PDF版 - 三井住友アセットマネジメント

(No.1,554)〈マーケットレポートNo.4,127〉
2015年4月10日
「FOMC議事要旨」と米利上げ時期(米国)
「米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨」は、FOMCから3週間後に公表されます。FOMC開催
時には景気や物価、金融政策に関する判断が声明で示されますが、議事要旨はその判断に至る
までの議論が記録され、より詳細な情報を得ることができることから、市場の注目度が高い材料で
す。3月17日~18日に開催されたFOMCについて、4月8日に議事要旨が公表されました。
利上げ開始時期について意見が分かれる
6月、年後半、来年も
■議事録によれば、数名の(several)参加者は、経済指標と先行きの見通しが6月の利上げを正当化す
るであろうと判断しました。
■一方、その他の参加者は、エネルギー価格の下落やドルの上昇が目先のインフレ率を押し下げるた
め、利上げができる環境は年後半まで整わないであろうと述べました。また2名の(a couple of)参加者
は、経済見通しを踏まえれば2016 年まで金融緩和の解除は必要ないであろうと指摘しました。
“合理的に確信”の詳細は示されず
雇用やエネルギー価格などを注視
■3月のFOMC声明では、労働市場が一層改善さ
れ、インフレ率が中期的に2%の目標に戻ってい
くと“合理的に確信”した場合、引き締めが適切
になるとの見解が示されたため、議事要旨での
詳細情報が期待されました。
■ただ今回は引き締めのための明確な条件など
は示されず、雇用の更なる改善やエネルギー価
格の安定、ドル高の一服は、いずれも物価上昇
に確信を持つのに有効であるとの指摘にとどま
りました。
雇用や物価関連の経済指標に注目
■利上げ時期について新たな情報は得られず
■利上げの思惑に市場が大きく振れる展開に
3月のFOMCでは、利上げまで「忍耐強く」なれると
いう文言が声明から削除されるなど、ハト派的な
内容が目立ちました。市場参加者の間には今回
の議事要旨で利上げ開始時期について何らかの
手掛かりが得られるのではないかとの期待が高
まっていましたが、利上げ時期について依然見解
が異なることを改めて確認する結果となりました。
ただ議事要旨で示された通り、雇用の更なる改善
やエネルギー価格の安定、ドル高の一服は今後
注目すべきポイントになると思われます。関連の
経済指標や為替相場の動向をにらみつつ、利上
げ開始時期を巡る思惑によって、金融市場が大き
く変動する展開がしばらく続くのではないかとみら
れます。
2015年04月06日 米国の雇用統計(2015年3月)
2015年04月02日 米経済指標を受け長期金利が低下
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