力学1 木曜日3・4限 2回目 概要 担当教員:武若聡、松田昭博 オフィスアワー:随時 できればメールで連絡してください [email protected] [email protected] 成績:期末75%,演習25%(60%以上) 関連科目:解析学,力学Ⅱ,数学序論,線形代数 一般座標(p.10) 直交する座標での位置(x,y,z)が他の変数(q1,q2,q3)の 関数として、 x=x(q1,q2,q3) y=y(q1,q2,q3) z=z(q1,q2,q3) と書けて、 (x,y,z) と(q1,q2,q3)に一対一の関係があると き、(q1,q2,q3) を一般座標、もしくは、一般化された座標 という。 自由度:運動を決めるのに必要な独立変数の数 一般座標(p.10) 極座標(2次元) 平面上の1点Pの位置を距離rと角度θで表す。 x=x(r, θ)=r cosθ y=y(r, θ)=r sinθ xとyはrとθによってただ一つ(一義的に)もとまる y y r x y , tan x 2 2 1 r 自由度2の一般座標といえる。 θ O x 一般座標(p.10) 極座標(xy平面上の円運動)の速度を計算する x=x(r, θ)=r cosθ y=y(r, θ)=r sinθ v x x r cos r sin v y r sin r cos y y df ここで、f (ニュートンの記号) dt 等速円運動の場合、 r A, r 0, t, vx A sin t ,v y Acos t A θ O x 一般座標(p.10) 2次元の極座標での加速度を計算する v x x r cos r sin v y r sin r cos y 速度を時間で微分して加速度を求める。 a x v x r cos rsin rsin r cos r sin r cos 2rsin r cos 2 r sin a y v y rsin 2rcos r sin 2 r cos 3次元の極座標:球座標(p.11) z 3次元の極座標は以下のとおり。 P x r sin cos θ r y r sin sin z r cos r, , を球座標という。 y x 座標を時間で微分すると速度ベクトルが求まる。 v x r sin cos r cos cos r sin sin v r sin sin r cos sin r sin cos y v z r cos r sin 3次元の極座標:円筒座標(p.11) 3次元の円筒座標は以下のとおり。 x cos y sin zz 座標を時間で微分すると速度ベクトルが求まる。 v x x cos sin v x y sin cos z P v z z らせん運動は、 a, t, z vt z x ρ y 2次元の極座標の応用:カム機構 カムの回転軸からカム棒へ接触する点までの距離をr とすると、カム棒のy方向の速度vは r となる。 カムがθ=ωtで回転し、 カム棒の速度が一定の場合 y dr d dr dt dt d dr v d v 角度θで積分して v v2 r C, r C(ABに対して対称) A θ x O B 2. 質点の力学(p.16) 力:物体の運動を引き起こす原因になるもの、ベクトルで表 すことができる。 力の合力(F=F1+F2) 二つの力が同時に働くとき、物体にはその合力Fが働く F1 F1+F2 P F2 質点の力学における運動の法則 第1法則(慣性の法則) 第2法則 力を受けない質点は、静止したままか、等速直線運動をする。 質量mの質点に力Fが作用すると、力の方向に加速度aを生じる。 加速度の大きさはFに比例し、mに逆比例する。 第3法則(作用・反作用の法則) 一つの質点Aが他の質点Bに力Fを及ぼすとき、質点Aには質点B から-Fの力が働く。 慣性座標系、慣性系 慣性座標系、慣性系:第一法則が成立する座標系 地球表面では、地球の自転および公転による加速度を受ける。そのた め、慣性系とは置けないが、地球表面上の狭い範囲での運動を取 り扱う場合、地表面に固定した座標系を近似的に慣性系であると みなす。 運動方程式(第2法則から) ma mr F ma x Fx , ma y Fy , ma z Fz mx Fx , my Fy , mz Fz この微分方程式を解くことでx,y,zがtの関数として決まる。 ある時刻における位置rと速度v0を与える必要がある(初期条件) 力の単位 F=maにおいて、 MKS単位:1kgの物体に1m/s2の加速度を生じる力を1N(ニュート ン)と呼ぶ。 CGS単位:1gの質点に1cm/s2の加速度を与えるような力を1ダイン (10-5N)と呼ぶ。 MKS単位とCGS単位を混同すると間違った結果となる。 MKS単位:N、m、s、kg CGS単位:dyne、cm、s、g 重力 重力:万有引力による地球の中心に向かう力 大きさ:F=mg、 重力加速度もしくは重力定数:g=9.81m/s2 力の重力単位:質量1kgの質点に働く重力の 大きさ(1kgw、1kg重) 1kgw=9.80665N 落下運動(p.19) 質量mの質点が自由落下するときの運動 x軸の正の向きを鉛直下方にとり、時刻tにおける質 点の座標をxとする。 mx mg v x gt A(Aは積分定数) t=0における初速度v0を入力すると速度が求まる。 O x v gt v0 さらに時間で積分すると距離が求まる(t=0でx=0) 1 2 x gt v 0 t 2 x軸 速度と座標の関係(p.20) 落下運動の速度と座標からtを消去する。 1 t v v 0 g 1 2 x gt v 0 t 2 時間に依存しない力学的なエネルギーの保存則に関連 する式が得られる。 2 1 1 1 x g v v 0 v 0 v v 0 2 g g 1 2 v v20 2g 2gx v 2 v 2 0 放物運動(p.21) 質点をv0の初速で投げ上げる。投げ上げる方向はx軸方 向で水平面と仰角θとする。運動方程式は mx 0, my mg, mz 0 z方向には運動しないので質点の運動はxy平面でおきる。 x 0, y g t=0での初期条件を使って、放物運動は以下のとおり x v 0 cos , y v 0 sin , x 0, y 0 1 x v 0 t cos , y gt 2 v 0 t sin 2 抵抗があるときの落下運動(p.22) 質量mの質点が空気抵抗を受けて落下する運動 x軸の正の向きを鉛直下方にとり、時刻tにおける質点の 座標をxとする。 は比例定数。 mx mg m x O x をvとおくと以下の運動方程式が求まる。 v v g 上式は1階の常微分方程式における線形非同次方程式 である。この式には以下の特徴がある。 (非同次方程式の一般解)=(同次方程式の一般解) v v 0 +(非同次方程式の特別解) v v g v v g x x軸 同次・非同次?? 非同次項を持つ微分方程式・・・f(t)は非同次項 d2y dy p qy f (t ) 2 dt dt 2階の線形微分方程式 非同次項 同次方程式はf(t)=0の時 d2y dy p qy 0 2 dt dt 2階の線形微分方程式 d2y dy p qy f (t ) となる このような微分方程式は dt 2 dt 2 d y dy 特別解以外にも dt 2 p dt qy 0 を満たす一般解も 解として持つ. 変数分離形の微分方程式 微分方程式に以下の関係を持つものがある. dy f ( x) dx g ( y ) すると,以下のように変形できる. dy f (x) dx f ( x)dx g ( y)dy 直接積分形という 両辺は積分できる. y f ( x)dx f ( x)dx g ( y)dy この場合は・・・ この解き方を変数分離法という 抵抗があるときの落下運動 • 速度をv1とv2に分ける。 v v1 v2 • 次に速度v1とv2が以下の式を満足すると考える。 v1 v1 0, v2 v2 g • 前式は変数分離法を用いて次のように変形する O x 1 1 dv1 v1 v1 v1 dt ln v1 t A v1 Ce t x軸 確認・・・ 先ほどの微分方程式を確認する. v1 v1 0 dv1 1 dt v1 式を変形する. 1 dv1 dt v1 1 v1 dv1 dt ln v1 t A v1 e A e t v1 Ce t 抵抗があるときの落下運動 • 後式はv2を定数として求める。 v2 • g v1とv2を足したものが速度vの一般解となる。 v v1 v 2 • g Ce t O x 任意定数Cを含む解を一般解という。 • Ce t は0に収束するので最終的に速度vはg/γになる。 この速度を終速度という。 • 終速度の時、加速度は0 x軸
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