甲状腺良性腫瘍摘出術

中咽頭腫瘍摘出術
手術日:030610
患者:崔 敬淑氏
手術適応:結節性甲状腺腫
• 濾胞腺腫(follicullar
adenoma; FA)
• 嚢腫(cyst)
• 腺腫様甲状腺腫
(adenomatous goiter;
AG)
• 乳頭腺腫(papillary
adenoma)
手術目的
• 切除組織の病理学的
検索より、結節が悪
性腫瘍でないことを証
明する
• 将来癌に転化するこ
との予防
→葉切除が原則
体位
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•
•
仰臥位
肩枕、頭部に円座
セミ・ファウラー位
麻酔器は頭側
1.甲状腺葉切除:
皮切
•
•
•
自然な坐位を取らせて皮膚ペンであら
かじめ皮切線をマークしておく
胸骨上縁直上に前頸部皮膚の皺(skin
crease)に一致した水平の線とし一側の
葉切除であっても左右ほぼ同じ長さと
する(2cm-2cm)
皮膚切開を加え、上方へ挙上する皮
弁は広頚筋の下層で、甲状軟骨上縁
の高さまで剥離する
2.甲状腺葉切除:
前頸筋の処理と甲状腺皮膜の剥離
•
白線を縦に切離し、術側の胸鎖乳突
筋と前頸筋の間を剥離
•
前頸筋は切断せず、その裏面を甲状
腺被膜より剥離
•
小静脈よりの出血はバイポーラにて焼
却止血
3.甲状腺葉切除:
甲状腺周囲の剥離と
上甲状腺動静脈の処理
•
剥離した前頸筋を鉤で外方に引くと腫
大甲状腺が露出する(不充分なときは
胸骨甲状筋を甲状軟骨下縁直下でそ
の内側を部分的切断) 。この状態で甲
状腺外側面を周囲より剥離し、中甲状
腺静脈も結紮切断する
•
次に甲状腺上極へ向け十分に剥離を
進めた上で、甲状腺を下方へ牽引し、
上甲状腺動脈を処理する。血管周囲
の剥離はモスキートの先を血管へとい
れ、先を開くようにし、上喉頭神経を損
傷しないように注意する。上喉頭神経
は上甲状腺動静脈に併走し輪状甲状
筋に進入する
上甲状腺動静脈を1本ずつ結紮するが、
頭側は二重結紮とする。
•
4.甲状腺葉切除:
反回神経の確認と
下甲状腺動脈の処理
•
甲状腺外側を前方へ起こしつつ、後面
を剥離すると気管側方が明視化にお
かれる。生食ガーゼで術創を覆い出血
を吸収させながら、輪状軟骨の下方、
気管側面と総頸動脈で囲まれた三角
部分の軟部組織を剥離する。下甲状
腺動脈の下方でモスキートを縦方向に
使い背側へと剥離を進め、反回神経を
確認する。
•
次に下甲状腺動脈本幹を確認し、血
管テープをかける。軟部組織の剥離を
進めると、動脈が分枝し反回神経と交
叉するのがわかる。nonrecurrent
laryngeal nerveは下甲状腺動脈と水平
に走行するの愛護的に取り扱う
5.甲状腺葉切除:
下甲状腺静脈の処理と
甲状腺峡部の切断
•
•
甲状腺下極で下甲状腺静脈の分
枝を結紮切断した後、モスキート
を用いて、狭部を気管前壁より上
方へと剥離する。
甲状腺結節が正中に接近してい
るため、狭部の反対側を切断線と
し、リスタで両側を把持し3-0絹
糸で針をかけ、結紮した上で切断
する。
6.甲状腺葉切除:
Berry靭帯周囲の剥離
•
Berry靭帯(posterior suspensory
ligament)の深部を反回神経と下
甲状腺動脈の枝が走行する。小
血管の結紮を行いながら剥離し、
出血量が多ければ下甲状腺動脈
本幹にかけたテープを締める。結
節がBerry靭帯よりも背側へ腫大
している可能性があり、反回神経
の走行が変化している事が予想さ
れる。慎重に形成剥離剪刀にて甲
状腺を反回神経から離れた部位
で剥離、靭帯が甲状腺に移行する
場所で鋭的に切断し、葉切除を完
了する。
7.甲状腺葉切除:
創の閉鎖
•
Berry靭帯(posterior suspensory
ligament)の深部を反回神経と下
甲状腺動脈の枝が走行する。小
血管の結紮を行いながら剥離し、
出血量が多ければ下甲状腺動脈
本幹にかけたテープを締める。結
節がBerry靭帯よりも背側へ腫大
している可能性があり、反回神経
の走行が変化している事が予想さ
れる。慎重に形成剥離剪刀にて甲
状腺を反回神経から離れた部位
で剥離、靭帯が甲状腺に移行する
場所で鋭的に切断し、葉切除を完
了する。
7.甲状腺葉切除:
術後管理
•
両側反回神経麻痺による気道狭
窄があれば気管切開等、気道確
保を行う。テタニーに対してはカル
チコールを用意し、術後1日、4日、
7日に血清Ca濃度を測定する。