リビアを巡る 最近の石油・天然ガス情勢 2006年11月15日 日本リビア友好協会勉強会 (独)石油天然ガス・金属鉱物資源機構 菊池 崇 野神隆之 石油・天然ガス埋蔵量及び生産量 確認埋蔵量 原 油 391億バーレル(2005年末) (世界第9位、アフリカで第1位、R/P=63年) 天然ガス 52.6兆立方フィート(2005年末) (世界第22位、アフリカで第4位、R/P=100+年) 生産量 原 油 170万バーレル/日(2005年) (世界第17位、アフリカで第3位) 天然ガス 4,015億立方フィート(2005年) (世界第36位、アフリカで第4位) (出典:BP統計) 1 リビア石油生産量推移 日量百万ハ ゙レル 4 革命政権誕生 3 国有化完了 ILS A 法解除 国連リビア制裁決議停止 2 国連リビア制裁決議 ILS A 法成立 米国系石油会社撤退 1 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 0 出典:BP統計 2 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 リビア天然ガス生産量推移 日量億cf 12 10 8 6 4 2 0 出典:BP統計 3 リビアの主な原油油種 油種 API比重 硫黄分 生産量(日量万バレル) 主な油田 積出港 備考 Es Sider 37.0 0.27 35 Defa、Dahra、Gialo、Waha Es Sider OPECバスケット価格基準油種 Sarir 37.6 0.16 32 Sarir Marsa El Hariga Brega 39.8 0.20 12 Nafoora、Augila Marsa El Brega Bouri 26.3 1.91 8 Bouri Bouri Sirtica 42.2 0.40 6 Nasser Ras Lanuf Zueitina 41.5 0.31 5.5 Intisar Zueitina Amna 36.1 0.15 5 Amal Ras Lanuf 高流動点(ワックス高含有) 合計 103.5 ※硫黄分の単位は% 出典:各種資料より作成 4 リビアの石油・天然ガス関連施設 出典:IEA 5 リビアの主な原油輸出先(2005年) アフリカ, 24 アジア太平洋, 81.7 その他, 0.3 北米, 64.7 西欧, 1135.6 ※西欧:イタリア、ドイツ、スペイン、フランス等 ※単位:日量千バレル 出典:OPEC統計 6 リビアの石油産業体制 1.~2006年3月エネルギー省と国営石油会社 (NOC)が所管→両者の主導権争い 2.2006年3月エネルギー省消滅(産業・電気・鉱山 省)に吸収 3.同時にガネム前首相(2003年6月~2006年3月) がNOC総裁に就任 4.2006年9月リビア石油・ガス検討委員会(Council for Oil and Gas Affairs) 設立:リビア石油・ガス 産業の監督等を実施(ガネムNOC総裁も委員就 任) (ガネムNOC総 裁) 7 リビアのEPSA-Ⅳ鉱区入札 1.2005年1月29日:第一次鉱区入札実施 2.2005年10月2日:第二次鉱区入札実施 3.2006年8月14日:第三次鉱区入札発表 既に説明会及び資格審査等を実施 4.2006年12月20日:第三次鉱区入札実施(予定) 5.2007年1月前半:第三次鉱区入札に係る契約調印(予定) 8 第三次入札対象鉱区 鉱区は主に既 開放盆地に位 置 但し比較的探 鉱の行われて いない地域 (Cyrenaica)で も鉱区設定 9 最近のリビア石油・天然ガス産業 を巡る主な動き(1) 1.2004年3月24日:ShellとNOCがリビアでの上流部門(陸上 探鉱・開発、LNG)での協力に係る覚書を締結 2.2004年10月7日:リビアとイタリアを結ぶパイプライン(シ チリア島経由)開通 3.2005年1月:第一次鉱区入札実施(前述) 4.2005年7月:OccidentalがIntisar鉱区での操業復帰 5.2005年9月~:Tamoil(イタリア等で石油精製・販売)の株 式売却交渉 10 最近のリビア石油・天然ガス産業 を巡る主な動き(2) 6.2005年10月:第二次鉱区入札実施(前述) 7.2005年11月~:ShellとNOCが陸上で地震探鉱作業を実 施(2007年中頃まで実施予定)、2007年後半には掘削作 業を計画 8.2006年1月:BPとNOCがLNGを含む大規模天然ガスプロ ジェクトにつき覚書を調印 9.2006年2月?:オアシス・グループ(Hess、ConocoPhillips、 Marathon)がWaha鉱区での操業に復帰することでNOCと 合意 11 最近のリビア石油・天然ガス産業 を巡る主な動き(3) 10.2006年3月:エネルギー省消滅、ガネム前首相NOC総裁 就任(前述) 11. 2006年6月:露GazpromがNOCと天然ガスインフラ及び生 産に係る分野での協力につき覚書を締結 12.2006年8月:第三次鉱区入札発表(前述) 13.2006年9月:石油・ガス検討委員会発足(前述) 12 今後の展望 1.ガネムNOC総裁:2007年には石油生産能力日量200万バ レル、5~7年以内に日量300万バレルを計画(2006年9月 12日) 2.パイプラインによる天然ガス輸出のみならずLNGによる 輸出、国内天然ガス資源開発を促進すべく天然ガス政策 について検討中。 3.製油所(Ras Lanuf、Azzawia、Tobruk、Brega等)、石油化 学コンビナート施設等の高度化につき外国企業の参入を 希望 13 リビア石油生産見通し 出典:IEA 14 ガスの重要性 リビアの専門家によれば、同国のガス埋蔵量 は1兆9,500億~2兆7,900億m3(LNG換算約 7,000~9,800万トン×20年;BP統計によれば、 1兆3,100億m3)と言われている。 新規探鉱においては、石油よりガス発見の可 能性が高いとも言われ、ガスのマーケティング は参入を考える国際石油企業(IOC)にとって も重要な課題。 15 WLGP(Western Libya Gas Project) 16 Shellのガス (LNG)開発 17 今後の天然ガス生産見通し 出典:IEA 18
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