【総評】 1と2は見慣れない問題,3はていねいに書き上げる問題、4は平易な平面図形の問題と いう問題構成で,はじめに戸惑った生徒も多かったと思われる。問題を解く順番を工夫す るなどの時間管理も合否を分けたと思われる。それが例年より 10 点ほど低い平均点に現れ ている。また,見慣れない問題でも問うていることは単純な場合もあり,問題文の上っ面 だけでなく、「要するに何を聞かれているか」という問題の本質を読み取る力の差が得点の 差になった入試だった。 【細評】 1 速さ 坂道の角度( 垂直距離 )によって速さが変化する問題 水平距離 冷静に考えれば速さと比の単純な問題なのだが,見たことがない問題と捉えた受験生 が多かったかもしれない。しかも(1)の解答を用いて(2)を解く連動性の高い問題なので,得 点の差がつきやすい問題だったと言える。(2)は消去算(方程式)を利用して解く問題であ る。開成算数では,消去算(方程式)の立式力と計算力は高いレベルで求められることが 多い。 2 仕事算 1日あたりの仕事量と賃金を組合せて考える問題。 この問題もめったにお目にかからない切り口の問題であった。(2)は日数を定めたとき の,仕事を完了させるまでの賃金の合計が最小な働かせ方。(3)は賃金の合計を定めたとき の,仕事を完了させるまでの日数が最小が働かせ方。コストパフォーマンスの高さを計算 させる発想で面食らった生徒も多かったと思われる。(2)までは確実に正解しておきたい。 3 ルールと操作 3種類の操作を順に行って点を移動させる問題 問題に定められているルールをしっかり把握して,ていねいに調べれば(1)(2)はたやす い。(3)は少々面倒で時間も多少かかるが,これも(1)(2)を利用した問題であるので,他の問 題とのバランスによっては得点源にできる問題であった。 4 平面図形 円と直線の複合図形の面積など 最後の問題にしては簡単な問題。「等積変形をするはず」という発想は常に持っておき たい。確実に正解しておきたい問題なだけでなく,3のように時間がかかる問題があるこ とを考えれば可能な限り短時間で確実に正解しておきたい問題。
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