HSBC投信株式会社 2016年7月26日 India Insights(7月号) (インド市場を見る眼~現地からの報告) <トピックス> 夏季国会で物品サービス税(GST)法案成立の可能性 マーケットサマリー(株式・債券・為替市場) 6月は、株式市場、債券市場ともに底堅い展開。米国の利上げ観測の後退が支援材料となった。通貨ルピーは 対米ドルで下落、インド準備銀行(中央銀行)ラジャン総裁の任期満了での9月退任表明がマイナス要因に <トピックス> 事業環境の大幅改善、経済成長率押し上げに寄与 夏季国会で物品サービス税(GST)法案成立 の可能性 GST導入の短期的効果については様々な議論が あるものの、長期的効果についてはほぼ見方が一 致している。すなわち、GSTは、効率的な税制の構 築、州間の税障壁の撤廃、企業の価格競争力向上 に大きく寄与するとともに、投資及び輸出の促進を 通じて経済成長率を押し上げる、というものだ。さら に、インフレ率を低下させるとともに、税収増を通じ て財政収支を改善させる効果も期待される。 インドでは現在夏季国会(通称モンスーン国会、7月 18日~8月12日)が開かれており、上院で物品サー ビス税(GST)法案が審議される予定である(下院で は昨年可決済み)。上院で3分の2以上の賛成があ れば同法案は成立する。与野党間では既にGST導 入に向けた協議が進められており、今国会での法 案成立の可能性が高まっている。 GSTは、これまで中央政府と各州政府がばらばらに 課してきた複雑な間接税を一本化するもので(図表 1参照)、1947年のインド独立以来、最大の税制改 革と言われている。 図表1 現行間接税と政府が提案する物品サービス税 現行間接税 中央政府の主な間接税 州政府の主な間接税 物品税 追加物品税 サービス税 州付加価値税 中央売上税 入境税 娯楽税 奢侈(しゃし)税 政府が提案する物品サービス税(GST) 中央政府、州政府の各種間接税を一本化 出所: HSBCグローバル・アセット・マネジメント 現地誌「Business Standard」 当資料の「留意点」については、巻末をご覧ください。 セクター別には自動車、消費財、物流に恩恵 セクター別には、GST導入による間接税率引き下 げが見込まれることから、自動車、耐久消費財、生 活必需品関連は特に恩恵を受けることが見込まれ る。また、物流セクターは、州境を越える納税手続 きの廃止や輸送コスト低下の恩恵を受けることが 見込まれる。他方、サービスセクターは税率の引き 上げによるマイナスの影響を受ける可能性がある。 GST導入までのプロセス 今回、GST法案が上院で可決されても、直ちに新た な税制が導入されるわけではない。同法案は、全 29州のうち過半数の州議会で批准される必要があ る。また、今回上院で審議される法案は、GST導入 のための憲法改正法案であり、その後、細則を規 定したGST法案が上下院及び各州議会で承認され る必要がある。 今回、上院で法案が可決されれば、GST委員会が 設置され、税率、免税対象品目、中央政府、地方 政府の税収配分などの重要項目が決定されること になる。 <マーケットサマリー> 株式市場 物品サービス税(GST)導入への期待が相場を下支え 6月のインド株式市場は底堅い展開となり、SENSEX指 数は前月末比+1.2%となった。夏季国会(モンスーン 国会)での物品サービス税(GST)法案成立への期待 感、モンスーン期(6月~9月)入り後の平年を上回る 降雨量などが好材料となった。海外では、米国の利上 げ観測の後退がプラス要因となった一方、6月23日の 英国の欧州連合(EU)離脱の是非を問う国民投票で 離脱が選択されたことがマイナスに働いた。 図表3 10年国債利回りの推移 (2015 年1月1日~2016年6月30日) (%) 8.1 8.0 7.9 7.8 7.7 7.6 7.5 7.4 7.3 7.2 15/01 15/04 15/07 15/10 16/01 16/04 出所:データストリームのデータをもとにHSBC投信が作成 (年/月) 当社の株式運用戦略 当社の債券運用戦略 当社では、インド株式ファンドの運用においては、イン ド経済の拡大から恩恵を受ける資本財や一般消費財 など景気敏感セクターに引き続き重点を置いている。 中でも健全な財務体質を持ち、景気好転の流れに素 早く対応できる企業に注目している。一方、景気動向 の影響を受けにくい生活必需品やヘルスケアはアンダ ーウエイトに維持しているが、最近の株価下落で割安 感が強まっている銘柄については組入れを増やす好 機と見ている。 当社では、インド債券ファンドの運用においては、引き 続きルピー建インド国債を有望視している。今後、 10年を超える同国債の発行量は多くなる見通しであり、 10年超の長期債券は金利上昇圧力を受けやすいこと から、残存期間が5年から10年の債券を選好している。 図表2 SENSEX指数の推移 (2015 年1月1日~2016年6月30日) (ポイント) 30,000 為替市場 中長期的な強気スタンス維持 6月のインドルピーは、対米ドル、対円で下落した。市 場からの信認が厚いインド準備銀行(中央銀行)のラ ジャン総裁が9月4日の任期満了をもって退任すると 表明したことなどがマイナス要因となった。 中期的にはルピーは底堅い推移を予想している。経 常収支赤字は比較的低水準にとどまる見通しであり、 また海外からの直接投資は引き続き拡大基調で推移 することが見込まれ、これらが通貨を下支えすること が見込まれる。 28,000 26,000 24,000 22,000 15/01 15/04 15/07 15/10 16/04 (年/月) 出所:データストリームのデータをもとにHSBC投信が作成 図表4 インドルピーの推移 (2015年1月1日~2016年6月30日) 16/01 1.95 (米ドル/ルピー、逆目盛) 60 対円(左軸) 1.85 米国の利上げ観測後退がプラス材料 当資料の「留意点」については、巻末をご覧ください。 64 1.75 66 1.65 1.55 対米ドル(右軸) 1.45 15/01 15/04 15/07 15/10 16/01 16/04 68 ルピー安 6月のインド債券市場は底堅く推移し、10年国債利回 りは0.02%低下(価格は上昇)し7.45%となった。主な プラス要因は米国の利上げ観測の後退、マイナス要 因は国内のインフレ指標の悪化であった。 5月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比+5.8%と なり、4月の+5.5%から上昇した。主として食料品価 格の上昇が指数全体を押し上げている。 しかし他方で、モンスーン期入り後の降雨量(食料品 価格に大きく影響)は、インフレ見通しを改善させてい る。6月初めから7月半ばまでの間の降雨量は、平年 を2%程度上回っている。 62 ルピー高 債券市場 (ルピー/円) 70 (年/月) 出所:データストリームのデータをもとにHSBC投信が作成 2 留意点 投資信託に係わるリスクについて 投資信託は、主に国内外の株式や公社債等の値動きのある証券を投資対象としており、当該資産の市場に おける取引価格の変動や為替の変動等により基準価額が変動し損失が生じる可能性があります。従いまして、 投資元本が保証されているものではありません。投資信託は、預金または保険契約ではなく、預金保険機構 または保険契約者保護機構の保護の対象ではありません。また、登録金融機関でご購入の投資信託は投資 者保護基金の保護の対象ではありません。購入の申込みにあたりましては「投資信託説明書(交付目論見 書)」および「契約締結前交付書面(目論見書補完書面等)」を販売会社からお受け取りの上、十分にその内 容をご確認頂きご自身でご判断ください。 投資信託に係わる費用について 購入時に直接ご負担いただく費用 購入時手数料 上限3.78%(税込) 換金時に直接ご負担いただく費用 信託財産留保額 上限0.5% 投資信託の保有期間中に間接的に ご負担いただく費用 運用管理費用(信託報酬) 上限年2.16%(税込) その他費用 上記以外に保有期間等に応じてご負担頂く費用があります。 「投資信託説明書(交付目論見書)」、「契約締結前交付書面(目論 見書補完書面等)」等でご確認ください。 ※上記に記載のリスクや費用につきましては、一般的な投資信託を想定しております。 ※費用の料率につきましては、HSBC投信株式会社が運用するすべての投資信託のうち、ご負担いただく それぞれの費用における最高の料率を記載しております。 ※投資信託に係るリスクや費用はそれぞれの投資信託により異なりますので、ご投資される際には、かならず 「投資信託説明書(交付目論見書)」をご覧ください。 HSBC投信株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第308号 加入協会 一般社団法人投資信託協会/一般社団法人日本投資顧問業協会 ホームページ www.assetmanagement.hsbc.com/jp 電話番号 03-3548-5690 (受付時間は営業日の午前9時~午後5時) 【当資料に関する留意点】 当資料は、HSBC投信株式会社(以下、当社)が投資者の皆さまへの情報提供を目的として作成したものであり、特定の金 融商品の売買を推奨・勧誘するものではありません。 当資料は信頼に足ると判断した情報に基づき作成していますが、情報の正確性、完全性を保証するものではありません。また、 データ等は過去の実績あるいは予想を示したものであり、将来の成果を示唆するものではありません。 当資料の記載内容等は作成時点のものであり、今後変更されることがあります。 当社は、当資料に含まれている情報について更新する義務を一切負いません。 3
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