No.190 『J-REIT』市場は新たな成長トレンドへ

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2016年4月13日
No.190
『J-REIT』市場は新たな成長トレンドへ
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2016年3月22日、国土交通省は「不動産投資市場
あるのに対し、日本は1.9%と低い水準にあり、各国平
の投資戦略」を取りまとめ、2020年頃にREIT等の
均の4.4%にも劣っている。株式市場に対しても同様で、
資産総額を約30兆円に倍増させる目標を立てた。
米 国 の 3.9 % 、各 国 平 均 の 3.5 % に 対 し 、 日 本 は
不動産投資市場の資産総額のうち、約9割を占める
1.8%と大きく下回っている。J-REIT市場のさらなる
J-REIT市場は新たな成長トレンドを迎えそうだ。
成長余地は大きいと考えられる。
J-REIT市場は2001年9月に上場2銘柄でスタートし、足
 年初来、国内外の景気鈍化懸念や円高推移などで
元では53銘柄にまで増加している。スタート時0.25兆円
日経平均が軟調に推移する中、J-REITは年初来
だった時価総額も、リーマン・ショック前の最高値を5兆円近く
+9.0%と底堅い値動きとなっている【図表3】。公示
上回る11.5兆円と約50倍にまで拡大し【図表1】、今
地価は、日銀の金融緩和や訪日観光客数の増加の
では米国REITに次ぐ世界第2位の市場規模となった。
恩恵を受けやすい大都市圏の商業地中心に押し上げ
られ、8年ぶりに全国平均でプラスに転じる【図表4】など、
政府目標の「不動産投資市場30兆円目標」は実現

J-REIT市場のファンダメンタルズは回復の途上にある。
可能だろうか。【図表2】は、各国のREIT市場の規模
と名目GDP・株式市場の規模を比較したものである。
政策期待と良好なファンダメンタルズに支えられ、J-REIT
米国REIT市場のGDP規模に対する比率は5.5%で
相場は今後も堅調な展開が期待される。
【図表1】
(兆円)
12
REIT市場規模上位5ヵ国の比較
【図表2】
J-REITの時価総額の推移
(%)
8
(2001年9月末~2016年2月末)
対名目GDP比率
対株式市場比率
7
10
6
8
平均(対名目GDP)
5
約50倍
4
6
3
4
平均(対株式市場)
2
2
1
0
0
'01/9
'04/9
'07/9
'10/9
'13/9
米国
日本
豪州
フランス
英国
※REIT市場、株式市場:2015年3月末、名目GDP:2014年のデータ。
【図表3】
【図表4】
東証REIT指数と日経平均の推移
(2015年12月末~2016年4月8日) 年初来
騰落率
東証REIT指数
115
110
+9.0%
公示地価(前年比)の推移
(2007年~2016年) (%)
12
全国平均 全用途(左軸)
8
大都市圏* 商業地(右軸)
4
(%)
3
2
105
1
100
0
0
95
-1
-4
90
-2
-8
-3
-12
85
日経平均
▲16.9%
-4
80
75
'15/12
*東京・名古屋・大阪を指す。
-5
'16/1
'16/2
※2015年12月末を100として指数化。
'16/3
'07
'08
'09
'10
'11
'12
'13
'14
'15
-16
-20
'16
※各年1月1日時点のデータ。
(出所)不動産証券化協会、国土交通省、IMF「World Economic Outlook Database October 2015」、ブルームバーグ
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