原油価格を知る~変動要因 ①:OPECの供給

ご参考資料
ピクテ・グローバル・マーケット・ウォッチ 2016年5月27日
グローバル
Pictet Global Market Watch
原油価格を知る~変動要因①:OPECの供給
OPEC(石油輸出国機構)の原油生産量は世界の約4割程度ですが、輸出取引量では約6割を占めます。加えて、
低コストで生産余力が大きいため、生産量の調整が比較的容易で、世界の原油市場での需給の調整役として原
油価格への影響力が大きく、最も注視すべき指標の一つです。
図表1: 原油価格要因マップ
原油価格を左右する6つの要因
原油は資源の中でも主要な商品であり、原油価格の
変動は金融市場や実体経済に大きな影響を及ぼす場
合があります。2016年年初は原油価格の変動が金融
市場混乱の一因となりました。原油価格は金融市場は
もちろん、ガソリン価格や原材料費などを通して私たち
の生活にも影響を与えます。原油価格は様々な要因
の影響を受けて変動しますが変動要因としては、以下
の大きな6つの要因が挙げられます(図表1参照)。
①OPEC(石油輸出国機構)の供給、②非OPECの供給、
③OECD(経済協力開発機構)諸国(主に先進国)の需
要、④非OECD諸国(主に新興国)の需要、⑤需給バラ
ンス予測、⑥金融市場動向の6つです。①~⑤のよう
な需給動向はあらゆる市場と同様に原油価格の影響
を図る上でも基本となる事項ですが、加えて、⑥のよう
な米ドル為替レートや投機筋の動向なども影響を及ぼ
しています。
原油の価格動向に大きな影響を与えているのが
①OPECの供給動向です。OPECは世界の輸出取引量
を見ると世界の約6割を占めています。また、生産目標
を掲げ、生産調整を行うため、なかでも生産量の多い
サウジアラビアの影響度が大きくなっています。
②非OPECの供給に関しては、民間企業が主体である
ため、OPECと異なりほぼフル稼働で生産を行う傾向が
あります。非OPECの供給が低水準となれば、OPECに
増産が求められることとなり、OPECの価格影響力が増
すこととなります。
③OECD諸国(主に先進国)の需要は世界の原油消費
量全体の53%に相当しますが、消費量の伸び率は非
OECD加盟国(主に新興国)を大きく下回ります。経済
全体に占めるサービス産業の割合が原油等の燃料を
消費する製造業を上回る傾向が見られ、原油価格の
変動が原油需要に及ぼす影響が比較的小さいのが特
徴です。更に、省エネ化の進展とともにその影響度は
相対的に小さくなってきています。
ピクテ投信投資顧問株式会社
供給
①OPEC
需要
⑤需給
バランス予測
③OECD
原油価格
②非OPEC
⑥金融市場
④非OECD
※OECD:経済協力開発機構 ※OPEC:石油輸出国機構 出所:米エネ
ルギー情報局(EIA)のデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
④非OECD諸国(主に新興国)の消費量の伸びは、
OECD諸国(主に先進国)を大きく上回り、年々影響度
が大きくなっています。非OECD諸国の経済成長率は
原油需要に影響を及ぼし、原油価格を左右する大きな
要因となっています。特に、中国の原油消費量の伸び
が世界の原油消費量の伸びをけん引しています。
⑤需給バランスを見る上で、原油在庫は重要な指標で
あり、需給を均衡させる役割を果たしています。原油や
石油製品は、生産が消費を上回る局面では、予想され
る将来の利用に備えて在庫が増加します。一方、消費
が生産を上回る局面では在庫を取り崩すことによって
不足分を補っています。原油在庫は緊急時のためのス
トックと見なされています。
⑥実需筋、投機筋の原油先物市場動向、インデックス
ファンドや株式、債券、為替、その他商品市況なども影
響を及ぼすと考えられています。
※将来の市場環境の変動等により、当資料記載の内容が変
更される場合があります。
巻末の「当資料をご利用にあたっての注意事項等」を必ずお読みください。
1
5
ご参考資料
Pictet Global Market Watch
グローバル
供給
①【供給】OPEC
需要
①OPEC
原油の価格動向に大きな影響を与えているのが①
OPECの供給動向です。その中でも着目点は1)サウジ
アラビアの原油生産量、2)余剰生産能力、3)OPECの生
産目標に影響する指標(世界の液体燃料生産能力、
GDPなど)などです。
OPECの原油供給と価格~OPEC最大の
産油国サウジアラビアの影響度大
OPEC(石油輸出国機構)の原油生産は、世界の生産
全体の40%程度を占めています(図表1-2参照)。生産
量と同時に重要なのが、OPECの石油輸出が世界中で
取引される原油全体の約6割を占め、民間企業が多く
ほぼフル稼働で生産を行っている非OPECと異なり、低
コスト(図表1-3参照)でかつ生産余力が大きいというこ
とです。それゆえ、生産量の調整が比較的容易なため、
需給の調整役を担っており、原油価格への影響が大き
いことが特徴です。このため、OPECの行動が世界の
原油価格を左右し得ること、特にOPEC最大の産油国
であるサウジアラビアの増産や減産が見込まれると、
原油価格が変動する傾向が見られ、サウジアラビアの
原油生産動向は注視すべき重要な指標の一つです
(図表1-1参照)。
サウジアラビアの生産量増加モメン
タムは低下~原油価格上昇要因に
図表1-1は、サウジアラビアの原油生産量の変動が原
油価格に及ぼす影響を示しています。原油価格が生
産量の変化に反応していることが見てとれます。これま
で、OPECは世界的な需給の変化により原油価格が下
落した際には、OPECの生産量を減少させることによっ
て、原油価格を引き上げてきました。
⑤需給
バランス予測
③OECD
原油価格
②非OPEC
⑥金融市場
④非OECD
図表1-1: サウジアラビアの原油生産と原油価格の推移
四半期、期間:2001年1-3月期~2016年1-3月期
増加
(原油価格
2.5
下落圧力)
原油価格下落す
100 上昇
るも減産せず
%
2014年11月
80
OPEC減産見送り
百万バレル/日
2.0
1.5
生産量
60
1.0
40
0.5
20
0.0
0
-0.5
原油価格
-20
2016年1月
米欧がイラン
経済制裁解除
-1.0
減少 -1.5
(原油価格 01年3月
上昇圧力)
-40
-60
04年3月 07年3月 10年3月 13年3月 16年3月 下落
サウジアラビアの生産変化量(左軸、前年同期比)
原油価格の変化率(右軸、前年同期比)
※原油価格:WTI原油先物 出所:米エネルギー情報局(EIA)のデータを
使用しピクテ投信投資顧問作成
図表1-2: 世界の石油生産シェア 2015年推定
非OPEC
10%
33%
ロシア
60%
OPEC
サウジ
アラビア
40%
29%
※原油以外の生産も含む
出所:米エネルギー情報
局(EIA)のデータを使用し
ピクテ投信投資顧問作成
12% 米国
16%
ところが、2014年半ば以降、米国を中心とした非OPEC
※OPECは生産量では約4割だが、世界の輸出取引量ベースでは
約6割を占めかつ低コストで生産余力が大きいため、生産量の調
諸国のシェールなどの非在来型資源の開発による生
整が比較的容易で、需給の調整の役割を担っており、原油価格
産量の増加などを背景に原油価格が下落しましたが、
への影響が大きい
サウジアラビアを中心にOPECは大きな減産は行わず、
図表1-3: 原油価格の推定採算ライン
2015年には増産に転じており、原油価格の下押し圧力
ベネズエラの国家予算維持
160
となりました。
130
115
110
100
95
90
85
イランの国家予算維持
2016年2月にはサウジアラビアやロシアなど4ヵ国が他
の産油国の同意を前提に暫定的に増産凍結案に合意
するなど、減産にむけた動きが見られ、2016年2月中
旬以降は原油価格の上昇は、原油の生産量増加のモ
メンタム低下によるものと思われます。減産ではなく凍
結なら市場心理に与える影響は限定的で、供給過剰
の状態も続き、逆に協調が決裂すれば、原油価格の
大きな下押し圧力となるため、産油国の生産動向が注
目されます。 (次頁、図表1-4参照)
※将来の市場環境の変動等により、当資料記載の内容が変更さ
れる場合があります。
ピクテ投信投資顧問株式会社
米国シェールオイルの生産採算ライン(最高値)
ロシアの国家予算維持
カナダのオイルサンドの生産採算ライン
航空会社の営業黒字維持水準
サウジアラビアの国家予算維持
米国シェールオイルの採算ライン(平均値)
米国シェールオイルの採算ライン(最低値)
ロシアの原油生産採算ライン
サウジアラビアの原油生産採算ライン
0
7
40
30
米ドル /BBL
20 40 60 80 100 120 140 160 180
※2014年推定
出所:ブルームバーグ、国際エネルギー機関(IEA)、ピクテグループ、各
種資料のデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
記載のデータは過去の実績であり、将来の運用成果等を示唆あるいは
保証するものではありません。
巻末の「当資料をご利用にあたっての注意事項等」を必ずお読みください。
2
5
ご参考資料
Pictet Global Market Watch
グローバル
OPECの原油価格目標を示唆する
指標~余剰生産能力の推移
OPEC(石油輸出国機構)の余剰生産能力(生産能力
-生産量)は、OPEC加盟国が生産能力のうちどの程
度利用しているかの目安で、世界の原油市場の需給
バランスを測る目安としてOPECがどの程度の価格設
定を目論んでいるかを測る指標として用いられます。
米エネルギー情報局(EIA)は産油国の生産能力のうち
現在利用されていない余剰生産能力を、「30日以内に
市場に供給することができ、その後少なくとも90日間供
給し続けられる能力」と定義しています。OPEC最大の
産油国であるサウジアラビアは、これまで、世界最大
の余剰生産能力を有してきており、市場管理のため、
日量150万-200万バレル以上の余剰生産能力を維持
してきました。
OPECの余剰生産能力(生産能力-生産量)は、原油
の生産量が急激に減少するなどの供給危機に対して
の対応能力の指標でもあります。OPECの余剰生産能
力が低水準に達した時には、原油価格にリスク・プレミ
アムが反映され、原油価格の上昇要因となります。
OPEC全体の余剰生産能力は、2003年から2008年に
かけて、日量150万-200万バレル近辺で推移していま
した(図表1-5参照)。これは世界の原油供給量全体の
3%を下回る水準であり、需要が急速に増加した場合を
考慮すると十分な備えとはいえず、原油価格は上昇し
ました。
市場は、OPEC内部あるいはOPEC加盟国間の地政学
的リスクにさらされています。地政学的リスクは歴史的
に見ても原油の供給不足を招いており、OPECの市場
への影響力を考慮すると、実際の減産、あるいは将来
的な減産の可能性は、原油価格に強い影響を及ぼす
可能性があると考えます。
図表1-4: OPEC総会等の動向
2015年6月:生産量目標日量3000万バレル 実際の生産5月3100
万バレル
イラン:核開発制裁解除で日量50万バレル、半年で同100万バレ
ルの増産を言及
2015年5月:ロシアの5月の生産量は日量1070万バレルを超え、
ソ連崩壊以降で最高水準だった2015年1月に迫る
2016年1月:サウジアラビア、イラン国交断絶、米欧イラン経済制
裁解除
2016年2月:サウジアラビアやロシアなど4ヵ国が、他の産油国の
同意を前提に暫定的に増産凍結案に合意
図表1-5: OPECの余剰生産能力(生産能力ー生産量)
と原油価格の推移
四半期、期間:2003年1-3月期~2016年1-3月期(実績)、
2016年4-6月期~2017年10-12月期(予想)
増加
(原油価格
下落圧力)
余剰
生産
能力
低下
(原油価格
上昇圧力)
上昇
原油価格
下落
※原油価格:WTI原油先物
出所:米エネルギー情報局(EIA)のデータを使用しピクテ投信投資顧問
作成
記載のデータは過去の実績であり、将来の運用成果等を示唆あるいは
保証するものではありません。
余剰生産能力低下が予想されており、今
後原油価格の上昇圧力に
OPECの余剰生産能力が相対的に低水準に留まった
2003年から2008年にかけて、原油価格は上昇基調と
なりました(図表1-5参照)。余剰生産能力の低下は、
OPECにとって需要の増加による原油価格の上昇時に
増産が押さえられ、原油収入の増加を制限することと
なります。一方、高い余剰生産能力は、価格上昇時に
おいて増産する能力があることを示唆するため、価格
上昇抑制につながると見られます。
2016年1-3月期まで増加してきた余剰生産能力は低下
が予想されており、今後原油価格の上昇圧力になるも
のと見られます(図表1-5参照)。
※将来の市場環境の変動等により、当資料記載の内容が変更さ
れる場合があります。
ピクテ投信投資顧問株式会社
巻末の「当資料をご利用にあたっての注意事項等」を必ずお読みください。
3
5
ご参考資料
Pictet Global Market Watch
グローバル
OPECは足元の需給動向と将来の需給
見通し両方を考慮し生産目標を調整
石油輸出国機構(OPEC)の原油生産量は、原油価格
を左右する重要な要因です。OPECは、生産目標を設
定することで、加盟国の生産量を管理しています。
OPECの生産目標が引き下げられると原油価格が上昇
する傾向が見られます。
OPECの生産目標に影響する事項のなかでは、将来の
需給見通しも重要な要素の一つです。足元の需給動
向だけではなく、将来の需給見通しは原油価格に影響
を与えます。したがって、OPECは、足元の需給動向と
将来の需給見通しの両方を考慮し、加盟国の生産目
標を調整します。しかし、市場の動向が不透明で状況
が急激に変化する環境では、将来の需給を予測するこ
とは極めて困難です。市場の動向を踏まえたOPECの
生産目標調整に時間のずれが生じることも、原油価格
に影響を及ぼすことがあります。
世界の原油の需給動向を図る上で、注意しなければな
らないのが、原油価格と連動性の高い天然ガス液
(NGL)の動向です。天然ガス液(NGL)はOPECの生産
目標には含まれないことから、原油を含む液体燃料全
体の生産量に大きな影響を及ぼします。
図表1-6は、原油価格の推移と、世界のGDP(国内総
生産)成長率(世界の原油需要の伸びを示唆する指標
)ならびにOPECと非OPECの生産能力の伸び率を表し
ています。2005年から2008年にかけて世界経済が高
成長を記録し原油の需要が高まった一方、生産能力
の伸び率が鈍化したことが原油価格上昇の一要因に
なったと考えられます(図表1-6参照)。一方、2015年に
は世界のGDP成長率が低下し、需要が減退したにもか
かわらず、生産能力が増大したことから、原油価格は
下落しました。2016年の予想では、世界のGDP成長率
の回復と生産能力の減少が見込まれていることは、原
油価格の上昇圧力になると予想され、OPECがこの動
向を念頭に生産目標をどう掲げるかが注目されます。
生産目標の維持に反したOPEC加盟国の
生産動向は原油価格に影響
生産量ならびに原油価格の目標を維持しようとの
OPECの試みとは裏腹に、加盟国が常に目標生産量を
維持するとは限りません。生産目標を維持しようとの加
盟国の意志の欠如は原油価格に影響を及ぼします。
更に、予定外の供給停止がOPECの減産をもたらす場
合もあります(図表1-7参照)。減産量、減産のスピード、
生産再開を巡る不透明感は、いずれも原油価格を大き
く左右します。
ピクテ投信投資顧問株式会社
図表1-6: 世界の液体燃料生産能力、GDPならびに
原油価格の推移
四半期、期間:2004年1-3月期~2017年10-12月期(予想)
9%
米ドル/バレル
世界のGDP成長率(左軸、前年同期比)
8%
世界の液体燃料生産能力の変化率(左軸、前年同期比)
7%
原油価格(右軸)
予想
6%
5%
4%
3%
2%
1%
0%
-1%
-2%
-3%
04年3月
08年3月
12年3月
16年3月
140
120
100
80
60
40
20
0
※2016年1-3月期までは実績、2016年4-6月期からは予想 ※原油価格:
WTI原油先物
出所:米エネルギー情報局(EIA)のデータを使用しピクテ投信投資顧問作
成
図表1-7: 産油国の予定外の供給停止量の推移
月次、期間:2011年1月~2016年3月
4
百万バレル/日
3
OPEC諸国
非OPEC諸国
2
1
0
11年1月
12年1月
13年1月
14年1月
15年1月
16年1月
出所:米エネルギー情報局(EIA)のデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
記載のデータは過去の実績であり、将来の運用成果等を示唆あるいは
保証するものではありません。
図表1-7は、EIAによる月次ベースの予定外の供給
停止量の推計値です。予定外の供給停止量とは、閉
鎖油井の実効生産能力を示しています。予定外の供
給停止は、原油の需給を引き締め、原油価格の上昇
をもたらす可能性があります。足元では、OPECの予
定外の供給停止量が増加しており、原油価格上昇圧
力が強まっています。
※将来の市場環境の変動等により、当資料記載の内
容が変更される場合があります。
巻末の「当資料をご利用にあたっての注意事項等」を必ずお読みください。
4
5
ご参考資料
Pictet Global Market Watch
グローバル
2016年の見通し変化~原油価格の
上昇要因が増加
図表2: 原油価格要因マップ 2015年
供給
①OPECの供給動向:OPECは原油価格の下落にかか
わらず2015年は増産に転じており、原油価格の下押し
圧力となりました。2016年年初来からは、原油の生産量
増加のモメンタムは低下し、生産余剰能力も低下が予
想されており、今後原油価格の上昇要因となると見られ
ます。
①OPEC
増加
⑤需給
バランス予測
③OECD
原油価格
下落
②非OPECの供給はシェールなどの非在来型の石油供
給の増加が牽引し増加しました。2016年に入って、コス
トが高い不採算油井の閉鎖などを背景に、増加のモメ
ンタムが急低下し、減少が予想されています。
③OECD諸国(主に先進国)の2015年の需要は原油価
格の下落を背景に増加しました。2016年は原油価格に
底打ち感も見られることから小幅増加が予想されます。
需要
増加
2015年年間
53.27ドル/バレル→37.04 -30%
②非OPEC
⑥金融市場
④非OECD
図表3: 原油価格要因マップ2016年 足元
④非OECD諸国(主に新興国)の2015年の需要はGDP
成長率の低下にもかかわらず、人口増、経済成長を背
景に消費量は引き続き増加しました。2016年も消費量
拡大が予想されます。
供給
需要
①OPEC
減少
⑤原油在庫を見ると、2015年は原油価格は現物価格以
上に先物価格が上昇し、将来的により高い価格で売れ
るとの思惑が働き、在庫は積み上がりました。2016年に
入ってからも在庫は高水準にありますが、足元では先
物価格以上に現物が上昇しており、在庫の取り崩しが
予想されます。
⑤需給
バランス予測
③OECD
小幅
増加
上昇
原油価格
年初来2016年5月23日まで
+30%の48.08ドル/バレル
②非OPEC
⑥金融市場
⑥金融市場を見ると、近年、原油価格とS&P500種株価
減少
指数の間には正の相関が見られる一方で、原油価格と
ドル・レートならびに米国国債との間には逆相関が見ら
マイナス要因
れます。2015年は、主要通貨に対してドル高傾向となり、
プラス要因
投機筋のネットポジションが低下するなど、原油価格に
はマイナス要因が多くなっています。2016年に入ってか
らはドル安傾向、投機筋のネットポジションは拡大して 図表4:原油価格推移
月次、期間:1996年4月~2016年4月
おり、原油価格のプラスの要因が増加しています。
160
(図表2、3参照)
増加するも
モメンタム低下
増加
④非OECD
増加
米ドル/バレル
140
120
※将来の市場環境の変動等により、当資料記載の内
容が変更される場合があります。
100
80
60
40
20
0
96年4月
00年4月
04年4月
08年4月
12年4月
16年4月
※原油価格:WTI原油先物
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
当資料をご利用にあたっての注意事項等
●当資料はピクテ投信投資顧問株式会社が作成した資料であり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場
の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。●運用による損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。●当資料に記載された過去の実績は、将
来の成果等を示唆あるいは保証するものではありません。●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、その正確性、完全性、使用
目的への適合性を保証するものではありません。●当資料中に示された情報等は、作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。
●投資信託は預金等ではなく元本および利回りの保証はありません。●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構の対象
ではありません。●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象とはなりません。●当資料に掲載されているいかなる情報も、法務、
会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するものではありません。
5
5