平成28年度 丸亀市立 城北小学校 現職教育主任 鎭山 操 教員研修の計画 校 長 白井 邦彦 若年担当者 大岡 昭子 1 研究主題 自分が好き・友だちが好き みんなでつくる授業をめざして ―学び合い,お互いが認め合える体育授業- 2 主題設定の理由 本校の教育目標は「人や自然を愛し 共に生きる 心豊かでたくましい子どもの育成」である。生涯 学習の基礎を培う小学校教育では,確かな力として,生涯にわたって学び続けるための「学び方の基礎」 及び社会生活で必要となる「生き方の基礎」を育てることが大切であると考える。豊かな自己を創るた めの基礎となる教育の営みに力を注ぎ,確かな学力を基盤として,自ら学び,自ら切り拓く力を身につ け,人権意識を培い,豊かに人・もの・ことにかかわり合いながら,共に生きる子どもを育てたいと考 えている。 昨年度までの全国学力・学習状況調査及び香川県学習状況調査の結果から,学校平均が県平均より下 回っている領域が少なくないことから,学力の向上が本校の課題となっている。また,本校の傾向とし て, 学習したことが知識・理解となって定着している子どもとそうでない子どもの間で差が生じており, 学習に対する関心・意欲・態度,自分の思いや考えを伝える力,相手の思いや考えを聴き取る力につい ても,依然として個人差が大きく,話し合いを通してお互いの考えを認め合うことはまだ十分とはいえ ない。 昨年度は,自分の言いたいことが言えることで安心して学習に取り組み,基礎学力の力を伸ばし,友 だちとのコミュニケーションも上手くとれるようにと考え, 伝える力を高める授業づくりに取り組んだ。 そのため,計算力向上を中心として,基礎学力の向上が図れつつある。また,聴く力を高めるために, 「きいてねタイム」を実施し,聴くことに集中する場の設定に取り組んだ。 しかしながら,本校の子どもはまだまだ自分の思いや考えを正しく伝えることができなかったり,一 方的に伝えるだけで相手の思いを正確に聴けなかったりする傾向にある。そこで,本年度は「聴く力」 「伝え合う力」を基盤に「かかわる力」の育成を図り, 「学び合い」を通してすべての児童が活躍できる 「互いに認め合える授業」をめざしていく。 特に体育の授業の中では,お互いが認め合い,かかわり合いながら,技能を高め合え,温かい人間関 係がつくれると考える。また,体育や運動が得意な子ども・好きな子どもだけが学習の中心になるので はなく,運動が苦手な子ども・きらいな子どもも共に学習に取り組み,みんなで学び合うことで, 「体を 動かすことが楽しい・好きだ」と感じる子どもを増やしていく。できる・できないと技術面だけで友だ ちをとらえるのではなく,多面的に友だちのよさを見つける力を育てていきたい。 3 研究主題について (1)みんなでつくるとは 「みんなでつくる」とは,主体的に学ぶことができる授業を教師と子どもでつくるという意味であ る。教師は,子どもの実態に合わせて学習過程をつくっていく。子どもにとって課題解決への必要感 がある学びであれば,課題解決に向けて主体的に運動に取り組むことができるだろう。さらに,教師 が学習内容を明確にした上で,課題解決への意図的な情報を提供するなどの支援を行うことで,教師 の意図的な指導のもとでも子ども主体の授業づくりができると考える。また,このような活動を通し て,教師も子どもたちも自分が好き・友だちが好きといえるような自尊感情を高めるため授業づくり を行っていきたい。 (2)学び合いとは 本校の「学び合い」とは,他とのかかわり合いが行われるグループ活動(ペアを含む) ,すなわち集 団の中で個を育てる活動である。 「学び合う」ことで,一人ひとりの学習(体験)によって得られたも のの見方や考え方を他と交流することによって,課題解決の方法が分かるようになったり,どの子も 自分の考えを述べることができるようになったりできることをめざしている。また,子ども自身が人 と人とのかかわり合いを大切にしながらもう一度自分を見つめ直し,なかまとともに学び続けること ができるようにもしていきたい。 「学び合い」では,学習(体験)を通して自分の意見をはっきりともち,自己表現ができるためには, 友だちとかかわり合うことで,教え合い,認め合い,励まし合い,高め合うことができると考える。 自分の考えを述べることができた喜び,自分の考えを友だちがしっかりと受け止めてくれた喜び,そ れぞれが自分を認め,友だちを認めることにおいて,教えても教えられても対等であるといえる。 「学 び合い」は,自分や友だちの存在感を感じ,喜びを感じることのできる活動である。 このように「学び合い」では,学習目標を達成するとともに,なかまづくりを進める活動もめざし ていく。学び合いに取り組むことにより,本校の目標である相手の良さを認めたり,自分との違いを 認めたりできる子どもたちを育てたい。それが,友だちのことを考えて行動し,よりよい人間関係を 築ける力へとつながっていくと考える。併せて,自ら学ぶ力と思い合う力も育てることができると考 える。 (3)お互いが認め合える体育授業とは 体育の授業では,体育の得意な子どもや技能の優れた子どもだけが活躍するのではなく,苦手な子 どもが学び合いによって活躍できる場を設定していきたい。たとえば,動きの大切なポイントを見つ けたり,友だちにアドバイスをしたり,どんな練習の仕方をしたらよいかなどを考えたりすることで ある。 その学び合いの場によって, 「○○さんが教えてくれて,ぼくは△を直したらいいと気がついたよ。 」 「○○さんのアドバイスのおかげでうまくなったよ。うれしいな。 」 「これに気をつけたら,うまくな りそうだ。 」 「こんな動きもあるんだなあ。知らなかったよ。 」というようにお互いの良さや違いを認め 合える場を設定していくことで,運動が苦手な子も活躍できる場を保障していきたい。 4 研究の視点 (1) 学力向上のための授業改善 ① 学習内容の明確化 ② 単元構成の工夫 ③ 教師の支援 (2)学習したことの生活化 ① 基礎学力の定着→ほくほくタイムの充実 〈毎月第2週 計算チャレンジ週間〉 ② 「聴く力」の育成→「きいてねタイム」の計画と実践 〈毎週金曜日〉 ③ 「かかわる力」の実践→「人を大切にする学習」 「心を育てるプログラム」 〈毎学期 実践・報告・修正〉 ④ 体つくりの習慣化→「J-FIT タイム」 「元気アップタイム」の計画と実施 5 めざす子ども像 (ア) 「学びたい」 「わかりたい」 「できるようになりたい」という意欲をもつ。 (イ) お互いの良さや違いに気つく。 (ウ) お互いが伝え合い,思い合いながら自己表現できる。 (エ) 相手の思いを感受したり共感的に聴いたり理解したりできる。 学習づくり部会 6 研究組織 校長 教頭 現教推進委員会 全体会 運営委員会 習慣づくり部会 各学年団
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