開発と地域の多様性 経済学パラダイムの再考

開発と地域の多様性
経済学パラダイムの再考
I.
言葉を使う側と対象となる側の間のズレ
•
「開発」と「文化」という用語さまざまな使用
先進国による「開発」の慣用法:紙幣支出を伴う事業の拡
1.リゾート開発
2.人材開発
「文化」の慣用法:
1.生活水準を保障した上で、やすらぎ
2.日常生活と切り離された世界;自己開発のため)
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開発と地域の多様性
経済学パラダイムの再考
I.
言葉を使う側と対象となる側の間のズレ
•
さまざまな経済状態の中の「文化」
『経済成長の諸段階』(Rostow著1960年)によると、国の
「段階」の測定(変数)は、国の全社会を特徴づけるこ
とが可能である。(例=豊かな国、貧しい国→ 豊か
な国に貧困層もあるし、貧しい国に富んだ人もいる
その問題点:さまざまな国や、一つの国の全社会は、
同時に同じ段階をのぼることもしないし、
同じ変数に従うこともない
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開発と地域の多様性
経済学パラダイムの再考
II. 開発思想の系譜と経済学
1. 冷戦による共産主義への反対、
紙幣経済の優先、
経済成長の中心化
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http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/hakusyo/pdfs/2004_g7.pdf
開発と地域の多様性
経済学パラダイムの再考
II. 開発思想の系譜と経済学
2.自給持続可能な生活から「物質」、「もの」の欲望へ
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開発と地域の多様性
経済学パラダイムの再考
II. 開発思想の系譜と経済学
3.(科学)技術による自然の管理、
数値上のデータによる社会、人間の予測や管理
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開発と地域の多様性
経済学パラダイムの再考
II. 開発思想の系譜と経済学
4.一方的に語れる対象となる国に「ニーズ」、
一方的に実現される「開発」
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開発と地域の多様性
経済学パラダイムの再考
III. 分析単位
マクロ経済的な測定・開発「レベル」の測定
• 経済的な測定の対象
– 貨幣システムの有無
– 貨幣経済の循環
– 国家間の為替相場(レート)
– 国全体の「国民総生産」(企業、商業のみによる)
• 教育施設や内容
– 近代教育施設での就学率・高学年の就学率
• 工業化
– 貿易・輸出志向経済むけの生産物・生産率
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開発と地域の多様性
経済学パラダイムの再考
III. 分析単位
• 貧しい国々への構造調整策の「処方箋」には
多様性がない
• 一国のさまざまな地域への「処方箋」には多
様性がない
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緑の革命に伴う換金作物栽培問題:ユーカリ畑のやせた土
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タイ北部カレン族の市民 ~ 土地や資源を自発的に守る会
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工業化・緑の革命以降使われてきた農耕機械
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(
多
摩
川
)
工
業
化
・
化
学
物
質
が
お
こ
し
た
魚
類
の
問
題
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