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ソリューション 紹 介
全老健の新ケアマネジメント方式に対応した
「R4Navi」の提供で在宅復帰率向上を支援
介護老人保健施設における利用者の在宅復帰を推進するため、公益社団法人全国老人保健施
設協会(全 老 健)では新しいケアマネジメント方式「新全老健版ケアマネジメント方式〜R4シ
ステム〜」の利用を推進しています。当社は、この方式にいち早く対応した介護 老人保健 施設
業務支援パッケージ「R4Navi」の販売を開始しました。合わせて、全老健主催の全国老健大
会への出展や全老健支部主催の研修会の支援など、R4システムの普及・啓発に努めながら、
在宅復帰率向上への取り組みを支援していきます。
よりよいケアを目指した
れ、真のニーズが見つからず、
なかなかケ
護を効率よく実践できる大変優れたアセ
独自プランへ アプランが完成しない」とか「ケアプランま
スメント方式です。
では作成できても、
その実行が出来ない」
図-1のように、R-1のステップでは、
これ
といった意見が多く、
これまでのケアマネ
まで「アセスメント」
と一括りにされていた
ジメントの問題を解決する必要がありまし
ものをA-1からA-4の4つの段階に区分す
た。
ることで、
その流れがより明確化されてい
施設介護サービス(入所サービス)を提
供する介護保険施設には、介護老人保健
施設(老健施設)、介護老人福祉施設、介
護療養型医療施設などがあります。中で
も老健施設は、病状安定期にあり、入院
治療をする必要はないがリハビリテーショ
ンや看護・介護を必要とする要介護者を
対象にした施設で、入所者が有する能力
に応じ自立した日常生活を営むことができ
るようにするとともに、入所者の居宅にお
ける生活への復帰を目指すことを目的とし
そこで、全老健では、従来のケアマネジ
ます。R-2のステップではケアカンファレン
メント方式である
「包括的自立支援プロ
ス(専門職による議論)を行い、入所後ケア
グラム」
を見直し、在宅復帰を目的とした
プランを策定します。R-3のステップではケ
ケアの進め方に改善していくため、老健
アプランの実施と確認を行い、
ケアプラン
施設の役割・機能を反映させた新しいケ
の周知とDoの担保(プランの実行)
を行
アマネジメントの考え方である
「R4システ
います。最後に、R-4のステップでモニタリ
ム」
を提案しました。
ングを行い変化のチェックやDoの評価を
実施し、R-1のステップに戻りケアプランの
て整備されました。
全老健の認証第1号となった
再作成を行います。
わが国は、世界でも類を見ない水準の
R4Navi R4システムの効率的な実施と確実な運
ほか平均寿命でも世界トップクラスを誇っ
「R4システム」
( 新全老健版ケアマネジ
するR4Navi(開発元:(株)レゾナ)
です。
ソ
ています。一方で、平均入院期間はアメリ
メント方式)
は、在宅復帰という老健施設
カの5倍、
ドイツの3倍となっており、慢性
の原点に立ち返り、利用者のアセスメント
的な病床不足や、
自宅での療養を望む利
からケアプラン(Plan)、
ケア実績(Do)、評
用者の声に対応できていないのが現状で
価(See)の構築に主眼を置き、
チーム介
用を支援するソフトウェアが、当社が販売
医療・介護制度を確立し、国民皆保険の
す。
そこで、厚生労働省は在宅復帰の推
進を目的に、
平成24年度の介護報酬改定
で在宅復帰・ベッド回転率の高い老健施
設を評価し、
高い介護報酬が得られること
にしました。
R−1
A-1 ニーズ
A-2 適性
A-3 生活機能
は、従来の施設ケアマネジメント(適切な
(1) アプローチステータス機能
R-1からR-4までの各アプローチの状況
R−2
各種
アセスメント
ケアカンファレンス
サービス利用
判定会議
(暫定ケアプラン)
利用申し込み
と)では、
「アセスメントばかりに時間がとら
図 -1 R4 システムの概要
TOSHIBA INFORMATION SYSTEMS(JAPAN)CORPORATION
在宅復帰
R−3
ケアプラン実施
ケアプランの
実施と確認
ケアプラン
ケアプランの作成
各担当の評価をもとに担当者会議を行い、
在宅復帰と再プランを検討、次のサイクルへ
介護計画を立て、サービスを提供するこ
Wave 2013.5 vol.17
ものがあります。
A-4 専門職
しかしながら、在宅復帰を推進するに
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フトウェアの主な特徴としては次のような
R−4
モニタリング
変化のチェックと
Do の評価
Healthcare
Solution
他委託のケアマネー
ジャーから提供された
情報や、主治医からの
紙ベースの情報をペン
支援相談員
介 護
タイプのスキャナでデー
タとして取り込むことが
可能である
3,500の施設への
医 師
看 護
■ケアプラン実行シート
普及を R4Naviは、全老健よ
り
「R4システム」
に準拠
リハビリ
したソフトウェアとして
栄 養
認証第1号を取得して
おり、他社に先駆けて
図 -2 電子カンファレンス機能
2012年10月から販売
を容易に確認でき、利用者ごとの各シート
(4) Doチェック機能
を開始するとともに、全老健共済会経由
の作成状況や履歴が一目で分かる
ケアプランの実施確認を行うための
にて全老健会員約3,500施設に対し案内
(2) プロフィール機能
Do-Checkシート及び、現場の介護福祉
を行っています。
またR4システムへの対応
ケアプランの総合計画書は、全老健の
士が持ち歩けるDo-Checkカードの作成
のみならず、介護保険請求機能を実装し
標準様式のみではなく、施設独自の様式
が可能であり、
ケアの質の向上が期待で
たR4Navi(請求版)
も提供していて、幅広
も追加することができる
きる
く老健施設のニーズに対応することが可
(3) 電子カンファレンス機能 (図-2)
(5) ICFビュー機能 (図-3)
能です。
利用者のケアプランを介護福祉士、看
利用者のICF(生活機能)
レベルの経過
R4システムの必要性をさらに認識して
護師など多職種で同時に入力することが
を視覚的パターン(レーダーチャート)で表
いただくために、全国老健大会や各地で
でき、
プロジェクタなどを利用した電子カ
示し、在宅復帰に向けたモニタリング及び
開催される全老健支部大会などに出展
ンファレンスを行うことにより、
その場で暫
ケアプラン再作成の分析検討を支援する
することで認知度を高めています。
また、
定ケアプランや入所後ケアプランを完成
ことができる
老健施設の経営者や現場のケアマネー
させることが可能である
(6) 入力業務省力化機能
ジャー、支援相談員などを対象とした全
老健支部主催のR4システム研修会にも
■R4ケアマネジメント対象者一覧
協賛し、実際にR4Naviをパソコンで操
利用者・家族への説明
作・体験して具体的な運用のイメージを
掴んでいただくなど、積極的な普及を進め
ICFビュー
ています。
今後も、
全老健各施設の在宅復帰推進
に向けた支援として、研修会の協賛に加
えて、各施設の現場の声を取り込んで使
カンファレンス
い勝手などのブラッシュアップを図りなが
ら、老健3,500施設への普及に努めてい
きます。
(ヘルスケア事業統括部 川本夕紀)
図 -3 ICFビュー機能
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Wave 2013.5 vol.17
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