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代数学入門 小テスト 3
2016 年度後期
工学部・未来科学部 1 年
担当: 原 隆 (未来科学部数学系列・助教)
注. どこに解答が書かれているのかが はっきりと 分かるようにすること。必要ならば裏も使って良いが、
その旨を明記すること。解答が判別出来ない場合は得点がつかない可能性もあるので気をつけよう。
※ If you are not good at writing Japanese sentences, you can answer the following problems in English.
問題 3-1. 以下の空欄を埋めなさい。
[2 点]
『文字 x, y に関する 整数係数の 一次方程式 (つまり a, b, d が 整数 であるような一次
方程式 ax + by = d ) を
方程式 と呼ぶ。』
問題 3-2. 方程式
39x − 60y = −12
· · · (∗)
について、以下の設問に答えなさい。
(1) 整数組 (x, y) =
(−8, −5)が (∗) の整数解 (の 1 つ) であることを確認しなさい。
(2) 方程式 (∗) の すべての 整数解を求めなさい。
[2 点]
[3 点]
問題 3-3.
方程式 39x − 60y = 8 が整数解を持たない理由を、簡潔に説明しなさい。
[ボーナス問題: 2 点]
【解答】
問題 3-1. (2 元) 一次不定 (方程式) または (一次) ディオファントス (方程式)
問題 3-2.
(1) 39 · (−8) − 60 · (−5) = −312 + 300 = −12 より、(x0 , y0 ) = (−8, −5) は確かに (∗) の特殊解
となっている。
(2)
39
−)
x
− 60
y
= −12
39 · (−8) − 60 · (−5) = −12
39 ( x + 8 ) − 60 ( y + 5 ) = 0
より、
13
20
> + 8) = > + 5)
39(x
60(y
∴
13(x + 8) = 20(y + 5)
が成り立つ。13 と 20 は 互いに素 であるから、x + 8 は 20 の倍数に、y + 5 は 13 の倍数と
なる。したがって x + 8 = 20k (k は整数) とおくと、x = −8 + 20k であり、一方で
2
0(y + 5) = 13(x + 8) = 13 · 2
0k
∴
y = −5 + 13k
となる。以上より (∗) のすべての整数解は (x, y) = (−8 + 20k, −5 + 13k) (k は整数) と
なる。
問題 3-3. 39x − 60y = 3(13x − 20y) であるから、(x, y) が整数であるとすると与式の左辺は 3 の倍
数となるが、右辺は 8 で 3 の倍数ではないため矛盾が生じる。よって背理法により、整数解 (x, y) は
存在し得ない。