解析序論 1 中間 1 (2016 年度 (5 月 24 日)) 森 真,立井博子 (1) f (x, y) = (xy)2/3 が (0, 0) で全微分可能なことを示してください. √ f (x, y) = xy ではどうか. 解. f (x, y) = (xy)d とおくと ( )d r2d cosd θ sind θ R sin 2θ 2d−2 √ = r = x2 + y 2 r2 2 であるので,d > 1 2 ならば全微分可能,d = 1 2 は全微分可能ではない.□ (2) f (x, y) = |x + y| とする. (i) |x + y| < ε である領域を図示し,その領域に内接する円の半径を 求めてください. (ii) f (x, y) は (0, 0) で連続なことを示してください. 解. (ε, 0),(0, ε),(−ε, 0),(0, −ε) の 4 点を頂点とする帯状の領域なの で,内接円の半径は √ε . 2 したがって,δ = √ε 2 と選べば連続 □ (3) f (x, y) が (a, b) で C 1 級ならば全微分可能なことを示してください. 解. C 1 級なので,平均値の定理より f (x, y) − f (a, y) = f (a, y) − f (a, b) = ∂f (c, y) ∂x ∂f (a, d) (y − b) ∂y (x − a) をみたす c, d がそれぞれ a と x の間および y と b の間に存在する.し たがって, ( ) ( ) f (x, y) = f (a, b) + f (x, y) − f (a, y) + f (a, y) − f (a, b) とすると R = (x − a) ( ) ( ) ∂f ∂f ∂f ∂f (c, y) − (a, b) + (y − b) (a, d) − (a, b) ∂x ∂x ∂y ∂y したがって,x → a かつ y → b ならば c → a かつ d → b なので R √ →0 (x − a)2 + (y − b)2 が導ける. □ (4) f (x, y) を x = r cos θ, y = r sin θ とおくことで,次の式を示してくだ さい. (i) ∂f ∂f ∂f = cos θ + sin θ, ∂r ∂x ∂y ∂f ∂f ∂f = − r sin θ + cos θ ∂θ ∂x ∂y (ii) ∂2f ∂2f ∂2f 1 ∂2f 1 ∂f + = + + ∂x2 ∂y 2 ∂r2 r2 ∂θ2 r ∂r (5) f (x, y) = x2 + y 2 とします.v = (cos θ, sin θ) について Dv f (1, 1) を求 めてください.さらに Dv f (1, 1) を最大にする θ を求めてください. 解. (1 + h cos θ)2 + (1 + h sin θ)2 − 2 = 2 cos θ + 2 sin θ h→0 h Dv f (1, 1) = lim したがって,θ = π 4 のとき最大になる. □
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