうち、1名を委員長とする。委員会では、(ⅰ)公開情報調 査、 (ⅱ)国内ヒアリング調査、(ⅲ)海外ヒアリング調査の進捗・結果から、多様な 15 大学等の選定においては、文部科学省平成 21 年度 産学官連携に関する調査研究(産学官連携戦略展 開事業) (URL: http://www.mext.go.jp/a_menu/shinkou/sangaku/1296399.htm)における欧米における 産学官連携調査の各編、および、経済産業省平成 23 年度産業技術調査事業「欧米における産学連携組織 の実態調査」 (http://www.meti.go.jp/meti_lib/report/2012fy/E002080.pdf) 、AUTM 等のデータを参考に しても良い。 6 観点を踏まえ、以下の論点について検討を行い、議論・取りまとめを行うこと。 (1)中長期的に自律的な産学官連携活動を継続していくための、地方大学におけ る知財マネジメント上や産学官連携活動上の課題・問題点の抽出・整理 (2)課題・問題点を解決・改善するための、取組の主体(自助努力でできる部分、 外部機関を活用できる部分、国の支援が必要な部分)と各主体における実現 可能性のある具体的な改善策・支援策の検討・整理 <委員会開催(例)> 【第1回】平成28年9月上旬頃 公開情報調査の整理報告、国内外ヒアリング先及びヒアリング項目候補の検討 【第2回】平成28年11月頃 国内外ヒアリング調査の中間報告と、当該中間報告を踏まえた(1)、(2)につ いての議論 【第3回】平成29年1月頃 国内外ヒアリング調査の最終報告と、当該最終報告を踏まえた(1)、(2)及び 報告書案の構成について議論 【第4回】平成29年2月下旬頃 報告書案についての検討 (ⅴ)調査結果の分析・取りまとめ(4.(5)参照) 委員会の委員の助言を得ながら、(ⅰ)~(ⅲ)の調査結果を総合的に分析し、取 りまとめる。 (2)報告書の作成 ① 前記の調査研究内容の結果を報告書にまとめること。 ② 報告書の表題は「地方大学において中長期的に自律的な産学官連携活動を行 うために必要な知財マネジメント等の在り方に関する調査研究」(仮称)とす ること。 ③ 報告書の要約(文章及び本調査研究を俯瞰する図表16)を報告書に含めること。 ④ 著作権の取り扱い等について報告書に記載すること。 4.調査研究方法 (1)公開情報調査 ヒアリング調査や委員会による検討に役立つ資料を作成するために、書籍、論文、 16 調査研究を俯瞰(ふかん)する図表とは、報告書の内容を把握することができるように総括された図 表のこと。(1ページ程度) 7 判例、調査研究報告書、審議会報告書、データベース情報及びインターネット情報等 から本調査研究の内容について、前記3.(1)(i)~(ⅳ)のために有益な情報 を収集し、十分に整理・分析した上で、その結果を報告書に取りまとめる。 ・公開情報調査は、各調査研究内容で示した観点に関連する事項を広範に調査し、主 要な事項を中心に取りまとめること。必要に応じて、特許出願件数や特許保有件数 等に関する知的財産のデータベース情報等の把握・分析も検討すること。 ・収集した外国語文献については、必要に応じて日本語に翻訳すること。 ・報告書に掲載する文章、画像等を他人の著作物から引用する場合は、著作権法にお いて正当な引用と認められる範囲内で行うこと。 ・報告書に掲載する文章、画像等を他人の著作物から転載する場合には、著作権者か ら転載許諾を得ること。 (2)国内ヒアリング調査 文部科学省「平成26年度 大学等における産学連携等実施状況について」 の9- 1.(2)(p. 26-27)のいずれかの表に機関名が掲載されている地方大学、「平成 28年度における国立大学法人運営費交付金の重点支援」において「重点支援①」 (主 として、人材育成や地域課題を解決する取組などを通じて地域に貢献する取組ととも に、専門分野の特性に配慮しつつ、強み・特色のある分野で世界ないし全国的な教育 研究を推進する取組等を第3期の機能強化の中核とする国立大学を重点的に支援す る。)を選択した地方大学、または、INPIT「産学連携知的財産アドバイザー派 遣事業」において産学連携知的財産アドバイザーが派遣されている地方大学17及び当 該地方大学と連携する企業等計20者程度(地方大学1者に対して、連携する企業等 0~2者をヒアリングする。全体の内訳は、大学:企業=1:2~2:1程度を想定。) 及びRU11のうち1者程度に対し、前記3.(1)(ⅱ)に関するヒアリング調査 を実施し、その結果を報告書に取りまとめる。 ・調査対象案及び項目案は、理由とともに庁担当者に提示し、承認を得ること。 ・調査対象先との連絡調整を行うこと。 ・国内ヒアリング実施、当日のメモ取り、取りまとめ作業を行った上で、ヒアリング 結果について、議事録及び概要を作成し、速やかに庁担当者に提出すること。 ・大学へのヒアリング対象者は、産学連携・知財マネジメントに関する実務担当者だ けでなく、大学執行部(理事、副学長、学長補佐等)に対するヒアリングも適宜実 施すること。 17 ただし、委員会の判断によりこれらとは異なる地方大学がヒアリング候補とされた場合はこの限りで ない。また、特徴の異なる(例えば、特許権実施等収入に差がある大学、総合大学と単科大学等)大学を 含むようにヒアリング先大学を選択することが好ましい。 8 (3)海外ヒアリング調査 海外の動向を把握するため、海外3か国程度(北米地域、欧州地域はそれぞれ含む こと)において地方大学等18合計10者程度(同一国で複数の大学にヒアリングに行 く場合には、特徴の異なる大学を含むように選択することが望ましい。)に対し、前 記3.(1)(ⅲ)に関する海外ヒアリング調査を実施し、その結果を報告書に取り まとめる。 ・調査対象先及び項目は、案を庁担当者に理由とともに提示し、承認を得ること。 ・海外ヒアリングについては、原則として海外の現地に出向いて直接面会する形式で ヒアリング調査を行うこと。 ・海外ヒアリング実施、当日のメモ取り、取りまとめ作業を行った上で、ヒアリング 結果について、議事録及び概要を作成し、速やかに庁担当者に提出すること。 ・調査結果等は、日本語に翻訳を行うこと。 ・必要に応じ調査対象先に対し謝金を支払うこと。 (4)委員会による検討 ① 委員会の構成 ・調査研究に関して専門的な視点からの検討、分析、助言を得るために、本調査研究 に関して専門的な知見を有する者(学識経験者、大学の産学官連携担当者、弁理士 等)5名程度(うち1名を委員長とする)で構成される調査研究委員会を設置する。 ・委員の選定に当たっては庁担当者と十分な協議を実施することとし、委員の委嘱に 係る作業(連絡調整、本調査研究の事前説明及び委嘱手続等)を行うこと。 ② 委員会の開催 ・委員会開催に関する事項(席次、参加の可否(オブザーバ)、開催日時等)につい ては、庁担当者の指示に従うこと。 ・委員会の開催場所は、特許庁庁舎近傍とし、庁担当者の承認を得ること。 ・論点整理を行った上で委員会を開催すること。 ・必要な範囲内で、国内外公開情報調査の結果等を各委員会において利用すること。 ・委員会は1回2時間程度とし、4回程度開催すること。 ・第1回委員会は、庁担当者と協議の上、速やかに開催すること。 ③ 委員会関連作業 ・事前に出席者の座席表を含む配付資料を準備すること。 ・参加者への連絡、調整を行うこと。また、当日の緊急連絡網を事前に作成すること。 ・委員会事務局は、前記3.(1)(ⅳ)の項目に関して、(ⅰ)~(ⅲ)に基づく 18 ヒアリング先のうち少なくとも半数は大学を選定すること。 9 調査を進めるとともに、本調査研究の遂行に必要な情報の取りまとめ及び資料の提 供を行い、委員会において検討する資料を作成すること。 ・委員会での発言は録音機器を用いて録音し、各発言の発言者が明確になる形での詳 細な議事録を作成し、委員会開催日から5実働日以内に委員及び特許庁担当者に送 付して確認を求めること。また、委員又は特許庁担当者により修正指示等を受けた 場合は速やかに修正を行い、再確認を受けること。その後、速やかに議事録を要約 した議事概要を作成すること。 ・委員に対し、必要に応じて謝金等の支払いを行うこと。 ・委員会の前後に資料を用意し、庁担当者等と打合せを実施すること(ただし、委員 との打合せを行う場合には、連絡調整、打合せ内容のメモ作成、打合せ結果の取り まとめ作業を含む)。 (5)調査結果の分析・取りまとめ 前記(1)~(4)の調査結果を総合的に分析し、前記3.(1)(ⅴ)について 報告書に取りまとめる。また、報告書の内容については、(4)の委員会の委員にも 確認を取りながら、方向性を決めることとする。 5.研究員について 本調査研究における各調査・分析において、本調査研究分野に専門的な知見を有する 者を主担当研究員として配置し、前記4.(1)~(5)の調査研究業務の主担当・副 担当を分担する。また、主担当研究員のうち1名は、庁担当者との連絡・調整担当者と し、庁担当者からの問い合わせ等に対して、常に直接かつ迅速に対応できる体制を整備 すること。 なお、ここでの「本調査研究分野に専門的な知見を有する者」は、地方における産学 連携に関する実情に関する知見を有していることが望ましい。 6.調査研究に当たっての留意事項 (1)調査研究開始日から報告書納入日までの本調査研究にかかる全体スケジュール、 調査研究体制、実施機関の連絡体制等について、契約締結後、速やかに庁担当 者に書面にて説明し、承認を得ること。 (2)調査研究進捗状況は、庁担当者の指示する形式・頻度にて報告すること。場合に より、庁内関係者に対する中間的な報告を求めることもある。 (3)調査研究内容については、庁担当者と十分な打ち合わせを行うこと。 (4)調査研究を進めるに際し、常に案を作成・提案し、必ず庁担当者の承認を得るこ と。なお、変更が生じた場合は、速やかに報告し、庁担当者の指示に従うこと。 (5)庁担当者に提示する資料(打ち合わせ資料など)を用意すること。 10 (6)調査研究に係る庁担当者との打合せ場所については、庁担当者の承認を得ること。 (7)納入時に報告書等の著作物の著作権は特許庁に帰属するものとするが、報告書を 執筆した者については、本報告書からの引用である旨付記することを条件に執筆 部分に限り複製、翻訳、翻案等の形で利用することを可能とする。 (8)報告書に掲載する図面、写真、文章等を他の文献から転載する場合には、出典を 明記するとともに、著作権者から転載許諾を得ること。また転載許諾を得た図面、 写真、文章等の情報を一覧にまとめ、転載許諾書の写しとともに、特許庁に提出 すること。また、報告書に掲載する図面、写真、文章等を他の文献から引用する 場合には、適切な著作権処理を行い、正当な引用であることを庁担当者に報告す ること。なお、これらに拠りがたい場合には、庁担当者に報告し、承認を得るこ と。 (9)調査研究により知り得た情報を許可なく外部に漏らし又は他の目的に使用しない こと。 (10)報告書の納入前において、調査研究で得られた情報について、庁担当者が、産業 構造審議会等での検討及び施策検討の参考資料として使用の必要があると判断 する場合には、その指示に従い、必要なデータを庁担当者に提供すること。 (11)報告書の作成に当たっては、原則、庁担当者の指示する作成要領のとおりに報告 書を作成すること。 (12)その他、詳細については、庁担当者の指示に従うこと。 6.提出物及び提出期限 提出物 数量 著作権転載許諾一覧及び ①紙媒体 1部 転載許諾書の写し 提出期限 平成29年3月10日(金) ②電子データ一式(CD-R ※著作権者から許諾を得 又は DVD-R に PDF 形式で る必要があった場合のみ 収納) 各調査の調査結果等(中 一式(MS-Word 形式、MS- 平成29年3月10日(金) 間成果物、ヒアリング結 Excel 形式) 果)の電子データ ※提出方法については、 庁担当者の指示に従うこ と 11 7.納入物及び納入期限 納入物 数量 納入期限 (1) 一式(CD-R 又は DVD-R に収 平 成 2 9 年 3 月 1 0 日 調査報告書の電子媒体 納 し た 電 子 デ ー タ ( MS- (金) Word 形式、PDF 形式の両 方)) (2) 全体版50部(CD-R 又は 平 成 2 9 年 3 月 1 7 日 調査報告書の電子媒体 DVD-R に収納した電子デー (金) (配布用) タ(PDF 形式)) (3) 全体版15部、要約版15 平 成 2 9 年 3 月 2 4 日 調査報告書の紙媒体 0部 (金) (1)電子媒体 庁担当者の許可を得た場合、MS-Word 形式の一部を MS-PowerPoint®形式、MS-Excel 形式とすることも可能。 (2)紙媒体 製本仕様及び印刷用紙については以下のとおり。 ① 製本仕様 ・全体版は無線綴じ製本、要約版は中綴じ製本とすること。 ・全体版には、見返し(表紙及び裏表紙)、遊び紙(表紙及び裏表紙)を設ける こと。 ・要約版は、カラーにて印刷すること。 ②印刷用紙 ・紙の出荷状況により以下に記載した印刷用紙の仕様を変更する場合がある。 ・印刷用紙の指定は、庁担当者に確認を取り指示に従うこと。 なお、本文及び見返し、遊び紙、奥付については、グリーン購入法に基づく基 本方針の「フォーム用紙」における判断の基準にしたがい、印刷用紙は古紙パ ルプ配合率70%以上かつ白色度70%程度以下を用いて作成すること。 ・全体版の印刷用紙 ○本文 再生紙(古紙パルプ配合率70%以上、白色度70%以下)形態 A列本 判 44.5Kg ○見返し、遊び紙、奥付 再生紙(古紙パルプ配合率70%以上、白色度70%以下)形態 A列本 判 70.5Kg 12 ○表紙 レザック66 四六判 Y 目 175kg 色については庁担当者の指示に従うこと ・要約版の印刷用紙 ○本文、表紙 再生紙(古紙パルプ配合率70%以上、白色度70%以下)形態 A列本 判 44.5Kg 9.納入場所 特許庁総務部企画調査課 13
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