G7 エネルギー大臣会合共同声明 概要 グローバル成長を支えるエネルギー安全保障のための 北九州イニシアティブ ●熊本及び大分の地震の犠牲者への哀悼及び、被災者との連帯の意を表明。 自然災害に備え、エネルギーシステムの強靱化に取組むとともに、災害 時の緊急時対応の重要性を確認。 ●北九州市による、女性や子供によるエネルギー関連の支援に留意。 ●エネルギーは世界の経済成長において重要な役割を担う。エネルギー分 野への投資は経済成長と排出量抑制の両立に役立つ。 ●エネルギー安定供給、経済効率性、環境への適合及び安全性(3E+S) の要請への対応は、全ての国にとって継続的な挑戦。よりよく機能する 市場、多様化されたエネルギー源、省エネの強化などが必要。 ●パリ協定の早期実施のため、世界経済の脱炭素化を可能とするエネルギ ーシステムへの移行に向けて決意。 1.成長を支えるエネルギー投資 ●エネルギー価格低迷の中、長期的エネルギー供給確保と世界経済の成長 下支えのため、官民による継続的上流投資が重要。そのために、G7 が 協調して上流投資促進に向けた取組みを主導していく。 ●インフラ需給ギャップ解消のため、国際開発金融機関等に対し、質の高 いエネルギー・インフラ投資促進を奨励。 ●クリーン・エネルギー促進のためには、技術革新を支援するための投資 が重要。 ●エネルギー分野の雇用に関する議論を実施。 2.エネルギー安全保障 ●天然ガスについて、日本とEUの LNG 戦略を歓迎し、①仕向地条項の 緩和、②LNG の需給を反映した価格指標の形成、③ガス・インフラの 整備などを通じて、柔軟で流動性のある市場の発展を後押しする。 ●ガス安定供給に向け、国際エネルギー機関(IEA)による天然ガスセキ ュリティ強化パッケージ(①ガス需給データ整備、②緊急時訓練の実施、 ③ガス市場定期レポートの開始)を歓迎する。本年 11 月の LNG 産消会 議(東京)等を活用し、協力を継続。 ●エネルギー分野のサイバーセキュリティ対策に関し、分野と地域を越え た専門家同士の連携を加速し、サイバー攻撃に関する情報や知識を共有 し、エネルギー分野での対策に資するツールや技術の調査を実施する。 ●電力安定供給の重要性を認識。再生可能エネルギーの拡大や、より広域 に統合した系統運用に対応した、新しい電力市場のデザインや規制の枠 組みを目指していくことで一致。このために、IEA や国際再生可能エネ ルギー機関(IRENA)に対し、引き続き先進的な分析や政策提言を行う ことを要請。 ●エネルギーを、政治的威圧の手段として利用すべきでない。G7 による ウクライナのエネルギー支援の進捗レポートをとりまとめ、発表。ウク ライナに野心的なエネルギー政策の改革を求めるとともに、今後も G7 が一致協力して支援。 ●国際的なエネルギー分野における新興国の重要性拡大を再認識。IEA に よる、新興国との関係強化の取組みを歓迎。 3.持続可能なエネルギー ●クリーン・エネルギーの技術革新のための協力強化を確認。 ●G7 として「ミッション・イノベーション」を通じて、エネルギーの技 術革新を後押しすることで一致。研究開発機関同士の連携を強化。IEA のエネルギー技術ロードマップ第2弾の開始を歓迎し、進捗を報告する ことを要請。 ●省エネは、経済の脱炭素化を進めつつエネルギー安全保障を強化する上 で、鍵となる「第一の燃料」。省エネ関連の取組みに関する国際協力を 支持。IEA に対し、省エネ手法の分析を含む取組みの強化と進捗報告を 要請。 ●国際原子力機関(IAEA)による福島第一原子力発電所の過去 5 年の状 況改善報告に留意し、廃炉・汚染水対策の着実な進展を歓迎。福島の状 況に関する正確な国際的理解に向けて、継続的な放射能汚染や空間線量 の状況調査及び科学に基づく情報発信が行われていることを歓迎。 ●原子力利用国において、原子力政策に対する社会的理解を高めるために、 科学的知見に基づく対話と透明性の向上が極めて重要。 ●原子力の利用を選択する全ての国に対し、高いレベルの原子力安全、核 セキュリティ及び核不拡散を確保し、その専門的知見や経験を共有する ことを要請。このため、国際機関等を通じた協力や情報共有が行われる ことを歓迎。
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