米FOMCは慎重な利上げ見通しの広がりを示唆

2016年6月16日
米FOMCは慎重な利上げ見通しの広がりを示唆
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連邦公開市場委員会(FOMC)は利上げ見送りを決定。FOMC参加者の中央値の見通しは年内2回の利上げを想定。
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ただ、年内1回の利上げを主張する参加者が6名に増加するなど、FOMC内部で慎重な利上げ方針が広がりつつある。
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足元は雇用が鈍化するも、個人消費は回復基調。今後の経済指標次第で、7月または9月に利上げ実施の可能性も。
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ハト派的なFOMCの利上げ見通しは米国株を下支えする一方、当面は英国のEU離脱問題などが市場の不安材料に。
図1:米連邦公開市場委員会(FOMC)参加者
による政策金利の見通し(中央値)
FOMC参加者は年内2回の利上げを引き続き想定
米連邦公開市場委員会(FOMC)は6月15日(現地時
間)、フェデラル・ファンド(FF)金利の誘導目標を0.250.50%で据え置き、追加利上げの見送りを決定しました。
(%)
3.5
3.25%
2016年3月時点
3.0
FOMC参加者の2016年末の政策金利見通しは、全17
名の中央値で0.875%と、引き続き年内2回の利上げが
想定されていることが示されました(図1)。
FOMC内部で慎重な利上げ方針が広がりつつある
2.5
2015年12月時点
は1名)、2017年から2018年にかけての利上げ見通しが
3月時点から下方修正されたことなどから、FOMC内部でも
利上げに対して慎重な見方が広がりつつある模様です。
足元で雇用は鈍化するも、個人消費は回復基調
1.375%
1.5
市場予想を下回る前月比3.8万人増に留まった一方、5
月の小売売上高は前月比+0.5%と個人消費の回復基調
の継続を示唆しました。今後の経済指標で米国景気の持
ち直しが確認されれば、7月または9月のFOMCで利上げ
が実施される可能性があるとみられます。
当面は英国のEU離脱問題が市場の不安材料に
6月15日の米国株式市場では、当初はハト派的な内容
となったFOMCが相場を下支えしたものの、S&P500指数
0.0
2015年12月
問う英国の国民投票を6月23日に控え、当面の米国株式
市場は神経質な相場展開が続きそうです。
2016年6月時点
政策金利:0.25~0.50%
2016年12月
2017年12月
2018年12月
(出所)米連邦準備制度理事会(FRB)
図2:米国の小売売上高と非農業部門雇用者数
(前月比、%)
(千人)
400
2.0
小売売上高(左軸)
1.5
350
1.0
300
0.5
250
0.0
200
-0.5
150
-1.0
100
の終値は英国の欧州連合(EU)離脱問題などへの懸念か -1.5
ら前日比0.2%の小幅下落となりました。EU離脱の是非を
2016年6月時点(最新)
0.875%
0.5
鈍化したものの、経済活動は上向いた」とされ、景気や金
2016年5月の雇用統計では、非農業部門雇用者数が
1.625%
0.875%
1.0
FOMC声明文の景気判断は「労働市場の改善ペースは
融市場の動向を注視する姿勢を示しました。
2.375%
1.875%
2.0
もっとも、今回のFOMCでは、年内1回の利上げを主張す
る参加者が6名に増加したことや(2016年3月のFOMCで
3.00%
2.375%
50
非農業部門雇用者数(前月比増減、右軸)
-2.0
2014年1月
0
2015年1月
2016年1月
(出所)米商務省、米労働省 (期間)2014年1月~2016年5月
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