日本数学教育学会第46回秋期研究大会(2013年11月@宇都宮大学

日本数学教育学会第46回秋期研究大会(2013年11月@宇都宮大学)
口頭発表
2数直線図の特徴とその利用
1454会場・11/16・13:30~13:50
正
田
良
国士舘大学文学部
上の図の出典:(http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2009/06/16/1234931_004_2.pdf)
2数直線図の特徴,
倍概念を援用した数の対応の表現である
その利用法,
量の相互関係の把握や倍概念について
系統的に設計されたカリキュラムが必要
図の役割
文部科学省(2008),「児童が具体物を用いたり,言葉,数,式,図,表,グラ
フなどを用いたり…考えたことを表現したり,友達に説明したりする」
(p.21)
坂本美紀(1999),児童が自発的に描く図には,教科書などで指導されてい
る図のタイプとは異なるものが多い.
松下佳代(1999),「教師による一通りの『正しい』考え方の伝達と,子どもに
よる個性的で多様な考え方のつきあわせとのあいだの対立として把握す
るのは,単純化のしすぎである.」
面積
中村幸四郎(1981)
デカルトは長さへ他の量の大きさを変換することに
よって,長さを典型量として扱った.
2種の量A,Bの積として決まる量Cを,2辺の長さがA,
Bである長方形の面積で表す
この面積も長さへ変換すれば,さらに他の量との積を
も表すことができる.
倍という機能の表現
「あるお金で同じ単価の鉛筆が何本買えるかとい
うような計算を何回もくり返していても『関
数』概念は生まれてこないであろう.…(中
略)…
新しい概念の導入ということは,ファン・ヒーレ
の理論では学習水準の上昇ということに相当す
る
平林一栄(1980)
計算図表
小倉金之助(1946)
0
20
40
60
80
100
0
20
40
60
80
100
重さ(g)
値段(円)
Giles(1979)
DIMEプロジェクトでの旗の図
上の図の出典:(http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2009/06/16/1234931_004_2.pdf)
2数直線図の特徴,
倍概念を援用した数の対応の表現である
宮下英明(2012)
分数・小数の乗法・除法に数直線を使うことの
「非明証性」
量の大小の問題はその何倍であるかという「数」
の問題に変換される
量の世界ではなく,数の世界での議論をすればよ
い.そこに量の大小を表す数直線を介在させる
ことは「過剰」.
認識 と「量」の数学的表現
ピアジェが『発生的認識論序説』で「追い
越しの直観」として述べた子どもの原初
的「速さ」
単位時間での移動距離
単位距離の移動に要する時間
野口悠紀雄(1995),
「ワーキングメモリ」の容量
思考のツールとしての図
ワーキングメモリの有効活用が知的
作業を行う際に重要
正田 良「風速って速さ?」『数学教室』2002年7月号。p.33
量によるモニタリング
立式において問題に記述されている量の実感
を付与しやすい もの
比例関係が明らかとなっている場合
「何倍する」という整理が有用
関数一般の概念の獲得
DIMEの「数の変換に関わる図」 など
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ご清聴ありがとうございました
ご指導よろしくお願いします。