毎食が子どもたちへのメッセージ

特集
給食ができ
るまで…新荘小
学校、5月10日
・毎日の検食・
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3
2
1
できあがった給食は、野菜などもすべて加 献立や児童にあわせ 野菜は3回洗浄!
検食や保存用の分を 熱。加熱や冷却の温 て切り方を工夫
取分けた後、各クラ 度は測って記録
スごとに台車に乗せ
て配膳室へ
荷受け後、原材料を
各50g程度ずつ取り、
-20℃以下で2週間
以上冷凍保管
いただきます♪
適切
異物混入がないか、
るか
い
て
れ
さ
な調理が
認(新
確
に
前
事
、
を
ど
な
教頭)
荘小学校所美由紀
子どもたちが大好きな学校給食は、たくさんの人に支えられています。安全で安
心できるものをしっかり食べてもらいたい、そして食事や健康について、自分の力
で考え、向き合う力を身につけてほしい―毎日の給食に込められたたくさんの愛情
は、究極の隠し味。楽しく食べてもらうためのさまざまな工夫も行われています。
今回の特集では、子どもたちの元気を応援する学校給食について紹介します。
問合せ/学校教育課(☎306-8673)
安全安心
毎食が子どもたちへのメッセージ
おいしい給食を
子どもたちのもとへ
子どもたちが毎日食べる給食は、
栄養教諭・学校栄養職員や調理員
をはじめ、生産者、納入業者、検
食者、そして給食当番など、たく
さんの人の手をとおして、一人一
調理の分担や一人一人の
作業内容、食品の動線な
どを毎回作成。これを見
て調理の手順や流れを確
認する
人のもとに届けられます。毎食に
献立や栄養価、食物アレルギー対応、検食の状況など
を記録している給食日誌のほか、産地や品質、鮮度な
どを確認する食品検収簿、温度記録簿など、一つ一つ
記録に残す
込められた気持ちもまるごと味
毎日記録する書類がこんなにたくさん!
わってくださいね。
調理指示書には、一人分の材料や
調味料の量、作り方などが細かく
記載されている
子どもたちが笑顔になる献立づくり
3
献立作成は、3か月程前から始まります。
庭でも作りやすい献立になっているので、
子どもたちのことを考えながら何度も検討
ぜひ参考にしてみてください。
を重ね、一つの献立が完成。食文化につい
学年があがるにつれて、しっかり食
ての理解を深める機会として活用したり、
べられるようになっていく姿や、
「お
季節の味を知ってもらうために、旬の食材
いしい!」と言ってくれる笑顔を見る
をたくさん使った献立を用意したりしてい
と、また頑張っておいしい給食を作ろ
ます。
う!という気持ちになります。給食
給食の時間中は、子どもたちの様子を見
をとおして、楽しく学びながら食
て回ったり、教室で食育のお話をしたりし
に関する知識を身につけていっ
ます。給食の感想を聞いて、参考にするこ
てほしいです。
とも。
「作り方を教えて!」
と声をかけてく
新荘小学校 れる子もいて、うれしいですね。給食は家
栄養教諭 柏智美さん
2016. 6. 1 広報みと
【水戸市産のコシヒカリ】
学校給食のごはんは、水戸市産100%。
【鮭の梅ソースかけ】
かつて水戸藩の献上品だった那珂川の鮭にちなみ、主菜の一品として登
場。偕楽園の梅が有名なことから、梅干しを使った梅ソースでさっぱり
とした味わいに。
【キャベツの昆布あえ】
あ
キャベツ、きゅうり、小松菜などと塩昆布を和えて食べやすく。
【みとっぽ汁】
にんじん、だいこん、ねぎなど、水戸でもとれる地場産物を使った具だ
くさんの味噌汁。
日本遺産認定1周年献立が登場
弘道館や偕楽園をはじめとする教育遺産の日本遺
産認定から1周年。食材を通じて郷土への愛着を
深めてもらおうと、市内の学校では、記念の献立
が登場しました。給食とあわせて、
「水戸の教育
遺産」
についての学習も行い、理解を深めました。
2016. 6. 1 広報みと
2
特集
特集
開発メニュー2
【みとちゃんごぼうメンチカツ】
楽しく学んで、楽しく食べる
地元のおいしい食材に触れ
地元で作られている
食材を知る
地産地消とは、地元で生産され
たものを地元で消費するという意
味です。学校給食では、地域の食
材をたくさん使っています。地場
産 物 の 活 用 は、 旬 の 食 材 を 知 り、
味 わ う ほ か、 地 域 の 自 然 や 文 化、
産業などに関する理解を深め、生
産者の努力や食材に感謝する気持
ちを育むことにつながります。ま
27
た、食材の安全確保にもつながり
35
50
ます。
30
市の学校給食における地場産物
の使用割合は、 ・5%(平成 年
度)
。国
( %以上)
や県
( %以上)
の目標値よりも上回っています。
ま た、 市 の 郷 土 料 理 や 特 産 物、
地場産物などをたくさん使った献
立を
「みとちゃん献立」
と名付け、各
学期に1回ずつ実施。食事の前に
献立の内容や食材について学ぶな
けとなっています。
また、それぞれの食材について
は、毎回放射性物質の簡易測定を
行い、給食だよりやホームページ
などで保護者の皆さんにお知らせ
しています。
食への関心を高めて
自分の力で健康をつくる
子どもの頃に身についた食習慣
は、成長してからの食習慣にも大き
各学年とも年に2回以上行います。6年間コツコ
ツと続けることで、食に関する知識や習慣が自
な影響を与えると言われています。
食育サポーターに協力してもらったりするなど、
市では、栄養教諭や学校栄養職
員を中心として、給食時間をはじ
活動などを利用して、生産者を招いたり、学生
め、学級活動や各教科の中でも食
わせて表現や内容を変えています。授業は学級
に関する指導を進めています。子
設け、学年に合
ど も た ち が 食 へ の 関 心 を 高 め て、
ごとにテーマを
食事のとり方や栄養バランスと
とり方など、月
いった食に関する知識や能力など
スの良い食品の
を学ぶことで、将来、健康な生活
マナーやバラン
地産地消
地元のおいしい恵みに感謝して
ど、郷土への愛着を深めるきっか
食育
を送る力を身につけてほしいと考
導では、食事の
小吹町のパプリカを使っ
たパン。細かく切ってシ
ロップで煮たパプリカを
パン生地に練りこんでい
て、ほんのり甘みがある。
平成25年度から給食に登
場。愛称の
「パプリンパ
ン」は、市内の学校から
募集したもの
飯富町のごぼうと県内産
豚肉を使ったメンチカツ。
ごぼうはサイコロ状に
カットして、全体の30%
ほど配合している。外は
サクサク、中はジューシー
で、子どもたちにも人気。
平成27年度から給食に登
場している
給食は生きた教材
えています。
食に関する指
開発メニュー1
【パプリカパン(パプリンパン)】
然と身につくといいなと思います。
楽しく学びつつ、楽しく食べることも伝え
ていきたいですね。バースデー給食な
ど、ランチルームでいつもと違った雰
囲気のなかで食べる給食は、みんなと
ても楽しみにしてくれています。
給食は食事の基本の形。学
校のお母さんになったつもり
で取組んでいます。自分で食
事や健康の管理をするように
なったときに、
「そういえばこ
んなことを言っていたな」と思
い出してもらえればうれしい
ですね。
石川小学校
栄養教諭 磯山仁子さん
学生食育サポーター
平成25年度から、大学と連
携して学生食育サポーターを
派遣しています。
学生食育サポーターに登録
している学生は、大学で栄養
学をはじめ、食に関する専
門的な知識と技術を学んで
います。その専門性を生かして、学校の家庭
科の調理実習や給食の時間など
に、食の大切さや、はしの使い
方といった食事のマナーなど、
子どもたちの学びを支援して
います。
姉妹校形式
栄養教諭・学校栄養職員は、国の配置基準
に基づいて、市内の48校に対し21名が県から
配置されています。
市では独自に栄養教諭などの配置校と未配
置校とを
「姉妹校」
としてグループ化。姉校の
栄養教諭が妹校の学級担任らと協力して食に
関する指導を充実させています。また、学校
内に、給食のことや旬の食材などについて掲
示して、どの学校でも子どもたちが楽しく学
べるよう
に工夫し
ています。
学校給食は保護者の皆さんに支えられています
学校給食にかかる費用
経費
負担区分
は、学校の設置者である 施設や設備の整備費・
修繕費、人件費
市と、保護者とで負担し
水戸市
光熱水費
ています。各家庭が納め
食材料費
保護者
る給食費は、子どもたち
の給食の食材料費に充てられています。
また、これまで給食費の管理は学校ごとに行っていまし
たが、平成28年4月から市で管理を行う公会計に移行しま
した。
公会計化の目的
・事務の効率化による教育時間の確保
・収納強化による保護者負担の公平性
・学校給食会計の一層の透明性の確保