演習(5/25実施)

数学 B 演習 第 1 回
2016 年 5 月 25 日 (水)
担当: 田中 冬彦1
問 1. 以下の無限級数について絶対収束・収束を判定しなさい. (収束する値を求める必要
はない.)
∞
∞
X
X
(−1)n
(1 − i)n
(a)
,
(b)
,
2+i
n−2
n
3
n=1
n=1
問 2. 領域 D 上の複素関数 f について, 以下の条件は f が連続であることの必要十分条件
であることを示しなさい.
(a) 複素共役 f¯ が連続
(b) 実部 Ref , 虚部 Imf がともに連続
問 3. 以下の複素関数 f1 , f2 , f3 , f4 が C 上で連続関数になっていることを示しなさい. (前
問の結果を用いてよい.) f1 (z) := z̄, f2 (z) := Rez, f3 (z) := Imz, f4 (z) := |z| (ヒント: f4
¯
¯
は不等式 ¯|z| − |w|¯ ≤ |z − w| を利用.)
問 4. 複素定数 a0 , a1 , . . . , an を固定するとき, n 次多項式
f (z) := a0 + a1 z + · · · + an z n
は C 上, 連続関数であることを示しなさい. (定数関数 g1 (z) = 1 と g2 (z) = z の連続性か
ら, 数学的帰納法を用いて示せばよい.) 同様に n 次の負べき多項式
f (z) := a0 + a1 z −1 + · · · + an z −n
は C \ {0} 上, 連続関数であることを示しなさい. (定数関数 g1 (z) = 1 と g2 (z) = 1/z の連
続性から, 数学的帰納法を用いて示せばよい.)
問 5 (オイラー公式と極形式). z1 , z2 を任意の複素数とする.
(a) z1 = r1 (cos θ1 + i sin θ1 ), z2 = r2 (cos θ2 + i sin θ2 ) とかくとき, 三角関数の加法定理を
用いて z1 z2 を極形式で表しなさい.
(b) eiθ = cos θ + i sin θ と ei(θ1 +θ2 ) = eiθ1 eiθ2 を用いるとどうなるか. 前問と一致するか.
問 6. 複素数を引数とする一般の三角関数に関する加法定理
cos(z + w) = cos z cos w − sin z sin w,
z, w ∈ C
を ez+w = ez ew などを用いて示しなさい.
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たなか ふゆひこ, 基礎工学部 J 棟 J612 号室, [email protected]
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問 7. 双曲関数について以下の各問に答えなさい.
(a) cosh(iz) = cos z, sinh(iz) = i sin z を示しなさい.
(b) cosh z cosh w + sinh z sinh w = cosh(z + w) を示しなさい.
(c) z = x + iy, x, y ∈ R として, cosh z の零点を求めなさい. (z = a が f (z) の零点とは
f (a) = 0 と定義する.)
問 8 (de Moivre 公式). 任意の複素数 z(z 6= 0) を z = r(cos θ + i sin θ) とあらわすとき,
z n = rn (cos nθ + i sin nθ)
を示しなさい. 上の結果で r = 1 とおくと de Moivre 公式が得られる.
(cos θ + i sin θ)n = cos nθ + i sin nθ
問 9 (1 の原始 n 乗根).
代数学の基本定理:
複素数を係数にもつ多項式 P (z) = z n + a1 z n−1 + · · · + an−1 z + an は重複を許してちょう
ど n 個の根をもつ. (z = α が P (z) = 0 の根であるとは P (α) = 0 をいう. )
(a) z n = 1 の n 個の根をすべて求めなさい.(n ≥ 1.) n = 5 の時, 5 つの根を複素平面上に
表しなさい.
(b) z n = 1 の根のうち 1 をのぞいたもので偏角が最小の根を 1 の原始 n 乗根とよぶ. 1 の
原始 n 乗根を ωn とあらわすことにする. ωn は以下を満たすことを示しなさい.
ωnn−1 + ωnn−2 + · · · + ωn + 1 = 0
参考:
上の恒等式は ωn を (ωn )2 , (ωn )3 , . . . , (ωn )n−1 に置き換えても成り立つ.
問 10. 以下の方程式の解を求めなさい.
(a) z 2 = 12 + 5i, (ヒント: z = x + iy とおいて求めてみよ. )
π
(b) z n = i, n は自然数. (ヒント: i = e 2 i = αn のようにおいて, (z/α)n = 1 を解く. )
URL: http://bayes.sigmath.es.osaka-u.ac.jp/ftanaka/T/305.html
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